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第二章 将軍様のお家に居候!
第15話 ショーグンとは
「ヴァルグィ将軍は馬軍を統括するお方ですな」
先生が真ん中の馬に乗った兵士を指差す。
「バルギーは、馬軍?馬軍の兵士はショーグンですか?」
ショーグンとかバショーグンは、馬軍の兵士の事を言うのか?
俺の言葉に、先生が小さく笑いながら首を横に振った。
「将軍は軍の最上位の階級です」
先生がページを捲ると、兵士達のピラミッド図が描かれている。
下の層は簡素な服で、上にいくに従って鎧とかが立派になっていく。
分かりやすく地位の説明をする絵だけど、先生が指差しているのはピラミッドの天辺だ。
「え?」
「これが将軍です」
どうみても、頂点じゃん。
え、ショーグンって一番偉い階級の事?
「バルギーはここですか?」
俺も先生と同じく、ピラミッドの天辺に恐る恐る指先を置く。
良くできましたとでも言うように、先生が笑顔で頷いた。
「ひょえっ」
ビビって、意図せず口から悲鳴が溢れてしまった。
バルギー、めっちゃ偉い人だった!
え、え、俺今まで結構雑に接してきてたけど、ヤバかった?
俺の焦りを他所に、先生の説明は続く。
「馬将軍というのは、そのまま馬軍の将軍だから馬将軍ですの。同じように、飛軍には飛将軍、浪軍には浪将軍がいらっしゃる」
お分かりになられたか?と確認するように先生が顔を覗き込んできたので、俺は壊れたおもちゃの様にガクガクと頷いておいた。
つまり、バルギーがくっそ偉い人って事だろ。
・・・・やばーい、知らなかったとはいえ、俺かなり無礼働いてたかもー。
先生が帰った後も、俺はずっとムンクの叫び状態だった。
絨毯の上でのたうち回りながら、今までのバルギーへの態度を反省する。
だって、こんな大きな国の軍隊の一番偉い人って・・・。
このままだと、俺そのうち無礼打ちで切り捨てられんじゃねぇのか。
「・・・どうしたケイタ?」
「っ!!」
クッションに顔を埋めて身悶えていたら、頭上からバルギーの訝しげな声が降ってきた。
いつの間にか帰って来てたらしい。
「おおおかえりなさい、バル・・・将軍サマ?」
急いで居住まいを正して、挨拶を返す。
取り敢えず、やっぱり呼び捨ては不味いよな。
よく考えたら、今までバルギーのこと呼び捨てにしてる人見た事ないし。
将軍が何か分かった途端、何だかバルギーと対面するのがとても緊張してしまった。
この呼び方だったら無礼じゃ無いだろうかと、バルギーの顔を伺うと
「えぇ・・・・」
何故か、もの凄い渋い表情をしていた。
「何故急にそんな呼び方をする。誰かに何か言われたか?」
バルギーが不満そうな表情を隠しもせず、俺の隣に腰を下ろす。
「先生に、聞く、しました。将軍、馬将軍、何か」
「ふむ」
「・・・将軍サマ、エライ。名前、呼ぶは、ダメ?」
「セフがそう言ったのか?」
バルギーの言葉に、首を振る。
「私が、考える、ました」
「ケイタ、別に私の肩書きを気にする必要は無い。お前には、今まで通りバルギーと呼んでほしい」
「・・・ごめんなさい。分からない言葉、たくさん」
「将軍様は駄目だ。バルギーと呼んでくれ」
「バルギー」
いつも通り名前で呼んだら、褒めるように頭を撫でられた。
良い歳こいて頭撫でられるのはムカつくが、どうやら呼び方は今まで通りで良いらしい。
バルギーは寛容だな。
「ほら、ケイタ。土産があるぞ」
会話がひと段落したところで、バルギーが俺に木の箱を手渡して来た。
受け取って蓋を開けると、中には色とりどりの菓子が詰まっている。
『お、すっげぇ。やばいカラフルだな!』
外国の駄菓子とかにありそうな、原色に彩られた菓子に笑ってしまう。
多分焼き菓子だと思うけど、異国感満載な見た目だ。
何故だかバルギーはこうやって、しょっちゅう俺にプレゼントをくれる。
最初の頃は服やら靴やらを沢山貰った。
生活に必要な分を用意してくれているのかと思って、ありがたく受け取っていたけど、それは際限なく贈られ続けて、流石にもう要らないと断った。
