46 / 161
46話 赤髪のシンデレラ
翌日は朝から町中が盛り上がっていた。
「このガラスの靴の持ち主を見つけ出せ」という王子様の号令で衛兵たちが町の中の女性たち全員を集めて昨夜舞踏会に残されたガラスの靴をぴったりはける人物を探していた。
「お姉さま、昨日はいったいどこにいたのですか?」
シンデレラがリオンに問いかける。心配そうな彼女の表情を見るとリオンのことを気にかけていたことが読み取れた。本当に優しい子だなとリオンは改めて痛感する。
「昨日は私もお城にいたわよ」
「え、そうなんですか?」
「それどころか王子様に指名されて踊ったのよ」
「え、でも王子様はお姉さまをみてはいないと……」
「おい、そこの赤髪の女性、こちらにこい」
衛兵がリオンを呼び出す。
「それじゃあ行ってくるわ」
リオンは衛兵に言われた通りに、靴がセットされた台の目の前までたどり着くと目の前に丁寧に置かれたガラスの靴を見る。
いつ見ても綺麗で透き通るような色をしている。この世界の主人公が履くにふさわしいガラスの靴だった。
二日前にドワーフの鍛冶屋でこっそりと目の前の靴を履こうとした事を思い出す。
あの時とは違う感情を持つ自分がいた。
「それではその靴を履いてみせろ」
衛兵に言われた通りに履いていた普通の靴を脱いでガラスの靴に足を当てはめようとする。
当然ガラスの靴にリオンの足ははまらなかった。
「よし、もう行っていいぞ」
衛兵はリオンがシンデレラではないことを確認するとその場から離れるように指示する。
「他にはもういないか……む、なんだ」
衛兵が手を挙げたシンデレラを目にとめた。
「私にも履かせてください」
シンデレラの言葉を聞いて兵士はこちらに来るように命令する。
「お姉さま……嬉しそう?」
すれ違いざまのリオンの表情を見てシンデレラがそう言ったのが聞こえた。シンデレラはその理由を知る由もない。一瞬その表情を見て足を止めるが衛兵に促されて慌ててガラスの靴の所まで駆けて行った。
そして町中からこの日一番の歓声があがる。ガラスの靴の持ち主が見つかったのである。
◇
「こんな三文芝居はやくおわらないかしら」
風に乗って遠くから悪態をつくような声が聞こえてくる。見ればリオンではない意地悪な姉とシンデレラの継母が口惜しそうにガラスの靴とシンデレラを睨んでいた。
確かにこれはあらかじめ決められていた物語に沿った芝居かもしれない。
しかし、それを言い出したらここまでのすべてのこと全てが無駄になってしまう。
それに……とリオンは思う。
「お、お母様、体が燃えているわ」
意地悪なもう片方の姉が叫ぶ。悪態をついたシンデレラの継母は青い炎に包まれていた。
「きゃああああああ」
自身が燃えていることに気づいた意地悪な継母の悲鳴もあがるが、町中の人々はシンデレラの祝福で一切気付いていない。
「え、え、なんで私まで……いやあああああ」
次いでもう一人の姉も青い炎に包まれた。
おそらく最後の最後で靴を履きに行くことを拒んだから……物語の役割を演じなかった為に世界があの二人を燃やしたのだろう。
なにか一つでもずれていたら、リオンもあの二人のようになっていたかもしれない。そうならなかったのは間違いなくあの男との出会いだった。
彼は今頃何をしているだろうか。
別の世界でもリオンのように与えられた役割に苦しんでいる人々の為に懸命に抗い続ける姿が想像できた。
「……あ」
シンデレラを含めた全ての人間と世界が温かな黄色い炎に包まれ始めた。
シンデレラの世界は無事終幕を迎えたようとしていた。
「もし、もう一度願いが叶うなら……」
主役でなくてもいい。生まれ変わるのなら、ただもう一度、彼に出会いたい。
赤髪のシンデレラの姉はそう願った。
こうして世界と共に彼女の「意地悪なシンデレラの姉」としての物語の幕は閉じた。
◆◆◆
シンデレラという物語がありました。
主人公であるシンデレラには二人の姉がいました。
姉達に名前はありませんでした。ある時シンデレラの姉の一人が町の外で男を助けます。
男は助けてくれた姉に灰被りの乙女という意味を持つサンドリオンという名前を与えました。
「そんな強そうな名前は嫌だわ、そうね……リオンならいいわよ」
リオンという名前を与えられたシンデレラの姉は近々お城で開かれる舞踏会の準備をするために町中の人達を纏めていました。
「私の夢は舞踏会で王子様と踊る事よ」
リオンはその夢を叶えるために舞踏会が始まるまで人一倍努力をしていました。
それもこれも彼女の晴れ舞台である舞踏会の為でした。しかし……
舞踏会の当日、会場にはリオンの姿はありませんでした。
「これ以上でしゃばるあんたを舞踏会にいかせるわけにはいかないねぇ」
シンデレラよりも目立つ可能性のあったリオンをよく思わなかった魔女は魔法を使ってリオンを馬の姿に変えてしまったのです。
舞踏会の会場にシンデレラを届けたのちに魔女はリオンにかけていた魔法を解きました。
