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仲良し三人組が立志館高校の学園際に行く。テレビドラマ魔界戦隊のロケを見た後、チアリーディングの公演をみてから、模擬店でイカ焼きを買う。
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あらすじ
彩香ちゃん江実矢君、有紀の仲良し三人組が立志館高校の学園際に行く。テレビドラマ魔界戦隊のロケを見た後、テニスコートでチアリーディングの公演をみてから、模擬店でイカ焼きを買う
ちょうど中学一年生の秋に、彩香ちゃんが「ねえ、こんどさお姉ちゃんの行ってる高校で学園祭があるんだけど一緒に来てよね」と有紀を誘った。有紀は区立北川中学校の一年生で、彩香ちゃんは幼稚園の時からの親友だ。まだ中学一年生で受験を考えるのは早いけど、彩香ちゃんはお姉ちゃんの通ってる立志館学園に行きたいらしい。
立志館学園は共学で、中学と高校が併設だけど高校からの募集もある。制服がブレザーだけど、デザインが可愛らしくてスカートもタータンチェックなので女の子には大人気だ。
制服が気に入ってるからだけどもないらしいけど、姉ちゃんも今年立志館学園の高等部にはいったばかりなので早めに学園祭を見ておきたいらしい。
江実矢君も一緒にさそって駅前で待ち合わせしてると、江実矢君が真っ赤なジャンパーを着て手を振ってるのが見えた。江実矢君は小学校の時から有紀と彩香ちゃんとは同級生だ。おじいちゃんがロシア人なので色白で目も青いので、見た目は女の子にしか見えない。その上いつもお姉ちゃんのお下がりの服を着てるから、ズボンを履いててもどうみても女の子だ。
彩香ちゃんは駅前でどっちに行けばいいのか判らずにちょっと立ち止まったけど、大勢人が歩いていくので一緒に付いていけばいいとすぐに気がついたみたい。駅前の大通りをしばらく進むと交差点が見えた。歩道を渡って目の前の細い坂道をあがると、立志館学園の西門についた。ちいさな戸口をくぐってまた細い道を入っていくとすぐに校舎が見えてきた。
校庭の中央には舞台もつくってあって、その両脇には模擬店が沢山ならんでる。見た目は普通の学園祭だけど何だか変な雰囲気で彩香ちゃんが有紀の手をひっぱった。目の前に大きなテレビカメラを抱えた人が、まるで地面を這うように下から立志館学園の女の子がたこ焼きの屋台の前で並んでるのを撮してる。まるでスカートの中を盗み撮りでもしてるみたいな感じで、変だと思ったけど周りの人は何も言わない。
校庭の奥にはテレビ局の大きな車が沢山ならんでる。ちょうど図書館の前に、大勢テレビ局の人らしいスタッフが大勢集まっているので近くまで行ってみた。テレビドラマの撮影をやってるらしくて、テレビカメラの前に可愛らしい女の子が立志館学園の制服姿で相手役の男の子となにか喋ってる。
大きなトンボ取りみたいなのを持った男の人が、テレビカメラの横から女の子のすぐ前に近づくのが見えた。
「いったいあれ何なのかしらね」と彩香ちゃんが言うと江実矢君が「あれは、録音用のマイクなんだ」と教えてくれた。江実矢君のパパはテレビ局に勤めてるので、江実矢君もいろいろ知ってるらしい。
女の子が急にこっちを向いて「恵美ちゃん」と大声で叫ぶと、手を振って合図した。恵美ちゃんて誰のことだろうと思って彩香ちゃんは周りを見回したが、誰も返事をする女の子はいない。もしかして江実矢君の事を恵美ちゃんと呼んでるかもしれないけど、江実矢君の事を恵美ちゃんと呼ぶのは彩香ちゃんしかいない。
小学校のとき、江実矢君は恵美ちゃんとあだ名をつけられて虐められたけど、いつも彩香ちゃんが江実矢君をかばって助けてた。彩香ちゃんの目の前で江実矢君を恵美ちゃんと呼ぶと彩香ちゃんが怒るので、いまでは江実矢君の事を恵美ちゃんと呼ぶ子は誰もいない。
