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しおりを挟む「現国の成績だけ悪いってのがなぁ……」
「…………担当教師の教え方が悪いんじゃねっすか?」
嫌味ったらしく言う百田に嫌味で返すと、奴は大袈裟に溜め息を吐いてみせた。
「教師になって5年だけど、そんな事を言われたのは初めてだよ」
「ははっ、初めてって……童貞喪失っすね」
俺のおふざけが気に入らないのか、百田の眼鏡の奥の目が鋭くなる。
「あんまり舐めた態度を取るなよ?このままじゃ単位やれないからな」
「………へぇ、それ脅しっすか?」
挑発するように顎を持ち上げる。
俺のそんな様を見て、百田が呆れたように言う。
「あのな……真面目な話、補習さえ受ければいい話なのをお前がサボるから面倒な事になってるのが分かっているのか?」
「この俺が補習とか恥ずかしいじゃん?」
ここでまた百田が大きく溜め息を吐いた。
「ったく………たった一つの教科で留年する方が恥ずかしいだろ」
「………まだ2学期じゃんか」
「ま、確かにまだ留年が決まる段階ではないけれど、親御さんを交えて話をしなければならない段階ではある」
百田の口から飛び出した親御さんという単語に自ずと背筋が伸びた。
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