writerS

柊彩 藍

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決戦の始まり

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 「これじゃ、圧倒的に不利じゃないか……」
 修は唇を噛み締めた。辺りは建物どころか樹も生えていない草原であった。遮蔽物と呼べるものは強いていうなれば、なだらかな丘のみ。両勢力はお互いの戦力を黙視で確認することが出来るほどだった。
 「これは、流石に不利か。視界がひらけすぎてる。もう少し、見通しを悪くしないとな。」
 加古は、地面をせり上げたり、湖を作るなどして大規模な地形操作を行った。
 「ダメだ。そんなことに魔力を無駄遣いするな!さっきの大型魔法を見ただろ!そんなものすぐに更地に変えられる!」
 「魔法を中途半端に理解してる素人は黙ってな。だいたいあれは本人の魔力じゃない。どんな規格外だろうとあれは人の範疇を越えすぎている。大方あの狼のものだろう。狼は、魔術的に意味のある存在だ。その中の規格外だとするなら納得できる。それで、あいつは力強くでそれを制御した。あと一時間は、あの規模は出せない。今のうちに数を減らすぞ!」
 そして、加古読み通りイリスはかなり消耗していた。
 「………」
 狼は心配そうにイリスに近寄る。
 「心配するでない。たかだか小僧なんぞに心配されても嬉しくないわ。ただしばらくは動けん。小僧のサポートも出来んだろうから決して戦闘は行うな。ワシを回復まで守ることだけを優先しろ」
 狼は、イリスの言うとおりにその場で警戒をしていた。
 一方、writerSの方では科学と魔術の意思の通っていない連合のため混乱が続いていた。
 「どうなっている。ここはどこだ!」
 この状況に理解ので来ていない科学サイドの人員はただうろたえるばかりだった。
 「ボス相手が動き始めました。」
 「出遅れたか。よしお前らは単独で行動しろ。各々が最善と思える行動をとれ!」
 一見投げやりにも、統率がとれていないようにもとれるこの指示は実際には的確な指示だった。その場において一番の下策は、誰も行動できないことにあった。実際、writerSにかんしてもこの状況に困惑しているものが多かっただろう。だからこそそれを行動する事へと向かわせたこの言葉は的確だったと言えよう。さらに言うなればwriterSに連携を指示する必要がなかったのだ。元々が少数精鋭なためお互いの能力はもちろん性格も理解している。指示などしなくても勝手に連携がなされるのだ。
 「私と大柴が道を開く。倉野は、サポートを頼んだ。沖田は最後列で能力を解放しながらただ前に進め。沖田の足を止めさせるな!」
 紗希はいち早く先陣をきり、地形変動が起きているなか突撃していった。
 
 「おい、修魔力が高いやつらが地形無視して突っ込んで来てる何とかしろ。」
 「じゃあ、仲良く行ってきなよ二人とも絶対に離すなよ。」
 
 「みんな気をつけて!前から何か来る。そこの壁を突き破ってくるよ備えて!」
 ガラガラガラ……
 「あれだ。急いで結界を展開しろ!」
 紗希は、即座にアンダーワールドを展開し二機の機械兵を閉じ込めた。
 「優衣、今度こそ…助け………」
 その時紗希は2つの信じがたい事実を突きつけられ言葉を失った。ひとつ目は、優衣がのせられている機械の横にある機械の中に煌輔がのせられているということ。そしてこれこそが二つ目の恐ろしい事実を突きつける。死んだはずの煌輔の身体がそこにあるということが指すことは、当然優衣も既に生命活動を成していない。つまり死んでいるというわけだ。優衣を助け出すことも密かな目標としていた、紗希にとってこれはかなりつらい真実であった。そして、心を揺らがされて気づいていなかったが紗希はある異変に気づく。結界が紗希の支配下にない。紗希は、結界の中において神にも等しい存在であり。何を生成するも、どんな地形にするも、どんな事象を起こすのかも紗希の思い通りであった。しかし、その権限が今紗希に存在していないのだ。
 「気をつけて!何が私の権限を奪った!」
 この事実は、かなり深刻なものであった。実際、トップクラスの戦闘能力を持っている紗希が機能しないのだから戦力差は開いてしまったと言えるだろう。そして、紗希が結界を解くか、魔力切れかでしか解除しないのだから実質閉じ込められてしまったといってもいいだろう。そして、紗希の保有する魔力量からして結界の維持だけで魔力切れは見込めない。
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