江実矢君が急に「あ、希美ちゃんだ」と言って女の子に手を振り返した。彩香ちゃんは希美ちゃんという名前を江実矢君の口からきいて怪訝な顔をして頭を振った。小学校の時も、中学校の時も、希美ちゃんという女の子は江実矢君のクラスにはいなかったはず。
よくよくその希美ちゃんの顔を確かめてみたけど、やっぱり同じクラスの女の子ではない。よくよく思い出してみると幼稚園の桃組に希美ちゃんという女の子が確かに居たことはいる。だけどすぐにお父さんの転勤でアメリカに行ったはず。
希美ちゃんがいきなり駆けだして江実矢君の前まで来て立ち止まった。江実矢君の手をつかむと手首のアメジストリングを確かめて顔が笑みでいっぱいに成ってる。
希美ちゃんが江実矢君の目の前に手を差し出すと、江実矢君がしてるのと同じアメジストリングが希美ちゃんの手首にもはまってる。
江実矢君がしてるアメジストリング、小学校の時からずっとはめたままでそのせいでクラスの男の子達には随分とからかわれたり虐められたりもした。それでも江実矢君はそのアメジストリングを外そうとはしなかった。それがどうしてか有紀にも今やっと判った。
希美ちゃんはアメリカに行くとき江実矢君と結婚の約束をしたらしい。その時アメジストリングを江実矢君に渡して、もう一度会ったときも二人ともアメジストリングをしていたら結婚しようという約束だったんだ。
江実矢君と希美ちゃんの間にそんな事があったなんて、彩香ちゃんにしてみれば青天の霹靂。なんでこんなことになっちゃったのか彩香ちゃんは今にも泣き出しそうな顔になった。
「希美ちゃん、もうすぐ本番だよ」と希美ちゃんのすぐ後ろから立志館学園の高等部の制服を着た男の子が声をかけた。
「本番手何よ」と彩香ちゃんが素っ頓狂な声をだして驚いた顔をした。彩香ちゃんはなんだかエッチなことを想像したらしくて、顔が真っ赤になってる。
「ドラマの本番だよ、本番て何か勘違いしてない」と男の子に言われたけど彩香ちゃんはなんとことか気がつかないらしい。
「あのね、一番最後のちゃんとした撮影が、本番なのよ」と希美ちゃんに言われてやっと彩香ちゃんは意味が分かったらしい。照れくさそうに下を向いて「そんなこと知ってるわよ」と小さな声で返事をした。
「私のね、この義信さんと、今度ね結婚するの」と希美ちゃんが男の子を彩香ちゃんに紹介した。結婚と聞いて彩香ちゃんはびっくりして目を丸くした。まだ中学生なのに、高校生の男の子と結婚しちゃうなんてありえない。だけどこの希美ちゃんアメリカ帰りだは、アメリカじゃ中学生と高校生が結婚しちゃうなんて普通なのかもしれない。
「親が勝手に決めちゃったの」と希美ちゃんは不満そうな顔で江実矢君に言い訳してる。
「いや、結婚の約束をしてるってのはドラマの話しでね、結婚式のシーンはまだ撮影してないんですよ」と義信さんが彩香ちゃんに説明して彩香ちゃんはようやくこの義信さんテレビドラマに出演してる希美ちゃんの相手役だと気がついた。
まだ結婚式のシーンを撮影してないからって、そんな話しじゃ無いはずなんだけどと思って改めて義信さんをよく見ると高校生にしては体つきがごつくてひげも濃い。背も結構高いし、それに胸板もよく見ると厚く張り出していてそれでいて身体全体はやせて見える。顔も普通の男の子みたいだけど、ちょっとハンサムな感じで笑顔がどこから見ても自然に輝いて見える。
「おおい義信、本番だよ」と馬鹿でかい声がすぐ近くから聞こえてきて、義信さんが急に振り返って歩き始めた。声を掛けたのはドラマのディレクターらしい小太りの中年の男性だ。