正直服なんて3着くらいあれば充分着まわせるし、こっちの世界の服の着こなしなんて分かんねぇから。
そんな量は必要ないし、こんなに沢山プレゼントされる理由も無いと伝えたけど、バルギーには首を横に振られてしまった。
俺は命の恩人だから出来る限り礼がしたいんだと。
俺としては衣食住、全部世話になりっぱなしだからお礼は充分なんだけど、バルギーがそれでは足りないと譲らなかった。
でも、本当にもう服は要らない。
いつの間にか寝室にある衣装箱が1個から3個になっていて、その3個目もそろそろ蓋が閉まらなくなりそうだったから。
とにかく、もう服やら靴は要らないと強く言ったら、バルギーは渋々頷いた。
その時はそれで終わりだと思ったんだけど、どうもバルギーはプレゼント魔のようで。
今度は菓子やら絵本やら、アクセサリーに香など、様々な物を持ってくる様になった。
もう、バルギーのこのプレゼント癖は病気だと思う。
見てすぐ高価だとわかる物は受け取らないようにしたけど、プレゼントを断るとバルギーがすごくガッカリした顔をするから、断りづらくて菓子とか絵本とかそんなに高くなさそうな物は受け取っといた。
俺の受け取る物の傾向に気付いたのか、段々とバルギーの選ぶ物も定まってくる。
大体は菓子とか絵本で、時々チェスとかトランプみたいなゲームも持ってきてくれた。
菓子はそんなに高く無いだろうし、絵本は勉強に使えるので、その辺はありがたく受け取っといた。
これで、もう少しプレゼントの頻度が落ちれば気を使わなくて良いから、ありがたいんだけどな。
「今、巷ではこの菓子が流行っているそうだ」
バルギーがプレゼントしてくれた原色の塊を指差す。
『綺麗だけど、食べもんの色じゃないだろ!ウケるわ』
試しに、綺麗な模様に固められた菓子を1個、口に放り込んでみる。
『お、意外に美味い』
それは見た目に反して、優しい甘さで素朴な味わいの菓子だった。
「バルギー、美味しい。ありがとう」
お礼を言えば、バルギーが嬉しそうに目元を緩める。
なんでプレゼントを貰った俺よりもバルギーのほうが嬉しそうなんだか、ちょっとよく分からないな。
プレゼントを横に置いて、俺は今日の授業で気になったことをバルギーに聞いてみることにした。
これも、毎日のお決まりの流れだ。
帰ってきたバルギーは、俺にその日の授業の内容とか、何をして過ごしていたかを聞いてくるので、俺も授業の復習代わりに、先生に教えて貰ったことやら家で何をしていたかをバルギーと夕飯を食べながら話したりしている。
「バルギー、コレ」
俺は菓子を頬張りながら、今日の授業で使った絵本を取りだし、飛軍、馬軍、浪軍の絵が描かれたページを開いた。
「コレ、ラビク」
馬竜の絵を指差す。
「あぁ、そうだな。それは馬竜だ」
今度は、飛軍の兵士が乗っている竜を指差す。
「コレは?」
「それは飛竜だ。飛軍の竜達だな」
「コレは?」
「そっちは浪竜だ。水棲の竜でな。少し気性が荒い」
「ミンナ、竜ですか?」
「そうだ」
おぉー、本当にドラゴンが当たり前にいる世界なんだな。
「竜、見たいです」
居るなら、近くで見てみたい。
馬竜はラビク達を近くで見たけど、まぁ、正直見た目は殆ど馬だし。
大きくてかっこよかったけど、ドラゴン感はあまり無かったからなぁ。
もっとドラゴンって感じのやつも近くで見てみたい。
飛竜とか絵で見る感じ、まんまドラゴンな姿だ。
「ふむ・・・・・飛竜ならすぐに見に行けるが・・・」
「飛竜?見たいです」
何やら髭を撫でながら考え込むバルギーに、期待を込めてお願いする。
ドラゴン、見たい。
ってか、外に出たい。
ずっと家に篭りっぱなしで、正直そろそろ飽きてきてる。
先生の授業も楽しいし、言葉もまだまだ全然覚えられてないけど、外の様子とかも見に行きたい。
そのうち、俺もちゃんと仕事を探して働かなきゃだし、この世界の社会がどんな雰囲気なのかを見ておきたい。
先生が真ん中の馬に乗った兵士を指差す。
「バルギーは、馬軍?馬軍の兵士はショーグンですか?」
ショーグンとかバショーグンは、馬軍の兵士の事を言うのか?
