writerS

柊彩 藍

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アメリカへ

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 「ボスどうかしましたか?」
 紗希と蒼太はボスの元に来た。
 「おう、二人には大事な話があるんだ。」
 ボスは、二人に頼み事をした。まずひとつは、蒼太がアメリカに行くこと。そして、もうひとつ。蒼太のアメリカ行きに付き添いでボスが向かうため、代理のトップとして紗希にwriterSをまとめて欲しいということだ。少し嫌そうな顔をした二人にボスは言い切った。
 「これは決定事項だから拒否権ないから。」
 「別にいいですけど、何で急に。」
 蒼太は自分がなぜアメリカに行くのかを聞いた。
 「お前の事について研究したいって俺の友人がメールを送ってきてな。そいつが、アメリカで研究してるからアメリカに来いって」
 なんだかんだ、文句を押し退けてボスは、半ば強引に蒼太をアメリカへと連行した。
 
 「ようこそ我が研究施設へ。まあ、研究施設といっても私の家だからねあまりかしこまらなくていいよ。」
 政府が用意してくれたジェットに乗り、数時間空で過ごしたあと降りるとそこは既に研究施設だった。そして、どうも胡散臭いおじさんが招いている。ボスの古い友人らしいが、なんとなくわかる気がすると蒼太は感じた。
 「それより呼んだ理由を教えてくれ。お前の胡散臭い顔が目立たないうちにな。」
 「そんなこと言うなよ。賢司。そういえば君には自己紹介した方がいいかな。私は、冨井海渡。よろしく蒼太君。」
 蒼太は差し出された手を両手で握って握手した。
 「海渡は、胡散臭いけど何かとやるやつだからそこら辺は心配しなくていい。」
 「僕の何を調べるんですか?」
 「そうだな、君が割りと知りたがってる事かな。」
 蒼太は、首をかしげた。それを見た冨井は、蒼太に研究内容と研究動機を告げた。これからの実験には、蒼太自身の体を使ったものが多いため蒼太の了承が不可欠なのだそうだ。研究動機は、この前の防衛戦の時、蒼太がけた違いの力を発揮したことだ。あのときはそれが暴走というかたちで現れてしまったが、その力の出所、スイッチ、その方法が分かればコントロールし正しく使用することが出来ると考えたのだ。そもそもなぜこの事を冨井が知っていたかというとたまたま日本に訪れていた助手から聞いたそうだ。そしてその研究内容は、その力の解明、リミットを知ること、さらにこれは予備の内容ではあるが作られた記録の無いゼロ番目の本である『connectstory』の解明である。それと共に、蒼太の身体のメンテナンスも行っていくらしい。実験は、様々な実験を提示されたがどれも危険性が無さそうなので全て蒼太は承諾した。例をあげると、運動能力測定や、カウンセリング、スキャニングなどである。見た目の胡散臭さとは変わって冨井は、魔術だけでなく科学にも精通していて、2方向からの視点で物事を見れるため多面的な捉え方が出来るから偏りの無い結果を提供すると断言した。こうして、蒼太の冨井による研究が始まった。一日もたたないうちに紗希から、連絡がかかってきた。
 「そっちはどう?」
 テレビ電話に移る紗希の笑顔を見て蒼太は少しホッとする。
 「大丈夫、ちょっと手伝うだけらしいから。」
 「ふ…ふーんそうなんだ」
 さっきまで笑顔だった紗希の顔が少しふくれる。ちょうどその時に、テレビ電話をしている紗希の後ろに大柴が通った。
 「お?蒼太か!なあなあ、聞いてくれよこいつな…」
 「なっ、ちょっと言わなくていいって」
 「蒼太がいってから寂しくて少しの間泣いてたんだぞ。それに今少し怒ってるのだって自分は平気じゃないのに蒼太は平気なんだ~て怒ってるんだと思うぜ」
 「うっさい!」
 ちゃかす大柴の頭は画面上から消えた。紗希によって振り落とされたげんこつによって。ボスがそのあと紗希と業務連絡的なことを済ましてアメリカへ来てからの行動は終わった。明日からは、蒼太は身体の隅々まで研究されその全貌を明らかにするのだ。かなりの不安はあるが今後の自分の為だと腹をくくって寝床についた蒼太であった。
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