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【14】
しおりを挟む国語に強いと思われる文芸部部長を味方に付けて心強さを感じていると、先輩が徐に立ち上がった。
「今日は部活終了。暗くなってきたから帰ろ」
慌てて俺も立ち上がる。
「やべ……荷物教室に置きっぱだ」
図書室の窓から見える空は、夕方から夜になりかけていた。
グラウンドで活動していた野球部が引き上げている様子が見える。
「忘れ物ない?カギ閉めるね」
図書室から出て薄暗い廊下を並んで歩く。
先輩は俺の肩下くらいまでしか身長がない。
小さい人だな……と思った。
「清原くんはバス通?電車?」
「チャリ通っす」
「へぇ、じゃあそこまで遠くはないんだね」
「ですね。黛先輩は?」
「私はバス通」
そんな風に会話をしていると、分岐に差し掛かる。
「俺一旦教室戻るんで」
「そっか、またね。明日も放課後図書室にいるから、やる気があったら訪ねて来て」
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