ディレクターは収録の予定を横の助手の女の子に確かめてるらしくて下を向いたままだ。希美ちゃんはすぐに義信さんに駆け寄ると、義信さんと手を繋いで歩き始めた。
義信さんの手にもアメジストリングがしっかりとはめられているのをみて彩香ちゃんは不機嫌な顔。希美ちゃんたら、江実矢君だけにあのアメジストリングを贈ったんじゃないみたい。これはという男の子には片端からあのアメジストリングを贈ってるらしい。
そうなったらいったい江実矢君は希美ちゃんにとって何だったんだろうと急に彩香ちゃんは腹が立ってきた。
江実矢君は希美ちゃんの約束を本気にして今まであのアメジストリングを大事にしてどんなに他の男の子にからかわれても絶対に外さなかった。それと同じアメジストリングをあの義信さんもしてるなんて、希美ちゃんのすることは絶対許せない。そう思って彩香ちゃんが希美ちゃんを追いかけようとすると、目の前で行く先をふさがれた。
「こっから前にでないでください、収録中です、本番いきます」と側で大きな声が聞こえた。さっきディレクターと相談してたタイムキーパーの芳恵さんだ。
芳恵さんはカメラの位置を確認して、素早くストップウオッチを手にした。撮影が始まったらしくて、希美ちゃんと義信さんの出会いのシーンらしい。希美ちゃんが学校に遅刻しそうになって駆けてくる所をちょうど義信さんとぶつかって二人が倒れるシーンだ。
希美ちゃんが大げさに足を広げて地面に倒れると、紫色の下着が目に入ってきて有紀は目を丸くした。どう見たって、紫とピンクの縞模様のお色気たっぷりのパンティーなんか中学生が身につけるような代物じゃない。それもヒラヒラのレース模様で半分透けて見えちゃうとんでもないパンティーだ。
二人の間でしばらく台詞が続いたけど遠くて何を喋ってるのかは判らない。義信さんが手を伸ばして、希美ちゃんを起こそうとしたがなかなか起きあがれない。なんどか立ち上がろうとやってみてもまた座り込んでしまうだけ。その度にスカートがめくれあがって、紫とピンクの縞模様のパンティーが余計に目立つ。
江実矢君は恥ずかしそうにしてるけど目つきが変だと有紀は気がついた。希美ちゃんのパンティーに視線だ釘付けになって目が離せないみたい。
やっぱり男の子だから女の子の下着に興味があるのはしかたないけど彩香ちゃんは不機嫌な顔。彩香ちゃんは「ちょっとお、こっち来てよ」と声を掛けると、江実矢君の手をひっぱって模擬店の方に連れだした。
焼きそばとたこ焼きの屋台の間を見て歩いていると、先のテニスコートの前に人が沢山集まってるので行ってみることにした。
テニスコートの中には、真っ赤な衣装を着た女の子達が大勢居て準備運動をしてる。真っ赤なミニスカートはひだがボックスに成っていてボックスの内側は色違いになってる。
まだ中学生らしい女の子達は足が細くて、身体も小柄だけど中には胸が大きな女の子も居る。ぴっちぴちの衣装なので、どの女の子も胸が前に飛び出して見えて、見ている方が恥ずかしくなっちゃうくらい。
胸元に大きな白い文字で「LOVE FIGHTERS」と飾りが付いてるのが読めた。準備体操とは言え、足を大きく広げたりとか平気な顔して目前でやってるので江実矢君も目のやり場に困ってる様子。
そろそろ予定の時間が来たらしくて女の子達が立ち上がって横一列に並んだ。これから立志館学園のチアリーディングチーム「ラブファイターズ」の公演が始まるらしい。
指導の先生らしい人がマイクで挨拶すると、女の子の一人がラジカセのスイッチを入れた。軽快なリズムで踊りが始まると、女の子達は足を上げたり身体を揺すったりするたびにアンダースコートが丸見えになってる。観客はみな生徒の家族しかいないので、女の子達は全然気にしていない様子。だけど彩香ちゃんは江実矢君が嬉しそうな顔をして女の子達の踊る姿を見てるのが気に入らない様子だ。
