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ドラゴンの女王編
第四十五話 ゆり百合
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「王宮にパパ抜きで、ね。ふふ、相変わらずパパが怖いのね、国王様は」
手紙の内容にミイナはクスッと笑っていた。
うんうん。わかるぞ国王。サダンさんを恐れるその気持ちは。
言葉には出さず、俺は同じ被害者に同情しながら涙目で頷く。
「さて、手紙を読んだ事だし、この手紙をパパに見せないように処分してから準備してすぐ出発しないとね」
そう言い、部屋から出て行くミイナ。
その後ろを天使がトコトコついていき。
「私も準備しーよおっ」
「アンタも王宮までついていく気なの?」
「もちろん。手紙にも一人だけならいいって書いてあったでしょ」
「……そうね、わかった。じゃあ天使と、あとはマカも誘ってパパ抜きで王宮まで行くわよ」
「おーー!」
拳を振り上げ、天使が嬉しそうにこっちへパチンとウインクしてきた。
げ、天使も来る気かよ。それにキモいウインクすな!
仕返しのつもりでキッと睨んでやったが、ますます喜んだので顔を逸らして無視した。
すると天使はミイナへと矛先を変えて。
「ミイナさん。その手紙の処分は私に任せて」
「いいけど、パパにバレないようにしっかり処分するのよ」
「はい、燃えカス一つ残さず処分してみせます!」
自信満々にぽよんと弾力のある胸を叩く天使を、ミイナは妹を心配する姉のような顔で見ていた。
……なんだか一瞬、ほんの一瞬だけこの二人を姉妹のように思ってしまったが、天使をミイナの妹にするのはミイナがあまりにも可哀想すぎるので今のはなかった事にしよう。記憶から消去消去、と。
1、2……ポカン!
よし、綺麗さっぱり忘れた。
記憶を消し、賢者モードのようにスッキリしていると、ミイナが話しかけてきた。
「私の準備ができたらすぐにここから出発するから、ジンも準備しておきなさいよ」
「おう。完璧に準備してやる」
「じゃあジンくんまた後で。
それと私はミイナさんの妹でも全然OKだよ」
せっかく記憶から消去したのに、天使がミイナの顔に重なるように両手で大きなハートを描いた。
これだから空気の読めない天使は嫌いなんだよおおおおおおおお!
「!? な、なんで天使が私の妹なのよ!」
「いいじゃない。お、ね、え、ちゃ、ん❤️」
ぎゅーーっと横から胸を押しつけながら無邪気に抱きつく天使。ミイナは慌てながらもすぐ引き離したが、その顔や体からは風呂上がりのように湯気が出ていた。
「っ~~~もぉぉ! 天使のお姉ちゃんなんかじゃないわよ!」
「くふふ、照れちゃって。ミイナさんは本当に可愛い」
「~~っもう!」
早足で天使から立ち去るミイナ。
だが。
「ついてこないでよ、天使!」
「待って、お姉ちゃーーーーん❤️」
顔だけじゃなく耳まで真っ赤になったミイナを追いかけ、天使の声もどんどん遠ざかっていった。
そして一人残された俺はというと。
「チッ。天使のくせにミイナと百合百合しやがって、ちょームカつく~!」
このイラつきを発散させるため、部屋で一人シャドーボクシングをして、イメージした架空の天使の胸をこれでもかと殴ってやった。
10分が経過。
「ふぅ。ちょっとはスッキリしたかな」
架空の天使の胸が千切れてどこかへ吹っ飛び、まな板のように平たくなったのでシャドーボクシングを終了した。
「そろそろ俺も準備を…………………………あれ? 準備って一体何を?」
今思えば、この世界での俺の持ち物は今着てる服と取り出し自由な聖剣、あと僅かなお金しか入っていないポケットサイズのアイテム袋だけだった。
よって準備をする必要はなく、このままいつでも出発してOKなのだ。
素晴らしいすぎる。まさに旅する勇者の鏡。
だが準備する時間が0だと、ミイナ達が準備を終えるまで暇だなー。
なので。
「よし、寝るか」
ベッドに横たわり、夢の中でファンタスティックで摩訶不思議な大冒険をする事にした。
手紙の内容にミイナはクスッと笑っていた。
うんうん。わかるぞ国王。サダンさんを恐れるその気持ちは。
言葉には出さず、俺は同じ被害者に同情しながら涙目で頷く。
「さて、手紙を読んだ事だし、この手紙をパパに見せないように処分してから準備してすぐ出発しないとね」
そう言い、部屋から出て行くミイナ。
その後ろを天使がトコトコついていき。
「私も準備しーよおっ」
「アンタも王宮までついていく気なの?」
「もちろん。手紙にも一人だけならいいって書いてあったでしょ」
「……そうね、わかった。じゃあ天使と、あとはマカも誘ってパパ抜きで王宮まで行くわよ」
「おーー!」
拳を振り上げ、天使が嬉しそうにこっちへパチンとウインクしてきた。
げ、天使も来る気かよ。それにキモいウインクすな!
