前向き時々後ろ向き

江上蒼羽

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11月27日

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11月27日(水)


病院の正面入り口を入ってすぐの所の脇にある階段とは別に、1階から7階まで繋がっている階段がある。

主に病院のスタッフが使用しているらしいその階段が旦那の新たなトレーニングスポットとなった。

エレベーターで1階へ降り、そこから7階まで上がっていく。

途中休憩を何度も挟みながら何とか上りきる頃にはゼェゼェハァハァ…

そこからまた1階まで降り、エレベーターで病室へと戻るんだそう。


「いやぁ、キツい!息切れるよ」


言いながらもどこか達成感に満ちていた。

というか、1階から7階まで階段で上り降りは、健康な人でも辛いと思う。

これを退院までの日課にするんだと張り切っていた。

頑張り過ぎないで貰いたいけれど、家にいた頃のゴロゴロダラダラ姿よりかは随分健康的。

仕事に早く復帰する為の体力作りとはいえ、こんなに旦那が努力している姿を見た事がなかった。

いつも「どうにかなるんじゃない?」と、その場しのぎの行動ばかりで、先を見越して事を運んだ試しはなかった。

それが今や、きちんと目標を持って行動している。

上の娘が生まれたばかりの頃の、職を転々としていた自分中心の身勝手さが嘘のよう。

俺はもっと評価されるべきだ……的な謎の自信もなくなり、謙虚さが芽生えたような気もする。

人って前向きになると人格も変わるのかな?……と思った。

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