42 / 98
天使は甘いキスが好き
しおりを挟む
「…動くよ? 恵」
龍之介はゆっくりと腰を動かした。恵はジンジンと痛む後孔に意識を集中させた。すると、痛みよりも快感がさざ波のように寄せては返すようになり、先程の電流の走ったしこりが、龍之介の陰茎で擦られて恵は喘いだ。
「あうっ!」
「ここだね? 恵の好い所」
「ああ、あ、んあっいやぁそこっ!」
「あぁ、恵…君の中が熱くて、俺のに絡みついて持って行かれそうだっ!」
逃げようとする恵の腰を引き戻し、片脚を持ち上げて無理やり恵の身体の向きを変える。グリッと中で陰茎の角度が変わり、恵は甘い悲鳴を上げた。
「何か、来るっ来ちゃうっあ、ぁぁイク、イクっっ!!」
ビクン、ビクンっと痙攣し、龍之介の陰茎をギュウッと絞る。
「ううっ!」
恵が自分の腹と龍之介の腹に白濁で濡らす。すると、龍之介は呻いて恵の奥深い場所に快感を解き放した。熱い飛沫にも恵は甘い声をあげて震える。龍之介は身を屈めて恵の唇に吸い付いて、舌を絡めながら好きだと囁いた。まだ龍之介は物足りない。龍之介の陰茎は変わらず硬いままだ。恵は荒い息を吐きながら、浮上していく快感に身を熱くして…。
恵は涙目になりながら、幼い顔を龍之介へと見上げ喘ぎ、龍之介の背に爪の跡を残した。
龍之介の声に、恵は眼を覚ます。寝室のドアが少し開かれていて、龍之介の厳しい声が聞こえて来た。
「兎に角、これ以上恵を傷付ける事は、この俺が許さない」
電話の向こうで、誰かが怒鳴るのが微かだが聞こえた。
「美加がなんと云おうが、俺には恵が必要だ」
恵は胸がトクンと、高鳴った。起き上がろうとしたが、力が入らない。在らぬ処がズキリと痛み、恵は思い出してひとり紅くなった。
「誰にも恵は渡さない。今? 君には関係無いだろう。君と俺はとっくに終わってるんだ」
電話の向こうで美加の声が聞こえる。恵は今全裸で、肩から下がキスマークでいっぱいなのに羞恥した。
ーーー本当に、しちゃったんだ。
思い出しただけで、胸が温かくなる。やはり、龍之介を忘れられなかった。改めて愛していると知る。太一の昔の優しい只の、父親の姿を龍之介に求めていたのは理解した。が、でも今は違う。それだけは間違いない。愛している。ひとりの人間として。
電話が終わったのか、龍之介が水の入ったコップを手に、寝室へやって来た。
「起きたのか。身体の方は大丈夫?」
訊かれて、恵は胸元まで毛布を持ち上げた。
「…少し、腰が痛い」
正直に云う恵に、龍之介は微笑んで恵の米神にキスをした。恵の横に座ると、水の入ったコップを手渡す。
「途中で我慢が効かなかった。余りにも君が可愛過ぎて」
低い声に、恵はドクンと胸が高鳴る。確かに途中から、龍之介は獣の様に恵を求めた。恵は頬を染めたまま、顔を横に振る。
「龍之介さんが感じてくれたら俺、嬉しい」
「君は? 恵。気持ち良くなかった?」
恵は首筋まで紅くなって、龍之介に寄り掛かる。龍之介の着ているタオル地のガウンが、頬に当たる感触が気持ち良い。
「俺も、気が遠くなりそうだった…」
恋人同士の甘い時間に恵はふと、自宅への電話を忘れていたのを思い出す。
「…電話しなくちゃ」
クラシックな、壁掛け時計を見上げれば、既に深夜の零時を過ぎていた。
「もう、こんな時間!?」
「大丈夫。電話するって云ったろう?」
恵はホッとして、伊吹を思い出した。きっとまた拗ねているだろうか。
「何? ホームシック?」
恵はムッとしてそっぽを向いた。
「ごめん、ごめん。怒らないで、恵」
恵はチラッと龍之介を見ると、笑って龍之介の唇にキスをした。
「もっと、してくれたら許してあげる」
潤んだ眼で恵が龍之介を見上げる。龍之介は双眸を見開き、微笑む。
「俺の可愛い天使は、欲しがり屋さんなんだな。俺は嬉しいよ。また抱いてもいい?」
「……うん」
甘いキスが、恵を幸福の中に引きずり込む。この幸福が、いつまでも続きます様に。恵は龍之介の腕の中で、願わずにはいられなかった。
五歳ぐらいの泣き虫の小さな恵が、白い霧の中で立ち尽くしていた。あぁ。これは夢。暖かな空間の間で、光を求めて歩き出す。
『恵』
何処からか声がする。ずっと聞いていた声。温かく、包み込む優しい声。
龍之介はゆっくりと腰を動かした。恵はジンジンと痛む後孔に意識を集中させた。すると、痛みよりも快感がさざ波のように寄せては返すようになり、先程の電流の走ったしこりが、龍之介の陰茎で擦られて恵は喘いだ。
「あうっ!」
「ここだね? 恵の好い所」
「ああ、あ、んあっいやぁそこっ!」
「あぁ、恵…君の中が熱くて、俺のに絡みついて持って行かれそうだっ!」
逃げようとする恵の腰を引き戻し、片脚を持ち上げて無理やり恵の身体の向きを変える。グリッと中で陰茎の角度が変わり、恵は甘い悲鳴を上げた。
「何か、来るっ来ちゃうっあ、ぁぁイク、イクっっ!!」
ビクン、ビクンっと痙攣し、龍之介の陰茎をギュウッと絞る。
