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悪役令嬢と言われましたけど、大人しく断罪されるわけないでしょう?
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「……皇女殿下」
「聞かなかったことにしてちょうだい。大好きだった友人が決定打は何か分からないけれど、とりあえず昔のように戻った様子だったのだからあれくらい良いじゃないの」
「すべて殿下の手のひらの上と言うことですか」
「冗談はやめなさいよ。わたくしは神ではないのだからすべてを操れるはずがないでしょう。わたくしは決められていた筋書きの一部を書き換えただけ。わたくしにできるのは洗脳された人間を元に戻すことくらいだった。それもかなり手を回しても確立が低いのだからそんな大それた話でもないわ」
私にできることなんて全然ありませんよ。ただ、大体ではありますが人の思考を読むことは得意なのですよね。心理戦の延長のようなものですけれど。長い時間をかけて根気強くパズルのピースを嵌めていかなければなりません。一つでも間違えてしまうと結果は大きく変化してきます。
約十年、無駄にされたとは言いましたが何もしていなかったわけではありません。彼の態度があんな感じだったので結婚はしたくないと前々から考えていました。そのためにお父様にも協力をお願いしていましたしね。でもレイモンド様が哀れでもありましたからずっと動いていました。ここ数年は特に。正解は最後まで分からないので彼の洗脳のようなものを解けるかは賭けでしたが、最終的には上手くいったようで何よりです。
「はいはい、そういうことにしておきましょうか。私は神々を敵に回すことになっても、殿下とだけは敵対したくありません」
「わたくしも嫌われたものね?」
「嫌っているわけではありませんよ。世界中を探しても殿下との心理戦に勝る者は誰もいないと断言できます。心理戦の範疇を超えていて、心の奥底では何を考えているか分からないのが恐ろしいだけです」
「そんな大袈裟なものでもないでしょうに」
部屋の外で待機していた護衛にお父様達がいらっしゃる部屋へ案内してもらい、部屋に入ると何やら満足そうなお顔のお父様方と真っ青を通り越して真っ白になっている公爵夫妻がいました。
お父様の方も話がまとまって今日はこれで屋敷に帰るそうで、いつの間にか暗くなった景色に少し驚きつつ、馬車に乗りました。もう二度とここに来ることはないでしょう。
「ところでお父様、公爵夫妻に何か言ったのですか?」
「いや、私はほとんど黙って聞いていただけだ。大人しくしていたが何だかんだ言って一番怒っていたらしいリオンが、」
「私は事実を言っただけです。あのような反応をしたということは自覚があったのだと思いまして」
「それで、嬉々として地獄に突き落としていたな」
「兄上はお黙りください。カティアに余計なことを吹き込んだら許しませんよ? 兄上が嫌われるなら構いませんけど、私がカティアに嫌われるのは困ります。世界の終わりです」
「この腹黒が……」
あらあら、お兄様方も仲がよろしいようで何よりですね。リオンお兄様が腹黒なのはすでに知っていることですから、わざとリオンお兄様の所業を私に聞かせようとしなくても良いと思いますけれど。
「聞かなかったことにしてちょうだい。大好きだった友人が決定打は何か分からないけれど、とりあえず昔のように戻った様子だったのだからあれくらい良いじゃないの」
「すべて殿下の手のひらの上と言うことですか」
「冗談はやめなさいよ。わたくしは神ではないのだからすべてを操れるはずがないでしょう。わたくしは決められていた筋書きの一部を書き換えただけ。わたくしにできるのは洗脳された人間を元に戻すことくらいだった。それもかなり手を回しても確立が低いのだからそんな大それた話でもないわ」
私にできることなんて全然ありませんよ。ただ、大体ではありますが人の思考を読むことは得意なのですよね。心理戦の延長のようなものですけれど。長い時間をかけて根気強くパズルのピースを嵌めていかなければなりません。一つでも間違えてしまうと結果は大きく変化してきます。
約十年、無駄にされたとは言いましたが何もしていなかったわけではありません。彼の態度があんな感じだったので結婚はしたくないと前々から考えていました。そのためにお父様にも協力をお願いしていましたしね。でもレイモンド様が哀れでもありましたからずっと動いていました。ここ数年は特に。正解は最後まで分からないので彼の洗脳のようなものを解けるかは賭けでしたが、最終的には上手くいったようで何よりです。
「はいはい、そういうことにしておきましょうか。私は神々を敵に回すことになっても、殿下とだけは敵対したくありません」
「わたくしも嫌われたものね?」
「嫌っているわけではありませんよ。世界中を探しても殿下との心理戦に勝る者は誰もいないと断言できます。心理戦の範疇を超えていて、心の奥底では何を考えているか分からないのが恐ろしいだけです」
「そんな大袈裟なものでもないでしょうに」
部屋の外で待機していた護衛にお父様達がいらっしゃる部屋へ案内してもらい、部屋に入ると何やら満足そうなお顔のお父様方と真っ青を通り越して真っ白になっている公爵夫妻がいました。
お父様の方も話がまとまって今日はこれで屋敷に帰るそうで、いつの間にか暗くなった景色に少し驚きつつ、馬車に乗りました。もう二度とここに来ることはないでしょう。
「ところでお父様、公爵夫妻に何か言ったのですか?」
「いや、私はほとんど黙って聞いていただけだ。大人しくしていたが何だかんだ言って一番怒っていたらしいリオンが、」
「私は事実を言っただけです。あのような反応をしたということは自覚があったのだと思いまして」
「それで、嬉々として地獄に突き落としていたな」
「兄上はお黙りください。カティアに余計なことを吹き込んだら許しませんよ? 兄上が嫌われるなら構いませんけど、私がカティアに嫌われるのは困ります。世界の終わりです」
「この腹黒が……」
あらあら、お兄様方も仲がよろしいようで何よりですね。リオンお兄様が腹黒なのはすでに知っていることですから、わざとリオンお兄様の所業を私に聞かせようとしなくても良いと思いますけれど。
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