仕返しのつもりでキッと睨んでやったが、ますます喜んだので顔を逸らして無視した。
すると天使はミイナへと矛先を変えて。
「ミイナさん。その手紙の処分は私に任せて」
「いいけど、パパにバレないようにしっかり処分するのよ」
「はい、燃えカス一つ残さず処分してみせます!」
自信満々にぽよんと弾力のある胸を叩く天使を、ミイナは妹を心配する姉のような顔で見ていた。
……なんだか一瞬、ほんの一瞬だけこの二人を姉妹のように思ってしまったが、天使をミイナの妹にするのはミイナがあまりにも可哀想すぎるので今のはなかった事にしよう。記憶から消去消去、と。
1、2……ポカン!
よし、綺麗さっぱり忘れた。
記憶を消し、賢者モードのようにスッキリしていると、ミイナが話しかけてきた。
「私の準備ができたらすぐにここから出発するから、ジンも準備しておきなさいよ」
「おう。完璧に準備してやる」
「じゃあジンくんまた後で。
それと私はミイナさんの妹でも全然OKだよ」
せっかく記憶から消去したのに、天使がミイナの顔に重なるように両手で大きなハートを描いた。
これだから空気の読めない天使は嫌いなんだよおおおおおおおお!
「!? な、なんで天使が私の妹なのよ!」
「いいじゃない。お、ね、え、ちゃ、ん❤️」
ぎゅーーっと横から胸を押しつけながら無邪気に抱きつく天使。ミイナは慌てながらもすぐ引き離したが、その顔や体からは風呂上がりのように湯気が出ていた。
「っ~~~もぉぉ! 天使のお姉ちゃんなんかじゃないわよ!」
「くふふ、照れちゃって。ミイナさんは本当に可愛い」
「~~っもう!」
早足で天使から立ち去るミイナ。
だが。
「ついてこないでよ、天使!」
「待って、お姉ちゃーーーーん❤️」
顔だけじゃなく耳まで真っ赤になったミイナを追いかけ、天使の声もどんどん遠ざかっていった。
そして一人残された俺はというと。
「チッ。天使のくせにミイナと百合百合しやがって、ちょームカつく~!」
このイラつきを発散させるため、部屋で一人シャドーボクシングをして、イメージした架空の天使の胸をこれでもかと殴ってやった。
10分が経過。
「ふぅ。ちょっとはスッキリしたかな」
架空の天使の胸が千切れてどこかへ吹っ飛び、まな板のように平たくなったのでシャドーボクシングを終了した。
「そろそろ俺も準備を…………………………あれ? 準備って一体何を?」
今思えば、この世界での俺の持ち物は今着てる服と取り出し自由な聖剣、あと僅かなお金しか入っていないポケットサイズのアイテム袋だけだった。
よって準備をする必要はなく、このままいつでも出発してOKなのだ。
素晴らしいすぎる。まさに旅する勇者の鏡。
だが準備する時間が0だと、ミイナ達が準備を終えるまで暇だなー。
なので。
「よし、寝るか」
ベッドに横たわり、夢の中でファンタスティックで摩訶不思議な大冒険をする事にした。
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