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第25章 勇者の心

勇者ラルトの心 

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 聖剣の力を持ってミーラの力になりたかった。
 ミーラが目覚めて、あの頃叶わなかった優しい世界をミーラと共に
 笑ってくれなくても良い
 顔を見てくれなくても良い
 名前を呼んでくれなくても良い

ーーただ、側に居てくれたら

 それ以上はもう望まない。望めない。
 俺が勇者である限り、夢に過ぎない。

ーー勇者である限り…
ーー勇者…
ーーそんなの嫌だ…
ーー魔王だから、倒さなきゃいけない?
ーー悪だから?誰が決めた?
ーーそんなの…

【決めた奴らを消せばいいじゃないか】
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