4 / 5
友達のはなしⅡ
しおりを挟む
前回は重苦しいはなしを書いたので、今回はくだらなくて楽しかった友達との思い出を書いていこうと思う。最初に補足だが、今回出てくる人たちは全員本来下の名前で会話をしている。下の名前まで明かさないのは、モデルになった人の一人から下の名前は出さないようお願いされたからだ。
まず一人目だが、2年生の時に同じクラスで、3歳程度の頃から親交のある幼馴染の長浜だ。同じ吹奏楽部員であり、部活帰りは一緒に帰っていたものである。彼女は小学5年生の頃から彼氏がおり、中学生になっても冷めずに関係を続けていた。相手の杉浦君も、5歳ごろから仲がいい幼馴染だ。前回書いたように、引っ越してからは部活がなければ近所の幼馴染と一緒に登校していたのだが、彼もそのうちの一人だった。彼は地域のサッカークラブに所属し、部活にも入らずに打ち込んでいたため、夏休みもよく遠征に行っていた記憶がある。長浜は杉浦君のことが大好きだが、夏休みは杉本君が忙しいためか全くデートに行けていないと愚痴をこぼしていた。
中一のバレンタインデーの前日、彼女からチョコレートにどうやって愛情をこめようかと相談を受けた。愛情の込め方とか言われてもちょっとよくわからなかったので、適当に「杉浦君のことを考えながら作れば自然と思いは入るもんなんじゃないの」と返しておいた。事故は起こった。学校の後の塾も終え、一年の秋にもらったばかりのスマートフォンでラインをチェックすると、彼女からラインが来ていた。内容は「一口サイズのチョコレートケーキ作ってたら失敗しちゃった……マジでヤバイどうしよう!」といった感じのものだった。「具体的に何があったのさ」と聞くと、すぐに返事が来た。「オーブンで焼いてたら熱しすぎちゃって……どろどろになっちゃった……」どうやら焼きすぎたらしい。買いなおしに行くことを試みるも、すでに時刻は9時を回っており、お店は閉まっていた。「失敗しちゃっても愛情がこもってるなら少しは食べてくれるんじゃないかな。ほら、杉浦君優しいし。あとはまあ、精一杯謝罪することだわな」こんな感じの内容を送り、風呂に入ってすぐに寝た。
次の日の午後、ラインが入っていた。「成功したよ!杉浦君食べてくれた!一瞬苦そうに顔をしかめたけど、そのあとすぐに言ったんだって!『この苦さも苦労して作ってくれたならおいしいよ。愛情で甘いし。』もうかっこよすぎ!……」そのあとも少し彼氏自慢が書かれていたような気がしたが、無視した。というか杉浦君は全部食べたのか。体調を崩さなければいいが。よくもまああんなかっこいいセリフを放てるよ。僕は告白のセリフを嚙んだぐらいだったため、杉浦君がうらやましく思った。
なぜオーブンを見ていなかったのか気になったので聞いてみたところ、杉浦君に何と言って渡そうか、どういう反応をするのか考えていたら時間がたってしまっていたようだ。漫画かよ。
この年も僕が誰からもチョコをもらえなかったことなんて誰も知らなくてよい話だ。
二人目は、塾で知り合った友人である。名を小野寺さんという。違う中学校に通っていたため、前々から話したいと思っていた。彼女は面白い人だった。自分の大好きなキャラ、現代でいう「推し」への愛がすごく、彼女の影響で調べた作品もあった。
そんな彼女との思い出といえば、「ラーメンは塩か醤油か」戦争である。今考えればただの笑い話なのだが、なぜか本気になって対抗していた。僕が塩ラーメン派で小野寺さんが醤油ラーメン派である。塩ラーメンへの愛を語れば負けじと醤油ラーメンへの愛が返ってくる。当時は勝ちたい一心でタン塩味のブタメンも買い込んだ。テスト前の勉強時に小腹がすくと食べてはつかの間の至福を堪能していたものである。結局2人だけで言い争ってもしょうがないということになり、ほかの塾のメンバーやそれぞれの学校でも聞きまくることになった。吹部内でも先輩や同級生が塩ラーメン派か醤油ラーメン派かの議論が休憩時間に行われ、いいところを熱く語り合った。大体どこで聞いても半々に分かれ、勝負がつかなくなっていた。塾の先生が塩ラーメン派だったので塩ラーメン派の勝利だと思い込んでいるが、勝負はついていない。果たしていま彼女はどう思っているのだろうか。
さてお次は男子の友達である。中1の時にクラスが同じで仲良くなった鶴見である。彼はとてもアウトドアな人間だった。テニス部に所属していたのだが、入部当初にはたるんでいた腹も2年生になるころには割れていたぐらいだし、よっぽど練習が厳しいのだろう。テニス部の雄たけびは音楽室まで伝わってくる。ボーイスカウトにも所属しており、週末にはたまにキャンプに行った写真などを送られてきた。それに対して僕は部活が終わればエアコンのきいた部屋の中で動画干渉を楽しんでいるようなインドア、というかただの引きこもりだったので、彼のように休日にわざわざ外に出て遊ぶ気力があるなんてすごいなぁと思っていた。ただ基本的に体育の成績は悪く、その辺りは僕と大差がなかった。自分の好きなことには熱中するのだろう。好きはことつながりだが彼は音楽が好きだった。ギターやドラムが演奏できるため、トランペット吹きの僕はバンドをやらないかとよく誘われたものだ。文化祭で発表するといっていたのだが、その日は部活枠でトランペットを演奏するので、遠慮していおいたが。僕以外に音楽が得意な人たちを募って発表していたが、とてもうまかった。
