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エンペラーゴブリン編

第二十一話 マカの秘密Σ('◉⌓◉’)

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「一撃で沈めるなんて流石はパパね」

「旦那様。素敵です」

「ふっはっはっは! そうだろそうだろ」

 ミイナとマカに褒められたサダンさんが嬉しそうに高笑いした。チャンスだ。今褒めたら俺の印象も良くなるに違いない。

「強くてかっこいいですサダンさん」

「貴様も同じ目にあわせてもいいんだぞあぁん!」

 殺意全開で睨まれた。
 せっかく褒めたのにこの違いはなんだろう。涙が出てきそう、だって男の子なんだもん。

「だらしないわねぇ。キングゴブリン」

「ふん。少し油断しただけだ。この程度の骨折などすぐに治る」

 スキル『超回復』を持っているキングゴブリンが立ち上がった。このスキルがあれば肋の骨折なら数分で治るだろう。

「あのイケてるおじ様はちょっと厄介そうねぇ。私は娘を狙うわぁ! 『サウザンド・ゴブリンフレイム』」

 ナイトメアゴブリンが呪文を唱えると、ゴブリンの形をした炎が千個空に現れた。

「ちと数が多いな。ミイナ。パパが援護するぞ」

「いいえ、その必要はないわ。あのゴブリンの狙いは私なんだから」

「しかし」

「大丈夫。あのナイトメアゴブリンに私を敵に回した事を後悔させてあげるわ!」

「むぅそうか。頑張れよ」

「うん。パパはここで座って見てて」

 ミイナが玉座から腰を上げ、ナイトメアゴブリンへと一直線に飛んだ。

「それはこっちのセリフよぉ。炎よ。あの娘へとお行きなさいぃ!」

 千の炎が一斉にミイナを焼き尽くさんと動いた。
 180度上空を炎に囲まれたミイナに逃げ場所はないかに思われた。
 
 だがしかし。

「マカ!」

「はい、お嬢様。『エンチャント・クリアウォーター』」

 マカの魔法により、ミイナの剣に大量の水が磁石のように引っ付く。

「キモくて熱苦しいから全部消えなさい! 『ホーリースラッシュ』!」

 剣先から水状の斬撃が円盤状に広がっていき、空にあった千個の炎を全て消し去った。

「嘘ぉ」

「トドメよ『ホーリーレイピア』」

 ミイナの突きがナイトメアゴブリンの心臓を捕らえた。

「あまいわねぇ。『ゴブリンマジックバリヤ』」

 だがすんでのところでバリアが展開し、ミイナの剣をあっさりと受け止める。

「前も止められたの覚えてないのぉ。クスクス。バカさんなのねぇ」

 ナイトメアゴブリンの挑発に、ミイナの額に怒りマークが浮かび上がり。

「カチンときたわ。マカ。私が正面から止めているうちに背中をやっちゃっいなさい!」

「なっ、それはずるいわよぉ!」

「かしこまりました。獲物を燃やせ『トリプルフレイムアロー』」

 マカの手に炎で作られた弓が現れ、一気に三本の矢を放った。
 だが矢はミイナ達をすり抜けた。

「残念。ノーコンだったようねぇ」

「それはどうかしら」

 三本の矢はブーメランのようにすぐ旋回し、ナイトメアゴブリンの背中に直撃した。

「あぁん! 少しだけ痛いじゃないのぉ」

「ならもっともっと痛みつけてあげるわ。マカ」

「はい。では次から倍に増やしましょう『セクスタプルフレイムアロー』」

 今度は六本もの炎の矢が放たれ、同じようにナイトメアゴブリンの背中を刺していく。

「うぅぅっんあぁぁっん!」

 矢が刺さるたびに色っぽく喘ぐナイトメアゴブリン。ぶっちゃけエロい。
 それより。

「『セクスタプルフレイムアロー』『セクスタプルフレイムアロー』『セクスタプルフレイムアロー』『セクスタプルフレイムアロー』」

 さっきから連続で矢を放つマカ。その顔には疲れている様子が全然見えなかった。
 これだけ魔法の矢を放ってもまだ余裕あるのか。マカの魔力量半端ないな。
 気になったのでいつものように神眼でマカのステータスを見てみた。

 《マカ》(人間)
 ATK 2000
 DEF 2200
 SPD 4000
 MP  20000
《スキル》
 暗黒卿の加護。全属性の加護。魔力回復。メイド名人。買い物名人。家事名人。
《身長》
 160センチ
《体重》
 47キロ
《スリーサイズ》
 バスト 91 ウエスト 61 ヒップ 89
《好きなタイプ》
 旦那様❤️
《経験人数》
 1人(旦那様❤️)
《好きな体位》
 背面側位
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「ゑゑゑゑゑゑ!!??」

 驚きすぎて思わずサダンさんを見てしまう。すると向こうも俺の視線に気が付き。

「誰にメンチ切ってるんだオラァ!」

「なんでもないっすーーーーーー!」
 
 いつものようにキレられたのですぐ顔をそらした。
 だが俺の心にはモヤモヤと、なんだか見てはいけないものを見てしまったような罪悪感があった。
 ヤベェ。ただステータス見ただけなのにとんでもない秘密を知ってしまった。どうしよう。
 頭の中でちっこい俺達が会議したりして悩んだ末。結局喋ったら100%サダンさんに殺されるだろうということで黙っておくことに決まった。
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