急に音楽のリズムが止まると女の子達が中央に集まって、三段のピラミッドを組もうとしてる。まず最初にちょっと身体が太めな女の子が三人並んでその肩の上にすこし軽めの女の子が二人乗る。一番上に乗るのは身体の一番小さい華奢な女の子で足が細くてガリガリだ。他の女の子が下からお尻を持ち上げて、なんとか二段目の女の子の膝の上に身体を載せて、それから肩に足を上げようとしてる。
だけどまだ練習が足りないせいか何度やっても失敗。最後には一番上に乗るはずの女の子がテニスコートに尻餅をついて、足を大きく開いてしゃがみこんでしまった。みっともない格好のまま足をばたばたさせてるけどすぐには起きあがれない。落ちたときによっぽどお尻が痛かったのか、今度は泣き出してしまった。
足を大きく開いたままなので、アンダースコートのレース模様のヒラヒラが丸見えになってる。江実矢君の視線がアンダースコートを見つめたまま動かないのに有紀は気がついた。男の子なんだからしょうがないと思ったけど、彩香ちゃんは気に入らないらしい。江実矢君の手をひっぱってテニスコートから連れ出した。女の子達はピラミッドを作るのは諦めてまた踊りを続けてだしたみたい。
「ちょっとお、何見てんのよ」と言って彩香ちゃんが江実矢君の顔をにらみ付けた。江実矢君は困った顔だけど、なんで叱られてるのか気がついてないみたい。仕方なく彩香ちゃんは江実矢君の手を引っ張って模擬店のある校庭に戻った。
お腹が空いていたので何か食べようと彩香ちゃんが言い出した。江実矢君がすぐに綿飴を食べたい言って、綿飴の屋台の前に並んだけどすごい行列。綿飴を作ってるのは、生徒の父兄の人らしくて作るのが遅くてとてもだめ。
お腹が空いてるらしくて彩香ちゃんはイカ焼きを食べようと江実矢君の手を引っ張った。炭火で焼いたイカ焼きの煙を嗅いだだけで、食いしん坊の彩香ちゃんはもう我慢できなくなったらしい。棒にさした特大のイカ焼きは、たれもたっぷり着いてとっても美味しそう。
江実矢君も諦めて、彩香ちゃんと一緒にイカ焼きを買うことにした。
彩香ちゃん江実矢君、有紀の仲良し三人組が立志館高校の学園際に行く。テレビドラマ魔界戦隊のロケを見た後、テニスコートでチアリーディングの公演をみてから、模擬店でイカ焼きを買う
ちょうど中学一年生の秋に、彩香ちゃんが「ねえ、こんどさお姉ちゃんの行ってる高校で学園祭があるんだけど一緒に来てよね」と有紀を誘った。有紀は区立北川中学校の一年生で、彩香ちゃんは幼稚園の時からの親友だ。まだ中学一年生で受験を考えるのは早いけど、彩香ちゃんはお姉ちゃんの通ってる立志館学園に行きたいらしい。
立志館学園は共学で、中学と高校が併設だけど高校からの募集もある。制服がブレザーだけど、デザインが可愛らしくてスカートもタータンチェックなので女の子には大人気だ。
制服が気に入ってるからだけどもないらしいけど、姉ちゃんも今年立志館学園の高等部にはいったばかりなので早めに学園祭を見ておきたいらしい。
江実矢君も一緒にさそって駅前で待ち合わせしてると、江実矢君が真っ赤なジャンパーを着て手を振ってるのが見えた。江実矢君は小学校の時から有紀と彩香ちゃんとは同級生だ。おじいちゃんがロシア人なので色白で目も青いので、見た目は女の子にしか見えない。その上いつもお姉ちゃんのお下がりの服を着てるから、ズボンを履いててもどうみても女の子だ。
彩香ちゃんは駅前でどっちに行けばいいのか判らずにちょっと立ち止まったけど、大勢人が歩いていくので一緒に付いていけばいいとすぐに気がついたみたい。駅前の大通りをしばらく進むと交差点が見えた。歩道を渡って目の前の細い坂道をあがると、立志館学園の西門についた。ちいさな戸口をくぐってまた細い道を入っていくとすぐに校舎が見えてきた。
