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ドラゴンの女王編

第七十五話 おじさん超変化・:*+.\(( °ω° ))/.:+

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「はぁはぁんんっ……あったぁあああああっ!」

 頬を赤く染め、まるでイったような声を出して天使が取り出したのは――。

「はぁはぁ……てってれ~『すがたへんかドリンクDぃ~(※D=ドラゴン)』」

 というスーパーで売ってるような箱入りのビンドリンクセットだ。

「これを飲むと一時的にドラゴン族に変化するの。
 はいお姉ちゃん」

 自分の分だけ『すがたへんかドリンクD』を取った天使がミイナに箱を渡す。

「あ、ありがと」

 天使から目をらし、気まずそうに箱を受け取ったミイナ。若干頬が赤い。

「んんっ」
 
 気持ちを切り替えるため喉を鳴らして、いつもの凛々しく可愛い顔で俺達に振り向くミイナ。それでこそミイナだ。

「よしみんなコレを飲んで潜入するわよ!
 はいリンリン」

「ありがとうございます」

「はいセイント」

「ありがとうウサ」

「はいおじさん」

「ありがとうミイナさん」

「ほらジン」

「うわっ、危ねぇええええ!」

 ぽいっと『すがたへんかドリンクD』を投げて渡すミイナ。
 危うく地面にぶつかるところでソレをキャッチした。
 俺だけなんか雑すぎんか。

「じゃあ各々ソレを飲んで、とっととドラゴン族になりなさい」

「わかりましたお父――ミイナ様」

 最初に飲んだのはリンリンだ。
 蓋を開け(※蓋は開けた直後に消えた)勢いよく一飲みで飲み終えた。
 その直後。

 ポンっ。

 煙が体から巻き上がり、どうゆう原理か不明だが、服はそのままに、リンリンの体からドラゴンの尻尾と羽が生える。

「これがドラゴン化。なんか不思議な感じです」

「いいじゃないリンリン」

「リンリンさん可愛い」

「リンリンちゃん超可愛いウサ」

「ありがとうございます」

 確かめるように尻尾をふりふり、羽をパタパタして笑顔で答えるリンリン。
 それを見た天使とセイントちゃんが可愛い可愛いとテンション高めでベタ褒めるが、正直リンリンは可愛いと思う。
 ミイナの次の次くらいにな!

「じゃあ次僕が飲むウサ」

 褒め終えて満足したセイントちゃんが『すがたへんかドリンクD』を一気飲みした。(※ちなみに飲んだビンは自然に消えます。原理は不明、星に優しいです)
 するとリンリンと同じように、セイントちゃんの体からドラゴンの尻尾と羽が生えた。
 ヒャホーー可愛いぜええええ!

「セイントちゃんとても可愛いですよ」

「やったぁ! ありがとうウサ」

 尻尾をふりふりして喜ぶセイントちゃん。
 か、可愛いすぎるぜ!
 セイントちゃんのドラゴン化に鼻血が出そうなくらい興奮したが、一つだけ許せない部分がある。

「でも僕のウサ耳が角になってしまったウサ」

 感触を確かめるように角をさするセイントちゃん。
 そう、セイントちゃんのあのプリチーなウサ耳がドラゴンの角になっていたのだ!!
 いくらドラゴン族になるドリンクとはいえ、これは許せるわけねぇよなぁ!
 
「おのれ天使めぇ!」
 
 この『すがたへんかドリンクD』の持ち主である天使を睨みつける。

「うふっ❤️」

 天使は妖艶に微笑み、『すがたへんかドリンクD』を一気に飲んだ。
 すると天使の体からもドラゴンの羽と尻尾が生えた。

「どう? どうかなジンくん❤️」

 わざと胸元をはだけさせ、こちらにウインクする天使。

 ピキッ。
 
 マジでぶっ◯したい。

「私も飲むわね」

 と、ここで大本命のミイナが『すがたへんかドリンクD』を飲んだ。俺の意識は天使からミイナに切り替わる。「そんな~」という声が聞こえたのは気のせいだろう。

「へぇー、なかなかいいわね」

 ミイナの体からドラゴンの尻尾と羽が生えた。
 うおおおおおおおお!!
 興奮のあまり鼻血ではなく下半身からナニか出そうだ。それ程までにミイナのドラゴン化は可愛すぎる!

「ミイナ様、とても可愛いです」

「ミイナちゃん可愛いウサよ」

「ふふ、ありがと♪」

 尻尾を触り、くるりとその場で回るミイナは何故か上機嫌だ。
 超・絶・可・愛いいいいいいいいい!

「ミイナ可愛――」

「ねえジンくん私は? ねえねえ!」

 天使が俺の前に立ちはだかり、次々とセクシーなポーズをしてミイナを覆い隠す。このクソ天使があああああ!
 
「邪魔だああああ!」
 
 気がつけば俺は、天使に殴りかかっていた。
 ATK9999の一撃をくらえ!

「暴力はいけませんよ」

 天使の前に謎のイケメンドラゴンが立ちはだかり、ATK9999の拳を簡単に受け止めた。
 な、誰だコイツは!
 茶髪で長い手足に立派な角の生えたそのイケメンドラゴンは、歌舞◯町のナンバーワンホストかなってくらいのイケメンオーラ全開で天使に声をかけた。

「やれやれ、お怪我はありませんでしたか?」

「はい。ええと、あなたは……」

「え、わからないのですか。ずっと一緒にいたのに」

 ずっと一緒にいた? あんなイケメンが?
 若干落ち込み、「やれやれですね」と髪をバサっと手で撫でたそのイケメンドラゴンは、天使や俺と同じく呆気に取られながら見ていたミイナ、リンリン、セイントちゃん達全員の中心に立ち、どっかの王子様のように名乗った。

「やれやれ、私ですよ私、ですよ」
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