12 / 57
【12】
しおりを挟む「よく廃部にならなかったっすね。てか、1人で部活とか………虚しくないっすか?」
馬鹿にしてる訳じゃなくて、単純に疑問に思っただけ。
その意図を先輩は汲み取ってくれたようで、ケラケラ笑いながら言う。
「1人だから自由だよー気楽だし。本当なら廃部の所を無理言って学校誌の校正を引き受ける代わりに存続させてもらってる」
「あー……学期末に配布されるやつ?」
配られた側からすぐにゴミ箱に放ってるとは言えない。
「そうそう。本来はPTAの仕事らしいんだけどね。誤字脱字をチェックするだけなら私でも出来るから」
「へぇ……けど、そうまでして存続させたい理由って?」
俺の質問に先輩の表情が一瞬固まった。
不思議に思っていると、先輩は取り繕うように笑顔を作る。
「だから内申の為。来月末締め切りのコンクールがあって………それに小説を応募して文芸部の活動は終わりにするつもり。それまでは活動の許可を得てる」
まるで自分に言い聞かせているかのように言う先輩を見て、何となく本当の理由は別の所にあるのだろうと感じた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる