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5.ペガサスが仲間になりたそうにこちらを見ている! 「減価償却資産」にしますか?[→はい/いいえ]
しおりを挟む◆冒険者労働組合『ギルド』の食堂広間――
料理人「あいよ、尾蛇鶏の親子丼おまち!」
女勇者「はいはーい♪」
料理人「お次ぃ、牛頭戦士のタン塩定食おまち!」
男商人「あ、俺です」
女勇者「……」
男商人「……」
女勇者「いやぁ~すっかり異世界の料理にも慣れちゃいましたね?」
男商人「いや待て、この食材はどうかと思うぞ……」
女勇者「あ、この作品は異世界グルメ路線ではありませんのであしからず♪」
男商人「誰に説明してんだ? しかし、女勇者が俺に昼飯をご馳走してくれ
るとは珍しいな……何か企んでるのか?」
女勇者「ちょっと失礼ですよ、たまには私だって食事ぐらい驕ります!」
男商人「あぁ~そうだな、すまんすまん」
女勇者「……ところで相談がありまして」
男商人「やっぱり企んでるじゃねーか!?」
◇◆◇◆◇◆◇
男商人「天翼馬の餌代が、経費で落ちなかった?」
女勇者「そうなんですよ。せっかく天翼馬と『使い魔契約』を締結したのに
なぁ……」
男商人「へぇー、あの人見知りの激しいことで有名な幻獣とよく仲良しに
なれたな?」
女勇者「ふふん。女勇者は加護の塊ですからね、幻獣からも大人気なのです♪」
男商人「女勇者の異世界生活はイージーモード全開だな……」
女勇者「いや、ところがですね……この領収書を見て下さいよ!」
男商人「どれどれ――うわ、天翼馬の主食は青薬草なのか?」
女勇者「はいぃ……もともと青薬草は高級薬品の原材料だから高価なのに、
今年は暖冬だったから収穫量も減少して、最近はさらに値上がり
しちゃってて……せめて経費にしたい!」
男商人「さすが幻獣、希少度とエンゲル係数は比例するのか……」
男商人「ところでその天翼馬との『使い魔契約』は、就業期間を定めた『登
録型派遣』か、それとも女勇者の所にずっと駐在する『常用型派遣』
のどっちなんだ?」
女勇者「え~と、仕事の時にだけ召喚するから『登録型派遣』ですね。本当
は『常用型派遣』にして、お家で天翼馬を飼いたかったなぁー」
男商人「おいおい幻獣種を「ペット」扱いするなっての……。まあ、日本
では飼い犬を「番犬」という防犯設備上の「器具及び備品(生物:
耐用年数8年)」として「減価償却資産」扱いにして、餌代や診療
代を経費に計上した事例もあるらしいけどな」
女勇者「うひぃ~。動物にも耐用年数があるとか、簿記の世界もえげつない
ですねぇ……。動物関連の費用を、経費にする方法は他にないの?」
男商人「うぅ~む、調教難易度A級の仔竜を「使い魔」にした冒険者が、
冒険業の受注拡大に著しく貢献した「看板竜」だと主張して、
餌代などを「広告宣伝費」に計上した事例もあるが……基本的には
ペットショップ業界や牧場・農場経営のような「動植物」を収益源
としている事業でないと、経費にするのは難しいだろうな」
女勇者「なるほど、つまり冒険業との関連性を証明できれば良いんですね♪」
男商人「こらこら、ちゃんとルールを守らないと……魔王の進軍よりも恐ろ
しい『税務調査』がやって来るぞ?」
女勇者「知らなかったのか、税務署からは逃げられない!?」
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称などは架空であり、
実在のものとは関係ありません。税務署はとても素晴らしい御方です。
男商人「で、その天翼馬の餌代ってのは冒険業に関係あるのか?」
女勇者「もちろんですよ。数日前、仕事の遠征で天翼馬に乗って移動したの
でその時に天翼馬に食べ物をあげたんです。これが業務依頼書だよ」
男商人「ふむ……かなり短納期の運搬系案件だな。これなら業務遂行のため
に天翼馬の移動能力が必要だったと考えて良いだろう。その天翼馬
の餌代は『使い魔契約』に基づく「労働の対償」なんだろ?」
女勇者「やだなぁ~違いますよ。女勇者と天翼馬の『使い魔契約』は、契約
した相手の窮地には馳せ参ずべし――という古き良き相互扶助の精
神に基づく異世界っぽい契約です♪」
男商人「……えっと、つまり?」
女勇者「女勇者のためなら、天翼馬は報酬なしで働いてくれます♪」
男商人「逃げろ天翼馬、女勇者はブラック企業だぞ!?」
<次回につづく…!>
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