異世界の管理人

ぬまちゃん

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人間界の初日

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男性と別れて、部屋に戻ってきた、主任んさんと西の魔女と受付の女の子は、これからの事を話し始めた。


最後に銭湯という所も教えてもらったが、人間と同じ風呂に入ったら、我々の事がバレてしまう。

特に、メデューサ一族の君が銭湯に行って髪の毛を洗ったら、銭湯の人間がみんな石になってしまう。

取り敢えず、居場所は確保出来たが一難去ってまた一難か?

そこへ、西の魔女が助け舟を出した。

大丈夫ですよ、主任さん。
私は人間族だからこの世界の人間とは見分けがつかないはずです。
主任さんも、人間と大差ないので、私が主任さんに変身魔法をかけておけば誰も気がつきませんよ。

受付の女の子も、この世界の人間との混血だからほとんど人間です。ただし頭の上の毛は人前に出せません。女の人で髪の毛の長い人は、髪の毛が濡れるのを嫌がって丸めてキャップの中にしまう事があるでしょう。
その応用で、最初からシニヨンでまとめておいて、その上をキャップで覆えば良いでしょう。
私も一緒にお風呂に入るので、もしも間違えて石になる人がいても、元に戻しますよ。
当然その時の記憶は消しますし。

そのくらいの魔法ならば、対して問題ありません。

ただし、唯一の問題は私自身が石になってしまう事です。一応直接彼女の髪の毛を見ないように、お風呂の中でもメガネをするつもりです。
何でも、この人間界には、眼球に直接付けるメガネがあるらしいのです。
だから、しばらくしてここの生活が落ち着いたら、そのコンタクトとか言うものを付けるつもりです。

それでも、万が一の事を考えて石化した者を元に戻せる魔法を凝縮した液体を準備しておきます。
その液体をかければ、石化した者を戻せます。
そのスプレーを何本か用意しておきますので、主任さんと女の子に渡しておきますね。

そうすれば、私が石になっても元に戻せるでしょう?

ドラゴンさんには申し訳ないですけど、そうすれば三人ともお風呂に入れますよ。
ドラゴンさんには、どこか温泉を探して、そこでゆっくりとお湯に入ってもらいましょう。
それまでの間、申し訳ないけど辛抱したください。
流石に、ドラゴンさんの人形をお風呂に入れるのは、小さい子でもなければ違和感がありますから。


そういう事なので、申し訳ないけど、髪の毛を洗う場合には、この部屋で誰も見ない時にやってね。マリアさん。

サリーおば様、ご配慮いただきありがとうございます。でも、大丈夫です。
実は、私は生まれてこのかた、髪の毛を洗った事はありません。

髪の毛は、勝手に脱皮するのですが、皮は自然に消えて無くなります。
それに私の髪の毛たちは蛇の様に見えますが決して生臭くはありません。
逆にいつもさわやかな匂いを出しているのです。
だから、髪の毛を丸めてキャップをすればお風呂に入れます。

おお、そうだったのか。

メデューサ一族の秘密なのだな、それは。
私は、メデューサ一族に何人も知り合いがいるが、髪の毛の手入れに関しては具体的には聞いた事がなかったのだ。

まあ、ワタクシも始めて知りましたわ。
確かに、あなたの頭の上にあるのは普通の蛇ではないですものね。
直接見ることさえしなければ、綺麗な髪の毛ですよね。

ありがとうございます、サリーおば様。

いつの日か、この髪の毛を直接見ても石にならない殿方と巡り会える事が夢なのです。
私のお父さんは、お母さんの姉である、おばの髪の毛を直接見ても石にならない唯一の人間なのですもの。


なるほど、一族を守るために、その様な特別な配慮がなされるのだろう。
マリアさんなら、この人間界で良い人に巡り会えるだろう。

主任さんの言葉に、ホホを赤らめる受付の女の子だった。

さあ、今日はもう遅いから寝る事にしようか。
この布団という敷物は、随分と暖かいではないか。

ベッドの様に出しっ放しでは無くて、いちいち押入れという所から出して引かなければならないが、場所をとらずに済む優れたものではないか。

やはり、人間の知恵という物はすごいものだな。
明日から、どんどん人間界の事を知らなければな。
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