「ううっ!」
恵が自分の腹と龍之介の腹に白濁で濡らす。すると、龍之介は呻いて恵の奥深い場所に快感を解き放した。熱い飛沫にも恵は甘い声をあげて震える。龍之介は身を屈めて恵の唇に吸い付いて、舌を絡めながら好きだと囁いた。まだ龍之介は物足りない。龍之介の陰茎は変わらず硬いままだ。恵は荒い息を吐きながら、浮上していく快感に身を熱くして…。
恵は涙目になりながら、幼い顔を龍之介へと見上げ喘ぎ、龍之介の背に爪の跡を残した。
龍之介の声に、恵は眼を覚ます。寝室のドアが少し開かれていて、龍之介の厳しい声が聞こえて来た。
「兎に角、これ以上恵を傷付ける事は、この俺が許さない」
電話の向こうで、誰かが怒鳴るのが微かだが聞こえた。
「美加がなんと云おうが、俺には恵が必要だ」
恵は胸がトクンと、高鳴った。起き上がろうとしたが、力が入らない。在らぬ処がズキリと痛み、恵は思い出してひとり紅くなった。
「誰にも恵は渡さない。今? 君には関係無いだろう。君と俺はとっくに終わってるんだ」
電話の向こうで美加の声が聞こえる。恵は今全裸で、肩から下がキスマークでいっぱいなのに羞恥した。
ーーー本当に、しちゃったんだ。
思い出しただけで、胸が温かくなる。やはり、龍之介を忘れられなかった。改めて愛していると知る。太一の昔の優しい只の、父親の姿を龍之介に求めていたのは理解した。が、でも今は違う。それだけは間違いない。愛している。ひとりの人間として。
電話が終わったのか、龍之介が水の入ったコップを手に、寝室へやって来た。
「起きたのか。身体の方は大丈夫?」
訊かれて、恵は胸元まで毛布を持ち上げた。
「…少し、腰が痛い」
正直に云う恵に、龍之介は微笑んで恵の米神にキスをした。恵の横に座ると、水の入ったコップを手渡す。
「途中で我慢が効かなかった。余りにも君が可愛過ぎて」
低い声に、恵はドクンと胸が高鳴る。確かに途中から、龍之介は獣の様に恵を求めた。恵は頬を染めたまま、顔を横に振る。
「龍之介さんが感じてくれたら俺、嬉しい」
「君は? 恵。気持ち良くなかった?」
恵は首筋まで紅くなって、龍之介に寄り掛かる。龍之介の着ているタオル地のガウンが、頬に当たる感触が気持ち良い。
「俺も、気が遠くなりそうだった…」
恋人同士の甘い時間に恵はふと、自宅への電話を忘れていたのを思い出す。
「…電話しなくちゃ」
クラシックな、壁掛け時計を見上げれば、既に深夜の零時を過ぎていた。
「もう、こんな時間!?」
「大丈夫。電話するって云ったろう?」
恵はホッとして、伊吹を思い出した。きっとまた拗ねているだろうか。
「何? ホームシック?」
恵はムッとしてそっぽを向いた。
「ごめん、ごめん。怒らないで、恵」
恵はチラッと龍之介を見ると、笑って龍之介の唇にキスをした。
「もっと、してくれたら許してあげる」
潤んだ眼で恵が龍之介を見上げる。龍之介は双眸を見開き、微笑む。
「俺の可愛い天使は、欲しがり屋さんなんだな。俺は嬉しいよ。また抱いてもいい?」
「……うん」
甘いキスが、恵を幸福の中に引きずり込む。この幸福が、いつまでも続きます様に。恵は龍之介の腕の中で、願わずにはいられなかった。
五歳ぐらいの泣き虫の小さな恵が、白い霧の中で立ち尽くしていた。あぁ。これは夢。暖かな空間の間で、光を求めて歩き出す。
『恵』
何処からか声がする。ずっと聞いていた声。温かく、包み込む優しい声。
0
あなたにおすすめの小説
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
鈴木さんちの家政夫
ユキヤナギ
BL
「もし家事全般を請け負ってくれるなら、家賃はいらないよ」そう言われて鈴木家の住み込み家政夫になった智樹は、雇い主の彩葉に心惹かれていく。だが彼には、一途に想い続けている相手がいた。彩葉の恋を見守るうちに、智樹は心に芽生えた大切な気持ちに気付いていく。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
宵にまぎれて兎は回る
宇土為名
BL
高校3年の春、同級生の名取に告白した冬だったが名取にはあっさりと冗談だったことにされてしまう。それを否定することもなく卒業し手以来、冬は親友だった名取とは距離を置こうと一度も連絡を取らなかった。そして8年後、勤めている会社の取引先で転勤してきた名取と8年ぶりに再会を果たす。再会してすぐ名取は自身の結婚式に出席してくれと冬に頼んできた。はじめは断るつもりだった冬だが、名取の願いには弱く結局引き受けてしまう。そして式当日、幸せに溢れた雰囲気に疲れてしまった冬は式場の中庭で避難するように休憩した。いまだに思いを断ち切れていない自分の情けなさを反省していると、そこで別の式に出席している男と出会い…
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる