キミのために出来ること

黒狼 リュイ

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あなたに

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 彼女はいつも僕に対して真っ直ぐだ。
 僕はその真っ直ぐにいつめ顔が熱くなってしまう。父様に言おうとした時もあったけど、父様はいつも彼女と同じで真っ直ぐだから、きっと僕を見たら悲しんでしまう…父様の息子だからこそ僕は…
 何度か彼女に会う度に彼女は不思議な事を言い出した。

「ねぇ、きみはだぁれ?」

 僕は固まった。彼女が僕を知らないなんてあり得ない、病気!?いや、病気なんて聞いてない…もしかして何かのイタズラ?
 そんな風に考えたら思考は止まらないどころかドンドン進んでいってしまう。僕は下を向いたまま混乱状態だった。
 そんな僕に彼女は何度も同じ問いをする。まるで僕に返事を急かすように

 何度も何度も繰り返す彼女
 何度も考え込む僕

 そして、僕は考えたって分からないから顔を見て逆に聞こうと思った。
 勢いよく顔を上げると、僕に問いかける言葉とは全く違うキラキラした笑顔があった。

ーーー彼女は僕を待ってくれてたんだ

 下を向かなくなった僕に彼女はさっきより数倍の笑顔で僕に言った。

「ねぇ、きみはだぁれ?」

 この言葉は僕にとって大切で愛おしい素敵な言葉になった。
 のちに僕は小さい頃に彼女がイタズラみたいに笑った姿を見たいからって毎度同じ問いを聞いた。

 だって、彼女の問いかける大切な言葉のおかげで僕の毎日が素敵に輝きを増すのだから。
 いつかは、彼女に僕から違う問いを渡そう。君からくる言葉はどんな風だろうか?どんな言葉でもきっと君は"面白く"してくれるよね?だから、僕達の秘密の遊びは大人になって僕の問いの答えが気持ちや願いが君と同じだったら、初めて遊びをみんなに教えてあげよう。

ーーーーそれまでは僕達の秘密の遊びだよ。
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