「もしまだ邪魔をしようとするのなら再びお前を別の生き物に変えてしまうよ」
リオンはこの世界で唯一の願いである舞踏会に行くことすら阻まれてしまったのです。
その時、暗闇から最初に助けた男が現れました。
男は魔女の相手を引き受けるとリオンを舞踏会にいくように促しました。
会場にたどり着いたリオンは王子様にダンスの申し込みをされて嬉しそうな顔を浮かべる美しい姿のシンデレラと鏡に映った泥まみれの自分の姿を見比べます。
「今の私ではこの場所にふさわしくない」
リオンは城を離れ、一人お城の片隅で泣いてしまいます。
「私も踊りたかった、私だってシンデレラになりたかった!」
「かわいそうな灰被りのお姫様、その願いをかなえよう」
先ほどリオンを助けた男が魔女の格好をして現れます。男は魔法をかけると汚れていたリオンの身なりを整えました。
「でも、もう王子様と踊ることもできないわ」
魔女の格好をした男は自分に魔法をかけると王子様の姿になりました。
「綺麗なお姫様、一緒に踊ってもらえませんか?」
王子様の格好をした男とリオンはお城の前で舞踏会を開きます。
「この時が一生続けばいいのに」
リオンはそう思いました。
しかし、終わりを告げる12時の鐘が鳴り響きます。
舞踏会もお開きになり、王子様は別の世界へと旅立とうとします。
「次に私に出会ったときにその靴を渡しなさいよ」
リオンは男にガラスの靴を渡します。男はそれを受け取ると一人闇の中に消えていくのでした。
次の日、町ではシンデレラ探しが始まります。
お城の舞踏会に参加していない彼女の足は当然ガラスの靴にあてはまりませんでした。
それでも彼女は幸せでした。
シンデレラになる、彼女の本当の願いは叶ったからです。
◆◆◆
これは誰に語られることもない意地悪なシンデレラの姉の物語。
「このガラスの靴の持ち主を見つけ出せ」という王子様の号令で衛兵たちが町の中の女性たち全員を集めて昨夜舞踏会に残されたガラスの靴をぴったりはける人物を探していた。
「お姉さま、昨日はいったいどこにいたのですか?」
シンデレラがリオンに問いかける。心配そうな彼女の表情を見るとリオンのことを気にかけていたことが読み取れた。本当に優しい子だなとリオンは改めて痛感する。
「昨日は私もお城にいたわよ」
「え、そうなんですか?」
「それどころか王子様に指名されて踊ったのよ」
「え、でも王子様はお姉さまをみてはいないと……」
「おい、そこの赤髪の女性、こちらにこい」
衛兵がリオンを呼び出す。
「それじゃあ行ってくるわ」
リオンは衛兵に言われた通りに、靴がセットされた台の目の前までたどり着くと目の前に丁寧に置かれたガラスの靴を見る。
いつ見ても綺麗で透き通るような色をしている。この世界の主人公が履くにふさわしいガラスの靴だった。
二日前にドワーフの鍛冶屋でこっそりと目の前の靴を履こうとした事を思い出す。
あの時とは違う感情を持つ自分がいた。
「それではその靴を履いてみせろ」
衛兵に言われた通りに履いていた普通の靴を脱いでガラスの靴に足を当てはめようとする。
当然ガラスの靴にリオンの足ははまらなかった。
「よし、もう行っていいぞ」
衛兵はリオンがシンデレラではないことを確認するとその場から離れるように指示する。
「他にはもういないか……む、なんだ」
衛兵が手を挙げたシンデレラを目にとめた。
「私にも履かせてください」
シンデレラの言葉を聞いて兵士はこちらに来るように命令する。
「お姉さま……嬉しそう?」
すれ違いざまのリオンの表情を見てシンデレラがそう言ったのが聞こえた。シンデレラはその理由を知る由もない。一瞬その表情を見て足を止めるが衛兵に促されて慌ててガラスの靴の所まで駆けて行った。
そして町中からこの日一番の歓声があがる。ガラスの靴の持ち主が見つかったのである。
◇
「こんな三文芝居はやくおわらないかしら」
風に乗って遠くから悪態をつくような声が聞こえてくる。見ればリオンではない意地悪な姉とシンデレラの継母が口惜しそうにガラスの靴とシンデレラを睨んでいた。
確かにこれはあらかじめ決められていた物語に沿った芝居かもしれない。
しかし、それを言い出したらここまでのすべてのこと全てが無駄になってしまう。
それに……とリオンは思う。
「お、お母様、体が燃えているわ」
意地悪なもう片方の姉が叫ぶ。悪態をついたシンデレラの継母は青い炎に包まれていた。
「きゃああああああ」
自身が燃えていることに気づいた意地悪な継母の悲鳴もあがるが、町中の人々はシンデレラの祝福で一切気付いていない。
「え、え、なんで私まで……いやあああああ」
次いでもう一人の姉も青い炎に包まれた。
おそらく最後の最後で靴を履きに行くことを拒んだから……物語の役割を演じなかった為に世界があの二人を燃やしたのだろう。
なにか一つでもずれていたら、リオンもあの二人のようになっていたかもしれない。そうならなかったのは間違いなくあの男との出会いだった。
彼は今頃何をしているだろうか。
別の世界でもリオンのように与えられた役割に苦しんでいる人々の為に懸命に抗い続ける姿が想像できた。
「……あ」
シンデレラを含めた全ての人間と世界が温かな黄色い炎に包まれ始めた。
シンデレラの世界は無事終幕を迎えたようとしていた。
「もし、もう一度願いが叶うなら……」
主役でなくてもいい。生まれ変わるのなら、ただもう一度、彼に出会いたい。
赤髪のシンデレラの姉はそう願った。
こうして世界と共に彼女の「意地悪なシンデレラの姉」としての物語の幕は閉じた。
◆◆◆
シンデレラという物語がありました。
主人公であるシンデレラには二人の姉がいました。
姉達に名前はありませんでした。ある時シンデレラの姉の一人が町の外で男を助けます。
男は助けてくれた姉に灰被りの乙女という意味を持つサンドリオンという名前を与えました。
「そんな強そうな名前は嫌だわ、そうね……リオンならいいわよ」
リオンという名前を与えられたシンデレラの姉は近々お城で開かれる舞踏会の準備をするために町中の人達を纏めていました。
「私の夢は舞踏会で王子様と踊る事よ」
リオンはその夢を叶えるために舞踏会が始まるまで人一倍努力をしていました。
それもこれも彼女の晴れ舞台である舞踏会の為でした。しかし……
舞踏会の当日、会場にはリオンの姿はありませんでした。
「これ以上でしゃばるあんたを舞踏会にいかせるわけにはいかないねぇ」
シンデレラよりも目立つ可能性のあったリオンをよく思わなかった魔女は魔法を使ってリオンを馬の姿に変えてしまったのです。
舞踏会の会場にシンデレラを届けたのちに魔女はリオンにかけていた魔法を解きました。
「もしまだ邪魔をしようとするのなら再びお前を別の生き物に変えてしまうよ」
リオンはこの世界で唯一の願いである舞踏会に行くことすら阻まれてしまったのです。
その時、暗闇から最初に助けた男が現れました。
男は魔女の相手を引き受けるとリオンを舞踏会にいくように促しました。
会場にたどり着いたリオンは王子様にダンスの申し込みをされて嬉しそうな顔を浮かべる美しい姿のシンデレラと鏡に映った泥まみれの自分の姿を見比べます。
「今の私ではこの場所にふさわしくない」
リオンは城を離れ、一人お城の片隅で泣いてしまいます。
「私も踊りたかった、私だってシンデレラになりたかった!」
「かわいそうな灰被りのお姫様、その願いをかなえよう」
先ほどリオンを助けた男が魔女の格好をして現れます。男は魔法をかけると汚れていたリオンの身なりを整えました。
「でも、もう王子様と踊ることもできないわ」
魔女の格好をした男は自分に魔法をかけると王子様の姿になりました。
「綺麗なお姫様、一緒に踊ってもらえませんか?」
王子様の格好をした男とリオンはお城の前で舞踏会を開きます。
「この時が一生続けばいいのに」
リオンはそう思いました。
しかし、終わりを告げる12時の鐘が鳴り響きます。
舞踏会もお開きになり、王子様は別の世界へと旅立とうとします。
「次に私に出会ったときにその靴を渡しなさいよ」
リオンは男にガラスの靴を渡します。男はそれを受け取ると一人闇の中に消えていくのでした。
次の日、町ではシンデレラ探しが始まります。
お城の舞踏会に参加していない彼女の足は当然ガラスの靴にあてはまりませんでした。
それでも彼女は幸せでした。
シンデレラになる、彼女の本当の願いは叶ったからです。
◆◆◆
これは誰に語られることもない意地悪なシンデレラの姉の物語。
あなたにおすすめの小説
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】
いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。
陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々
だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い
何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ
【完結済】悪役令嬢の妹様
紫
ファンタジー
星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。
そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。
ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。
やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。
―――アイシアお姉様は私が守る!