俺の言葉に、先生が小さく笑いながら首を横に振った。
「将軍は軍の最上位の階級です」
先生がページを捲ると、兵士達のピラミッド図が描かれている。
下の層は簡素な服で、上にいくに従って鎧とかが立派になっていく。
分かりやすく地位の説明をする絵だけど、先生が指差しているのはピラミッドの天辺だ。
「え?」
「これが将軍です」
どうみても、頂点じゃん。
え、ショーグンって一番偉い階級の事?
「バルギーはここですか?」
俺も先生と同じく、ピラミッドの天辺に恐る恐る指先を置く。
良くできましたとでも言うように、先生が笑顔で頷いた。
「ひょえっ」
ビビって、意図せず口から悲鳴が溢れてしまった。
バルギー、めっちゃ偉い人だった!
え、え、俺今まで結構雑に接してきてたけど、ヤバかった?
俺の焦りを他所に、先生の説明は続く。
「馬将軍というのは、そのまま馬軍の将軍だから馬将軍ですの。同じように、飛軍には飛将軍、浪軍には浪将軍がいらっしゃる」
お分かりになられたか?と確認するように先生が顔を覗き込んできたので、俺は壊れたおもちゃの様にガクガクと頷いておいた。
つまり、バルギーがくっそ偉い人って事だろ。
・・・・やばーい、知らなかったとはいえ、俺かなり無礼働いてたかもー。
先生が帰った後も、俺はずっとムンクの叫び状態だった。
絨毯の上でのたうち回りながら、今までのバルギーへの態度を反省する。
だって、こんな大きな国の軍隊の一番偉い人って・・・。
このままだと、俺そのうち無礼打ちで切り捨てられんじゃねぇのか。
「・・・どうしたケイタ?」
「っ!!」
クッションに顔を埋めて身悶えていたら、頭上からバルギーの訝しげな声が降ってきた。
いつの間にか帰って来てたらしい。
「おおおかえりなさい、バル・・・将軍サマ?」
急いで居住まいを正して、挨拶を返す。
取り敢えず、やっぱり呼び捨ては不味いよな。
よく考えたら、今までバルギーのこと呼び捨てにしてる人見た事ないし。
将軍が何か分かった途端、何だかバルギーと対面するのがとても緊張してしまった。
この呼び方だったら無礼じゃ無いだろうかと、バルギーの顔を伺うと
「えぇ・・・・」
何故か、もの凄い渋い表情をしていた。
「何故急にそんな呼び方をする。誰かに何か言われたか?」
バルギーが不満そうな表情を隠しもせず、俺の隣に腰を下ろす。
「先生に、聞く、しました。将軍、馬将軍、何か」
「ふむ」
「・・・将軍サマ、エライ。名前、呼ぶは、ダメ?」
「セフがそう言ったのか?」
バルギーの言葉に、首を振る。
「私が、考える、ました」
「ケイタ、別に私の肩書きを気にする必要は無い。お前には、今まで通りバルギーと呼んでほしい」
「・・・ごめんなさい。分からない言葉、たくさん」
「将軍様は駄目だ。バルギーと呼んでくれ」
「バルギー」
いつも通り名前で呼んだら、褒めるように頭を撫でられた。
良い歳こいて頭撫でられるのはムカつくが、どうやら呼び方は今まで通りで良いらしい。
バルギーは寛容だな。
「ほら、ケイタ。土産があるぞ」
会話がひと段落したところで、バルギーが俺に木の箱を手渡して来た。
受け取って蓋を開けると、中には色とりどりの菓子が詰まっている。
『お、すっげぇ。やばいカラフルだな!』
外国の駄菓子とかにありそうな、原色に彩られた菓子に笑ってしまう。
多分焼き菓子だと思うけど、異国感満載な見た目だ。
何故だかバルギーはこうやって、しょっちゅう俺にプレゼントをくれる。
最初の頃は服やら靴やらを沢山貰った。
生活に必要な分を用意してくれているのかと思って、ありがたく受け取っていたけど、それは際限なく贈られ続けて、流石にもう要らないと断った。
正直服なんて3着くらいあれば充分着まわせるし、こっちの世界の服の着こなしなんて分かんねぇから。