校庭の中央には舞台もつくってあって、その両脇には模擬店が沢山ならんでる。見た目は普通の学園祭だけど何だか変な雰囲気で彩香ちゃんが有紀の手をひっぱった。目の前に大きなテレビカメラを抱えた人が、まるで地面を這うように下から立志館学園の女の子がたこ焼きの屋台の前で並んでるのを撮してる。まるでスカートの中を盗み撮りでもしてるみたいな感じで、変だと思ったけど周りの人は何も言わない。
校庭の奥にはテレビ局の大きな車が沢山ならんでる。ちょうど図書館の前に、大勢テレビ局の人らしいスタッフが大勢集まっているので近くまで行ってみた。テレビドラマの撮影をやってるらしくて、テレビカメラの前に可愛らしい女の子が立志館学園の制服姿で相手役の男の子となにか喋ってる。
大きなトンボ取りみたいなのを持った男の人が、テレビカメラの横から女の子のすぐ前に近づくのが見えた。
「いったいあれ何なのかしらね」と彩香ちゃんが言うと江実矢君が「あれは、録音用のマイクなんだ」と教えてくれた。江実矢君のパパはテレビ局に勤めてるので、江実矢君もいろいろ知ってるらしい。
女の子が急にこっちを向いて「恵美ちゃん」と大声で叫ぶと、手を振って合図した。恵美ちゃんて誰のことだろうと思って彩香ちゃんは周りを見回したが、誰も返事をする女の子はいない。もしかして江実矢君の事を恵美ちゃんと呼んでるかもしれないけど、江実矢君の事を恵美ちゃんと呼ぶのは彩香ちゃんしかいない。
小学校のとき、江実矢君は恵美ちゃんとあだ名をつけられて虐められたけど、いつも彩香ちゃんが江実矢君をかばって助けてた。彩香ちゃんの目の前で江実矢君を恵美ちゃんと呼ぶと彩香ちゃんが怒るので、いまでは江実矢君の事を恵美ちゃんと呼ぶ子は誰もいない。
江実矢君が急に「あ、希美ちゃんだ」と言って女の子に手を振り返した。彩香ちゃんは希美ちゃんという名前を江実矢君の口からきいて怪訝な顔をして頭を振った。小学校の時も、中学校の時も、希美ちゃんという女の子は江実矢君のクラスにはいなかったはず。
よくよくその希美ちゃんの顔を確かめてみたけど、やっぱり同じクラスの女の子ではない。よくよく思い出してみると幼稚園の桃組に希美ちゃんという女の子が確かに居たことはいる。だけどすぐにお父さんの転勤でアメリカに行ったはず。
希美ちゃんがいきなり駆けだして江実矢君の前まで来て立ち止まった。江実矢君の手をつかむと手首のアメジストリングを確かめて顔が笑みでいっぱいに成ってる。
希美ちゃんが江実矢君の目の前に手を差し出すと、江実矢君がしてるのと同じアメジストリングが希美ちゃんの手首にもはまってる。
江実矢君がしてるアメジストリング、小学校の時からずっとはめたままでそのせいでクラスの男の子達には随分とからかわれたり虐められたりもした。それでも江実矢君はそのアメジストリングを外そうとはしなかった。それがどうしてか有紀にも今やっと判った。
希美ちゃんはアメリカに行くとき江実矢君と結婚の約束をしたらしい。その時アメジストリングを江実矢君に渡して、もう一度会ったときも二人ともアメジストリングをしていたら結婚しようという約束だったんだ。
江実矢君と希美ちゃんの間にそんな事があったなんて、彩香ちゃんにしてみれば青天の霹靂。なんでこんなことになっちゃったのか彩香ちゃんは今にも泣き出しそうな顔になった。
「希美ちゃん、もうすぐ本番だよ」と希美ちゃんのすぐ後ろから立志館学園の高等部の制服を着た男の子が声をかけた。
「本番手何よ」と彩香ちゃんが素っ頓狂な声をだして驚いた顔をした。彩香ちゃんはなんだかエッチなことを想像したらしくて、顔が真っ赤になってる。
「ドラマの本番だよ、本番て何か勘違いしてない」と男の子に言われたけど彩香ちゃんはなんとことか気がつかないらしい。
