女勇者は「個人事業主」だから確定申告しなさい!

書記係K君

文字の大きさ
7 / 14

7.ペガサス「お客さんどちらまで?」女勇者「前の車(ドラゴン)を追って下さい」

しおりを挟む
 
◆冒険者労働組合『ギルド』の相談窓口――

男商人ユウジ「こんにちわ、相談係キノミナさん」
相談係キノミナ「これは商人ユウジ様、どうもご無沙汰しております」
女勇者タカコ「やっほ~相談係キノミナさん、また来たよ♪」
相談係「これは女勇者タカコ様、どうぞお疲れの出ませんようにさっさと、はたらけや
女勇者「うふふ、異世界美女エルフたんの塩対応……我々の業界ではご褒美です」
男商人「やめろ女勇者バカ相談係キノミナさんが火竜変化ドラゴラムしそうな微笑みを浮べて
    いるぞ」
相談係「ご安心下さいませ……範囲攻撃しゃくねつほのおは使わないように致しますわ」
男商人「ならば良し。焼き加減は丹念にウェルダンでよろしく」
女勇者「おもしろい冗談ですねぇ~商人ユウジの腕は離しませんよぉ~?」


男商人「今日は相談係キノミナさんに、この案件クエストを相談したくて来たんだ」
相談係「この業務依頼書クエストブック……ご相談の内容は「天翼馬ペガサスきょうした青薬草ブルーハーブ
    の購入代に関して」でございますか? その件につきましては
    すでに女勇者タカコ様からお話を伺いましたが、残念ながら――」
男商人「まあ、とりあえず商人オレの考えを聞いてくれないか? この運搬
    系案件クエストは、納品先が遠い上にかなりの短納期だ。業務遂行のた
    めには天翼馬ペガサスの移動能力が必要だったと考えている。つまり、
    この業務遂行において天翼馬ペガサスは……とても大切な「協業相手ビジネスパートナー
    ということだ」
女勇者「びじねす……ぱーとなぁ?」

相談係キノミナ「……なるほど。どうぞ続きを」
男商人「一方、思慮深い天翼馬ペガサスは人里の喧噪けんそうを嫌うと聞くけど?」
相談係「その通りですわ。ゆえに、物静かな天翼馬ペガサスと交流を持ち、親交を
    深めることは我々エルフのみならず、冒険者でも至難のわざだと言える
    でしょう」
男商人「だよな。そうすると……女勇者タカが手渡す青薬草エサ天翼馬ペガサスが食べ
    たというのは、すごく珍しいことなんだろ?」
相談係「はい、その通りですわ」
女勇者「え~と、あの、それが何なの?」
男商人「つまりだ。女勇者タカ天翼馬ペガサスに手渡しで青薬草エサを食べさせたこと
    は……業務遂行において必要不可欠な「親交を深める行為コミュニケーション」だ
    ったと考えている」
女勇者「え? え?」
相談係「まさか、つまり商人ユウジ様は――」
男商人「おう。今回の青薬草ブルーハーブの購入代は……とても大切な協業相手ビジネスパートナー
    ある天翼馬ペガサスとの親交を深めるために支出した「接待交際費」だ
    と主張する!」
女勇者「な、何ですとー!?」


※接待交際費とは
 得意先や仕入れ先など、事業に関係する者等に対する接待・供応きょうおう
 慰安・贈答その他これらに類する行為のための支出を計上する勘定科目。
 例:飲食代、香典などの慶弔代、お中元・お歳暮などの贈答代、見舞金など


相談係キノミナ「……」
女勇者「いやいや商人ユウジさん、いくら何でも「接待交際費」
    が許されるわけ――」
相談係「わかりました。「接待交際費」であれば経費として認めますわ」
女勇者「え、えええーっ!?」
男商人「それは良かった。正直、否認されるかと緊張ドキドキしたよ」
相談係「あら、ご謙遜を。さすが商人ユウジ様ですわ……天翼馬ペガサスなどの神聖な
    霊獣を動物ペット荷馬車のりものと同列に考えては決して至らぬ発想アイディアです」
女勇者「あ、そうか。異世界こっちでは神聖な霊獣ペガサスとか人間わたしたちと対等の関係いきものだと
    考える……だから「接待相手」に成りえるってこと?」
男商人「そういうことだ。冷静に考えてみればさ……日本あっち常識や簿記ルール
    が、異世界こっち常識ルール合致フィットするとは限らないよな。今回は商人オレ
    良い勉強になったよ」
相談係「そうですわね。冒険業を営む上で、異世界こちらの価値観をご理解
    頂きますと経理面は楽になりますわよ?」

男商人「ちなみに「接待交際費」は公私混合されやすい費目だから、
    領収書の裏面にでも「年月日、接待相手の氏名、用件など」
    を記録しておくと良いぞ」
女勇者「なるほど。いやぁ~女勇者わたしは「接待交際費」と聞くと「取引先
    のお偉いさんと歓楽街で豪遊する」みたいな悪い印象イメージがあった
    ですよ。ちゃんと経費になるんですねぇ……」
相談係「きちんと要件を満たせば「接待交際費」も立派な経費ですわ」
女勇者「ふむふむ。……ねぇねぇ商人ユウジさん、ひょっとして商人ユウジさんとの
    食事代とかも仕事仲間ビジネスパートナーとの交流として「接待交際費」になっ
    ちゃいますか♪(←ヒソヒソ声)」
男商人「あのなぁ……過剰な「接待交際費」の増額は、税務調査の可能
    性を高めるから気をつけような?」
女勇者「あう、やっぱり最後は税務署だいまおうですか……」
相談係「今、何か仰いましたでしょうか?(ゴゴゴッ)」
女勇者「ひゃい!?」
男商人「あ、こらっ女勇者タカ商人オレを盾にするな!?」


 ______
| たたかう |
| じゅもん |
|⇒にげる < ピコン♪
| どうぐ  |
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

ボロ雑巾な伯爵夫人、やっと『家族』を手に入れました。~旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます2~

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
 第二夫人に最愛の旦那様も息子も奪われ、挙句の果てに家から追い出された伯爵夫人・フィーリアは、なけなしの餞別だけを持って大雨の中を歩き続けていたところ、とある男の子たちに出会う。  言葉汚く直情的で、だけど決してフィーリアを無視したりはしない、ディーダ。  喋り方こそ柔らかいが、その実どこか冷めた毒舌家である、ノイン。    12、3歳ほどに見える彼らとひょんな事から共同生活を始めた彼女は、人々の優しさに触れて少しずつ自身の居場所を確立していく。 ==== ●本作は「ボロ雑巾な伯爵夫人、旦那様から棄てられて、ギブ&テイクでハートフルな共同生活を始めます。」からの続き作品です。  前作では、二人との出会い~同居を描いています。  順番に読んでくださる方は、目次下にリンクを張っておりますので、そちらからお入りください。  ※アプリで閲覧くださっている方は、タイトルで検索いただけますと表示されます。

処理中です...