そんな量は必要ないし、こんなに沢山プレゼントされる理由も無いと伝えたけど、バルギーには首を横に振られてしまった。
俺は命の恩人だから出来る限り礼がしたいんだと。
俺としては衣食住、全部世話になりっぱなしだからお礼は充分なんだけど、バルギーがそれでは足りないと譲らなかった。
でも、本当にもう服は要らない。
いつの間にか寝室にある衣装箱が1個から3個になっていて、その3個目もそろそろ蓋が閉まらなくなりそうだったから。
とにかく、もう服やら靴は要らないと強く言ったら、バルギーは渋々頷いた。
その時はそれで終わりだと思ったんだけど、どうもバルギーはプレゼント魔のようで。
今度は菓子やら絵本やら、アクセサリーに香など、様々な物を持ってくる様になった。
もう、バルギーのこのプレゼント癖は病気だと思う。
見てすぐ高価だとわかる物は受け取らないようにしたけど、プレゼントを断るとバルギーがすごくガッカリした顔をするから、断りづらくて菓子とか絵本とかそんなに高くなさそうな物は受け取っといた。
俺の受け取る物の傾向に気付いたのか、段々とバルギーの選ぶ物も定まってくる。
大体は菓子とか絵本で、時々チェスとかトランプみたいなゲームも持ってきてくれた。
菓子はそんなに高く無いだろうし、絵本は勉強に使えるので、その辺はありがたく受け取っといた。
これで、もう少しプレゼントの頻度が落ちれば気を使わなくて良いから、ありがたいんだけどな。
「今、巷ではこの菓子が流行っているそうだ」
バルギーがプレゼントしてくれた原色の塊を指差す。
『綺麗だけど、食べもんの色じゃないだろ!ウケるわ』
試しに、綺麗な模様に固められた菓子を1個、口に放り込んでみる。
『お、意外に美味い』
それは見た目に反して、優しい甘さで素朴な味わいの菓子だった。
「バルギー、美味しい。ありがとう」
お礼を言えば、バルギーが嬉しそうに目元を緩める。
なんでプレゼントを貰った俺よりもバルギーのほうが嬉しそうなんだか、ちょっとよく分からないな。
プレゼントを横に置いて、俺は今日の授業で気になったことをバルギーに聞いてみることにした。
これも、毎日のお決まりの流れだ。
帰ってきたバルギーは、俺にその日の授業の内容とか、何をして過ごしていたかを聞いてくるので、俺も授業の復習代わりに、先生に教えて貰ったことやら家で何をしていたかをバルギーと夕飯を食べながら話したりしている。
「バルギー、コレ」
俺は菓子を頬張りながら、今日の授業で使った絵本を取りだし、飛軍、馬軍、浪軍の絵が描かれたページを開いた。
「コレ、ラビク」
馬竜の絵を指差す。
「あぁ、そうだな。それは馬竜だ」
今度は、飛軍の兵士が乗っている竜を指差す。
「コレは?」
「それは飛竜だ。飛軍の竜達だな」
「コレは?」
「そっちは浪竜だ。水棲の竜でな。少し気性が荒い」
「ミンナ、竜ですか?」
「そうだ」
おぉー、本当にドラゴンが当たり前にいる世界なんだな。
「竜、見たいです」
居るなら、近くで見てみたい。
馬竜はラビク達を近くで見たけど、まぁ、正直見た目は殆ど馬だし。
大きくてかっこよかったけど、ドラゴン感はあまり無かったからなぁ。
もっとドラゴンって感じのやつも近くで見てみたい。
飛竜とか絵で見る感じ、まんまドラゴンな姿だ。
「ふむ・・・・・飛竜ならすぐに見に行けるが・・・」
「飛竜?見たいです」
何やら髭を撫でながら考え込むバルギーに、期待を込めてお願いする。
ドラゴン、見たい。
ってか、外に出たい。
ずっと家に篭りっぱなしで、正直そろそろ飽きてきてる。
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