「あのね、一番最後のちゃんとした撮影が、本番なのよ」と希美ちゃんに言われてやっと彩香ちゃんは意味が分かったらしい。照れくさそうに下を向いて「そんなこと知ってるわよ」と小さな声で返事をした。
「私のね、この義信さんと、今度ね結婚するの」と希美ちゃんが男の子を彩香ちゃんに紹介した。結婚と聞いて彩香ちゃんはびっくりして目を丸くした。まだ中学生なのに、高校生の男の子と結婚しちゃうなんてありえない。だけどこの希美ちゃんアメリカ帰りだは、アメリカじゃ中学生と高校生が結婚しちゃうなんて普通なのかもしれない。
「親が勝手に決めちゃったの」と希美ちゃんは不満そうな顔で江実矢君に言い訳してる。
「いや、結婚の約束をしてるってのはドラマの話しでね、結婚式のシーンはまだ撮影してないんですよ」と義信さんが彩香ちゃんに説明して彩香ちゃんはようやくこの義信さんテレビドラマに出演してる希美ちゃんの相手役だと気がついた。
まだ結婚式のシーンを撮影してないからって、そんな話しじゃ無いはずなんだけどと思って改めて義信さんをよく見ると高校生にしては体つきがごつくてひげも濃い。背も結構高いし、それに胸板もよく見ると厚く張り出していてそれでいて身体全体はやせて見える。顔も普通の男の子みたいだけど、ちょっとハンサムな感じで笑顔がどこから見ても自然に輝いて見える。
「おおい義信、本番だよ」と馬鹿でかい声がすぐ近くから聞こえてきて、義信さんが急に振り返って歩き始めた。声を掛けたのはドラマのディレクターらしい小太りの中年の男性だ。
ディレクターは収録の予定を横の助手の女の子に確かめてるらしくて下を向いたままだ。希美ちゃんはすぐに義信さんに駆け寄ると、義信さんと手を繋いで歩き始めた。
義信さんの手にもアメジストリングがしっかりとはめられているのをみて彩香ちゃんは不機嫌な顔。希美ちゃんたら、江実矢君だけにあのアメジストリングを贈ったんじゃないみたい。これはという男の子には片端からあのアメジストリングを贈ってるらしい。
そうなったらいったい江実矢君は希美ちゃんにとって何だったんだろうと急に彩香ちゃんは腹が立ってきた。
江実矢君は希美ちゃんの約束を本気にして今まであのアメジストリングを大事にしてどんなに他の男の子にからかわれても絶対に外さなかった。それと同じアメジストリングをあの義信さんもしてるなんて、希美ちゃんのすることは絶対許せない。そう思って彩香ちゃんが希美ちゃんを追いかけようとすると、目の前で行く先をふさがれた。
「こっから前にでないでください、収録中です、本番いきます」と側で大きな声が聞こえた。さっきディレクターと相談してたタイムキーパーの芳恵さんだ。
芳恵さんはカメラの位置を確認して、素早くストップウオッチを手にした。撮影が始まったらしくて、希美ちゃんと義信さんの出会いのシーンらしい。希美ちゃんが学校に遅刻しそうになって駆けてくる所をちょうど義信さんとぶつかって二人が倒れるシーンだ。
希美ちゃんが大げさに足を広げて地面に倒れると、紫色の下着が目に入ってきて有紀は目を丸くした。どう見たって、紫とピンクの縞模様のお色気たっぷりのパンティーなんか中学生が身につけるような代物じゃない。それもヒラヒラのレース模様で半分透けて見えちゃうとんでもないパンティーだ。
二人の間でしばらく台詞が続いたけど遠くて何を喋ってるのかは判らない。義信さんが手を伸ばして、希美ちゃんを起こそうとしたがなかなか起きあがれない。なんどか立ち上がろうとやってみてもまた座り込んでしまうだけ。その度にスカートがめくれあがって、紫とピンクの縞模様のパンティーが余計に目立つ。
江実矢君は恥ずかしそうにしてるけど目つきが変だと有紀は気がついた。希美ちゃんのパンティーに視線だ釘付けになって目が離せないみたい。