最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する!
※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>
既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
転生貧乏令嬢メイドは見なかった!
seo
恋愛
血筋だけ特殊なファニー・イエッセル・クリスタラーは、名前や身元を偽りメイド業に勤しんでいた。何もないただ広いだけの領地はそれだけでお金がかかり、古い屋敷も修繕費がいくらあっても足りない。
いつものようにお茶会の給仕に携わった彼女は、令息たちの会話に耳を疑う。ある女性を誰が口説き落とせるかの賭けをしていた。その対象は彼女だった。絶対こいつらに関わらない。そんな決意は虚しく、親しくなれるように手筈を整えろと脅され断りきれなかった。抵抗はしたものの身分の壁は高く、メイドとしても令嬢としても賭けの舞台に上がることに。
これは前世の記憶を持つ貧乏な令嬢が、見なかったことにしたかったのに巻き込まれ、自分の存在を見なかったことにしない人たちと出会った物語。
#逆ハー風なところあり
#他サイトさまでも掲載しています(作者名2文字違いもあり)
「無断著作物利用禁止」
全ルートで処刑される宿敵悪女に転生したので、死ぬ前に黒幕を暴きます
なつめ
恋愛
舞台は、死亡率が異常に高いことで有名な超難関乙女ゲーム**『ラスト・グレイス』**。
攻略対象との恋愛を進めながら学園と王都の陰謀を生き延びる作品だが、選択肢ひとつで簡単に死ぬうえ、セーブ機能が存在しないことで悪名高かった。
主人公が転生したのは、ヒロインの宿敵として嫌われ、全ルートの終盤で必ず断罪され、最後には殺される悪役令嬢
ヴィオレッタ・エヴァンジェリン・アシュクロフト。
けれど、前世で知っていた“悪女ヴィオレッタ”は、本当の彼女ではなかった。
高慢に見える態度は、感情を出せば家族に利用されるから。
冷たく見える言葉は、誰かを庇った結果、誤解だけを引き受けたから。
社交界で孤立していたのも、聖女のように愛されるヒロインによって、静かに人脈と居場所を奪われていたからだった。
しかもヒロインは、本当に無垢な聖女ではない。
彼女は愛されることに飢えすぎた結果、人から大切なものを奪うことに鈍感な女だった。
善意の笑顔で近づき、相手の罪悪感と庇護欲を刺激し、気づけば相手の婚約者も家族も未来も自分のものにしてしまう。
処刑を避けるには、攻略対象を落とせばいいわけではない。
むしろ好感度が上がるほど、ヒロインに目をつけられ、破滅の速度が増していく。
何度もやり直せない世界で、
主人公はただ生き延びるために立ち回る。
けれど彼女の異常な境遇に最初に気づいたのは、どのルートでも最後に彼女を断罪するはずだった、冷酷な男だった。
これは、
“悪女”にされた少女が、処刑台に上る前に真実を暴き、自分を正しく見つけてくれるたった一人を得るまでの話。
転生した本好き幼女は、冷徹宰相パパのために暗躍します!~どんなピンチも本の世界に入れる『ひみちゅのチート』で解決でしゅ~
青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。
藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。
溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。
その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。
目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。
前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。
リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。
アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。
当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。
そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。
ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。
彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。
やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。
これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。
※最終話まで予約投稿済