逆にインドア派で趣味の合う友達もいた。鶴見と同じくクラスが同じだったことで仲良くなった栗生君である。僕は当時YouTubeよりももっぱらニコニコ動画派だったので、ニコニコネタなどはよく知っていた。が、他のクラスメートに話しても「何、それ?」ぐらいにしか思われなかった。しかし彼は違う。どうせ誰からも反応されないだろうと思いつつも「悪霊退散悪霊退散」などとつぶやくと、彼はすぐに「怨霊物の怪コマンダー常盤www」などと返してくれるのだ。ほかにもこんな古いネタを知っている人がいるとは思っていなかったため、返してくれるととてもうれしかったものだ。あらゆるジャンルを知っており、「君がくれた勇気は?」ときけば「おっくせんまん」と返ってくる。「佐賀といえば?」ときけば「海底都市」などと返ってくる。彼もテニス部だったのだが、こんなくだらない話題を知っていても、部活にはまじめに取り組んでいた。鶴見と同じように腹筋はいつの間にか割れていた。
休日は家で動画鑑賞しているような僕だが、月に一度ウキウキで外に出ることがあった。前回登場した濱川君と出かける約束を取り付けたときだ。クラスが離れてしまっても交流を続けるために僕が誘っていた。歩いてショッピングモールまで行き、遊びほうける。月一でもらえるお小遣いはそこで使うためにわざわざ貯金していた。ゲームセンターで遊びまくったら、、残ったお金でマックに行ってシェイクを飲む。クラスが違うため、「そっちのクラス最近どうなの」などといった会話はよく弾んだ。以前は日向君と3人で遊んだこともあったのだが、なんせ口をきいてもらえないので夏休み明けからは2人だけで遊ぶことになっていった。そんな濱川君だが、意外なことに前述の小野寺さんと「推し」がかぶっていた。3人とも同じ塾なのだが、小野寺さんに「推し」を紹介されていた時、「そこにいる濱川君はたしかそこキャラ好きだったと思うよ」などといえば、彼らはスマホに映った「推し」を眺めて「かわいい・・・」を連呼していた。そんな彼らを見て、勉強の疲労もとんだものである。
まず一人目だが、2年生の時に同じクラスで、3歳程度の頃から親交のある幼馴染の長浜だ。同じ吹奏楽部員であり、部活帰りは一緒に帰っていたものである。彼女は小学5年生の頃から彼氏がおり、中学生になっても冷めずに関係を続けていた。相手の杉浦君も、5歳ごろから仲がいい幼馴染だ。前回書いたように、引っ越してからは部活がなければ近所の幼馴染と一緒に登校していたのだが、彼もそのうちの一人だった。彼は地域のサッカークラブに所属し、部活にも入らずに打ち込んでいたため、夏休みもよく遠征に行っていた記憶がある。長浜は杉浦君のことが大好きだが、夏休みは杉本君が忙しいためか全くデートに行けていないと愚痴をこぼしていた。
中一のバレンタインデーの前日、彼女からチョコレートにどうやって愛情をこめようかと相談を受けた。愛情の込め方とか言われてもちょっとよくわからなかったので、適当に「杉浦君のことを考えながら作れば自然と思いは入るもんなんじゃないの」と返しておいた。事故は起こった。学校の後の塾も終え、一年の秋にもらったばかりのスマートフォンでラインをチェックすると、彼女からラインが来ていた。内容は「一口サイズのチョコレートケーキ作ってたら失敗しちゃった……マジでヤバイどうしよう!」といった感じのものだった。「具体的に何があったのさ」と聞くと、すぐに返事が来た。「オーブンで焼いてたら熱しすぎちゃって……どろどろになっちゃった……」どうやら焼きすぎたらしい。買いなおしに行くことを試みるも、すでに時刻は9時を回っており、お店は閉まっていた。「失敗しちゃっても愛情がこもってるなら少しは食べてくれるんじゃないかな。ほら、杉浦君優しいし。あとはまあ、精一杯謝罪することだわな」こんな感じの内容を送り、風呂に入ってすぐに寝た。
次の日の午後、ラインが入っていた。「成功したよ!杉浦君食べてくれた!一瞬苦そうに顔をしかめたけど、そのあとすぐに言ったんだって!『この苦さも苦労して作ってくれたならおいしいよ。愛情で甘いし。』もうかっこよすぎ!……」そのあとも少し彼氏自慢が書かれていたような気がしたが、無視した。というか杉浦君は全部食べたのか。体調を崩さなければいいが。よくもまああんなかっこいいセリフを放てるよ。僕は告白のセリフを嚙んだぐらいだったため、杉浦君がうらやましく思った。
なぜオーブンを見ていなかったのか気になったので聞いてみたところ、杉浦君に何と言って渡そうか、どういう反応をするのか考えていたら時間がたってしまっていたようだ。漫画かよ。
この年も僕が誰からもチョコをもらえなかったことなんて誰も知らなくてよい話だ。