やっぱり男の子だから女の子の下着に興味があるのはしかたないけど彩香ちゃんは不機嫌な顔。彩香ちゃんは「ちょっとお、こっち来てよ」と声を掛けると、江実矢君の手をひっぱって模擬店の方に連れだした。
焼きそばとたこ焼きの屋台の間を見て歩いていると、先のテニスコートの前に人が沢山集まってるので行ってみることにした。
テニスコートの中には、真っ赤な衣装を着た女の子達が大勢居て準備運動をしてる。真っ赤なミニスカートはひだがボックスに成っていてボックスの内側は色違いになってる。
まだ中学生らしい女の子達は足が細くて、身体も小柄だけど中には胸が大きな女の子も居る。ぴっちぴちの衣装なので、どの女の子も胸が前に飛び出して見えて、見ている方が恥ずかしくなっちゃうくらい。
胸元に大きな白い文字で「LOVE FIGHTERS」と飾りが付いてるのが読めた。準備体操とは言え、足を大きく広げたりとか平気な顔して目前でやってるので江実矢君も目のやり場に困ってる様子。
そろそろ予定の時間が来たらしくて女の子達が立ち上がって横一列に並んだ。これから立志館学園のチアリーディングチーム「ラブファイターズ」の公演が始まるらしい。
指導の先生らしい人がマイクで挨拶すると、女の子の一人がラジカセのスイッチを入れた。軽快なリズムで踊りが始まると、女の子達は足を上げたり身体を揺すったりするたびにアンダースコートが丸見えになってる。観客はみな生徒の家族しかいないので、女の子達は全然気にしていない様子。だけど彩香ちゃんは江実矢君が嬉しそうな顔をして女の子達の踊る姿を見てるのが気に入らない様子だ。
急に音楽のリズムが止まると女の子達が中央に集まって、三段のピラミッドを組もうとしてる。まず最初にちょっと身体が太めな女の子が三人並んでその肩の上にすこし軽めの女の子が二人乗る。一番上に乗るのは身体の一番小さい華奢な女の子で足が細くてガリガリだ。他の女の子が下からお尻を持ち上げて、なんとか二段目の女の子の膝の上に身体を載せて、それから肩に足を上げようとしてる。
だけどまだ練習が足りないせいか何度やっても失敗。最後には一番上に乗るはずの女の子がテニスコートに尻餅をついて、足を大きく開いてしゃがみこんでしまった。みっともない格好のまま足をばたばたさせてるけどすぐには起きあがれない。落ちたときによっぽどお尻が痛かったのか、今度は泣き出してしまった。
足を大きく開いたままなので、アンダースコートのレース模様のヒラヒラが丸見えになってる。江実矢君の視線がアンダースコートを見つめたまま動かないのに有紀は気がついた。男の子なんだからしょうがないと思ったけど、彩香ちゃんは気に入らないらしい。江実矢君の手をひっぱってテニスコートから連れ出した。女の子達はピラミッドを作るのは諦めてまた踊りを続けてだしたみたい。
「ちょっとお、何見てんのよ」と言って彩香ちゃんが江実矢君の顔をにらみ付けた。江実矢君は困った顔だけど、なんで叱られてるのか気がついてないみたい。仕方なく彩香ちゃんは江実矢君の手を引っ張って模擬店のある校庭に戻った。
お腹が空いていたので何か食べようと彩香ちゃんが言い出した。江実矢君がすぐに綿飴を食べたい言って、綿飴の屋台の前に並んだけどすごい行列。綿飴を作ってるのは、生徒の父兄の人らしくて作るのが遅くてとてもだめ。
お腹が空いてるらしくて彩香ちゃんはイカ焼きを食べようと江実矢君の手を引っ張った。炭火で焼いたイカ焼きの煙を嗅いだだけで、食いしん坊の彩香ちゃんはもう我慢できなくなったらしい。棒にさした特大のイカ焼きは、たれもたっぷり着いてとっても美味しそう。
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