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私の話

あなた

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これは私の話ーー

”さよなら”
そう言った私に、あなたは言ったわね。
さよならなんて… ”また嘘なんだろう?”って。

そうね…あなたが私をいつも笑わせてくれるように
私もいつもあなたをからかって小さな嘘を沢山ついたわ。

「あなたの髪に虫がいるわっ!」
ーー嘘。ふわふわなあなたの髪に触れたかったの

「私は暖かいからあなたの手を暖めてあげるわっ」
ーーこれも嘘。私の手はいつも冷たいの。あなたと手を繋ぎたくて、ね。

毎度のように色んな顔をしてくれるあなたの声も暖かさも沢山味わえたわ。
ふふっ、私本当に幸せ者ね♪

でもね…悲しいけどもう私の"嘘"はなくなったの。
私だってあの時”嘘よ?”って言いたかったのよ…
何度も、何度も伝えなきゃって思ってた、言いたかった…私も…もっと…

でもこれが”真実”。
私の病気はもう”完治しない”、もし生き延びたとしても私はあなたの負担になるしか無い。
でもそれだけは嫌。負担になんかなりたく無い。
私の幸せ以上にもっとあなたの幸せを捧げたかったわ。持て余しちゃうくらいによ?

だからね、私は初めて"真実を含めた小さな嘘"を付く事にしたの。

本当は、あなたが私を想い続ける事はとても嬉しいわ。

お医者さんに「僕は彼女の側を離れたくはありません!」って言ってくれて嬉しかったのよ?

ーーでも同時に私はあなたが私に”縛られて”欲しく無いの。私は重りになりたく無い。私に出来る事があれば、あなたの為に何でもしようと思えたわ。
でも、私を笑わせようとつけない嘘を全力で沢山ついたあなたを見て思ったの。

”私はあなたの幸せを守りたい”

”あなたの心の中で小さく残る記憶の欠片で充分”

まだあなたは若いから…だから、あなたはあなたの幸せを。
この先私の代わりになってくれてあなたを愛してくれる人と居て生きて欲しい。

…でも…ちょっと嫉妬はしちゃうわね…あ!!でもそれくらい、良いわよね?
私!あなたが大好きなのは誰にも負けない自信があるわ!!

だから長い間ありがとう。
本当は欲を言うなら出来ればもっとあなたと居たかった…
あなたの下手な嘘を、もっと聞いて、もっと一緒に居たかったわ。

でもねそれ以上に私の大切があるの。
それは私の夢。言っておくけどね結婚じゃ無いのよ?
私の夢は、あなたの幸せを願っていく事。

ーー本当は私が叶えてあげたかった沢山の幸せを

だから今はあなたの”彼女”に”奥さん”に一番近い存在でいれる内に”さよなら”が言える。

正しく言い換えるならーー?

”少しの間、さよなら。私の大好きな。愛しいあなた”

出来ればこれから先のあなたが私以上に幸せな日でありますように…

ーー祈りを込めて、おやすみなさい。
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