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彼女の為に出来る事①[side:一男]
自分で言うのもなんだけど……
世間的に見て俺は、イケてる部類に属していると思う。
顔は普通より良いと思うし、性格もそんなに悪くはない筈。
成績は普通より多少良い程度だったにしろ、頭の回転は鈍くなく、機転も利く方だ。
体を動かすのが好きで、運動神経だって良い。
職業柄色んな人と接するから、愛想はかなり良いし、話題の引き出しも数多く有している。
センスが物言う仕事をしているもんで、常に流行にアンテナを張り巡らせて、自分自身にも取り入れる。
ダサいなんて言わせない。
言われるとしたら、田中 一男という、オッサンみたいな名前くらい。
言い寄って来る女の子は数多い。
可愛い子からそうでもない子、年上から年下まで年齢は様々で、選び放題。
だけど大抵、自分が良いなって思う子は決まって漣を好きになる。
漣とは、中学高校の同級生だった。
中学時代は、それぞれヤンチャ系と真面目系とでお互いに関心がなかった。
高校に入ってから、偶々付き合った歳上の彼女の弟である事が発覚して、そこからつるむようになり、今に至っている。
漣は、良くも悪くも普通。
見た目も普通、運動神経も普通、成績は俺よりちょっと良い程度。
なのに、何故かモテる。
俺が狙ってた子の心を悉く奪っていく。
漣の魅力は……と問われたら、これといってすぐに思い付かない。
しょっちゅうボーッとしてるし、掴み所もないし、マイペースだし……
ただ、一緒に居て凄く居心地の良い奴だってのは長年つるんできて良く知っている。
よく気が付き、周囲に細やかな配慮が出来る漣だけど、他人に執着しないし、興味もあまり持たない。
それ故に、俺が付き合いたい子と容易く付き合えてしまえるくせして、すぐにサヨナラしてしまう。
もって3ヶ月~半年、最短1週間。
漣曰く
「何て言うか……つまらない。最後まで興味を持てなかった」
………らしい。
良い奴なんだけど、付き合ってやる事もやっておきながら、興味がないからってあっさり別れを告げられる漣のこの神経は疑う。
じゃあ、どんな子が好きなんだ?と問えば「ビックリ箱みたいな子」と、不思議な答え。
見た目は?と聞けば「まぁ、自分に相応な普通の子。欲を言えば、適度に可愛い感じ?」……なんだとか。
この辺もちょっと理解し難い。
偶々飲みに行った先で、漣と同じ職場だという、凛香ちゃんという子と知り合った。
物凄く見た目がタイプだった。
大きくて、ややつり上がり目の猫目。
色素が薄いのか、白くて滑らかな肌に、桜色のぷっくりとした唇。
小顔で華奢な体………でも、出るところはちゃんと出てて……
艶やかなロングヘアにコンサバ系ファッションとくれば、嫌いな男はいない筈。
一目で恋に落ちた。
話し方も落ち着いていて、笑顔も可愛い。
声は若干低めだけど、気にする要素じゃない。
隣に連れて歩けたら、鼻高々になると思う。
だけど、残念ながら……彼女も既に、漣に心を奪われていた。
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