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第23章 炎と聖剣

伸ばされた手は、救いか、破壊か? 7

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 無慈悲な程に淡々と伝えられる声に言葉にラルトは思考が追いつかない。
 
ーーミーラと戦った後何が?!
ーー強い魔力ってミーラが?!
ーーその他の誰かか!?

 唯一溢れ出た言葉はたった一言。

「ミーラは…生きて、いる、のか?…」

 一番聞きたくて、一番聞きたく無い言葉。
 その言葉に聖剣は答えない。
 炎の中のミーラも答えない。
 答えたのは、たった一人。

「君はまだそんな事を?ぷっ、こんなのが勇者だとわっ」

 ケラケラと笑う彼。
 バルンだ。
 その笑いにラルトは、怒りにも呆れにもならない不安定な気分だった。
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