二人目は、塾で知り合った友人である。名を小野寺さんという。違う中学校に通っていたため、前々から話したいと思っていた。彼女は面白い人だった。自分の大好きなキャラ、現代でいう「推し」への愛がすごく、彼女の影響で調べた作品もあった。
そんな彼女との思い出といえば、「ラーメンは塩か醤油か」戦争である。今考えればただの笑い話なのだが、なぜか本気になって対抗していた。僕が塩ラーメン派で小野寺さんが醤油ラーメン派である。塩ラーメンへの愛を語れば負けじと醤油ラーメンへの愛が返ってくる。当時は勝ちたい一心でタン塩味のブタメンも買い込んだ。テスト前の勉強時に小腹がすくと食べてはつかの間の至福を堪能していたものである。結局2人だけで言い争ってもしょうがないということになり、ほかの塾のメンバーやそれぞれの学校でも聞きまくることになった。吹部内でも先輩や同級生が塩ラーメン派か醤油ラーメン派かの議論が休憩時間に行われ、いいところを熱く語り合った。大体どこで聞いても半々に分かれ、勝負がつかなくなっていた。塾の先生が塩ラーメン派だったので塩ラーメン派の勝利だと思い込んでいるが、勝負はついていない。果たしていま彼女はどう思っているのだろうか。
さてお次は男子の友達である。中1の時にクラスが同じで仲良くなった鶴見である。彼はとてもアウトドアな人間だった。テニス部に所属していたのだが、入部当初にはたるんでいた腹も2年生になるころには割れていたぐらいだし、よっぽど練習が厳しいのだろう。テニス部の雄たけびは音楽室まで伝わってくる。ボーイスカウトにも所属しており、週末にはたまにキャンプに行った写真などを送られてきた。それに対して僕は部活が終わればエアコンのきいた部屋の中で動画干渉を楽しんでいるようなインドア、というかただの引きこもりだったので、彼のように休日にわざわざ外に出て遊ぶ気力があるなんてすごいなぁと思っていた。ただ基本的に体育の成績は悪く、その辺りは僕と大差がなかった。自分の好きなことには熱中するのだろう。好きはことつながりだが彼は音楽が好きだった。ギターやドラムが演奏できるため、トランペット吹きの僕はバンドをやらないかとよく誘われたものだ。文化祭で発表するといっていたのだが、その日は部活枠でトランペットを演奏するので、遠慮していおいたが。僕以外に音楽が得意な人たちを募って発表していたが、とてもうまかった。
逆にインドア派で趣味の合う友達もいた。鶴見と同じくクラスが同じだったことで仲良くなった栗生君である。僕は当時YouTubeよりももっぱらニコニコ動画派だったので、ニコニコネタなどはよく知っていた。が、他のクラスメートに話しても「何、それ?」ぐらいにしか思われなかった。しかし彼は違う。どうせ誰からも反応されないだろうと思いつつも「悪霊退散悪霊退散」などとつぶやくと、彼はすぐに「怨霊物の怪コマンダー常盤www」などと返してくれるのだ。ほかにもこんな古いネタを知っている人がいるとは思っていなかったため、返してくれるととてもうれしかったものだ。あらゆるジャンルを知っており、「君がくれた勇気は?」ときけば「おっくせんまん」と返ってくる。「佐賀といえば?」ときけば「海底都市」などと返ってくる。彼もテニス部だったのだが、こんなくだらない話題を知っていても、部活にはまじめに取り組んでいた。鶴見と同じように腹筋はいつの間にか割れていた。
休日は家で動画鑑賞しているような僕だが、月に一度ウキウキで外に出ることがあった。前回登場した濱川君と出かける約束を取り付けたときだ。クラスが離れてしまっても交流を続けるために僕が誘っていた。歩いてショッピングモールまで行き、遊びほうける。月一でもらえるお小遣いはそこで使うためにわざわざ貯金していた。ゲームセンターで遊びまくったら、、残ったお金でマックに行ってシェイクを飲む。クラスが違うため、「そっちのクラス最近どうなの」などといった会話はよく弾んだ。以前は日向君と3人で遊んだこともあったのだが、なんせ口をきいてもらえないので夏休み明けからは2人だけで遊ぶことになっていった。そんな濱川君だが、意外なことに前述の小野寺さんと「推し」がかぶっていた。3人とも同じ塾なのだが、小野寺さんに「推し」を紹介されていた時、「そこにいる濱川君はたしかそこキャラ好きだったと思うよ」などといえば、彼らはスマホに映った「推し」を眺めて「かわいい・・・」を連呼していた。そんな彼らを見て、勉強の疲労もとんだものである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
👨一人用声劇台本「寝落ち通話」
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。
続編「遊園地デート」もあり。
ジャンル:恋愛
所要時間:5分以内
男性一人用の声劇台本になります。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる