鋼鉄の軍神

第1話 さようなら人生

俺、大野 嶺緒。ごく普通の高校生。ゲームが大好きだ！今、目の前にすんごい偉そうにしてるおっさんが立ってる。早く帰ってゲームしたいなぁ～

 「お前には異世界転生してもらう」

は？いやいや、アンタ誰だよ。てかここ何処よ？俺さっきまで新発売のゲームのこと考えながら登校中だったはずなんだけど！そーいや今度の新作、女の子めっちゃ可愛かったなぁ。えへへ、帰ったら徹夜間違いなしだな！

 「おい、聞いているのか？貴様に言っているのだ！あれ？聞いてますかー？おーい」

あっ、ギャルゲーもいいけどFPSも捨て難いな…クソ、体が２つあったらこんなに悩まずいられるのにっ！うーん、どうしたものか…

 「舐められないように偉そうに喋ってたの謝りますから！すっごく悲しくなっちゃうから無視しないでくださーい！」
 「うるせぇな、人が今夜のゲームについて真剣に悩んでんだよ！とやかく言ってるとぶっ飛ばす…って、はっ！いかんいかん、現実逃避してた。で、誰アンタ？ここ何処？」
 「酷い…えー、コホン。大野 嶺緒さん、私は貴方が事故で亡くなりそうになったところこちらの世界に連れてきたいわゆる神様です。ですからここは天国、ということになりますね」
あっ、そーいや俺、ちっちゃい子供助けようとしてトラックに轢かれそうになってたな。
 「なるほど、俺は死んじまったのか…で、ここは天国。そしてアンタは神様。もしかして、俺の死は予定外ってこと？」
 「随分と落ち着いてますね…まぁ大体その通りです。貴方の死は本来五十年後の予定でした。貴方のように想定外の死を迎えた方には、私が作った世界に転生していただく決まりになっています」
ほう、つまりは異世界転生ってことだな？
  「面白いじゃん！どんな世界に転生するんだ？」
　｢はい、嶺緒さんが暮らしていた地球の様には発展しておりませんが、代わりに魔法やスキルがあり、魔族や魔物が存在する世界です。嶺緒さんには、こちらの世界の発展のお手伝いをお願いしたいのです」
「おお、イイじゃんイイじゃんそーゆーの！ちなみに特典みたいなの貰えるんだよな？」
 これは無くてはならないものだ。だってこのまま転生したって平凡なままだもん。当たり前だよなぁ
「勿論あります。ですが転生してからランダムでの取得となります。勿論、他の人間より飛び抜けたものになりますので安心してください。特典に依存してステータス、スキルが決まりますので、そちらもお楽しみに。一般常識、当面の生活に必要なものは揃っていますので、こちらもご安心下さい」
「なら今すぐ送ってくれ！元の世界に未練なんてものはそれほど無い！」
ホントはゲームとかゲームとかゲームとか、色々あるけど異世界転生の方が面白そうだ！
「分かりました。それでは、私が創造した世界へお送りします。嶺緒さんが充実した人生を送れる事を心から祈っています」
自称神様がそう言うと、俺の足元が突然光だし、視界が真っ白になった。これで俺の新しい人生が始まる。
「さようなら、今までの人生。こんにちは、新しい人生！」