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小等部

修学旅行が終わっていたなんて

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 修学旅行が終わった。
 私の楽しみにしていた『修学旅行~in北海道~』が、終わっていた。
 てか、私はなんでそんなに眠っていたんだ!私の3大欲求の一つ!『睡眠欲』は、どんだけ強いんじゃい!
「‥‥‥私は家に返してもらえるの?」
 とにかく、どうして3日も眠っていたかは置いとくとして、今は目の前の問題だ。
 それは、ここから家に返してもらえるかという問題だ。
「あ、ああ。それなんだが、返すことは出来ない」
 ‥‥‥この優雅って人は、どうやら天に召すことを望んでおられるようだ♪
「いや、理由もなく返せないって言ってるんじゃなくぞ!このまま返すと、お前がこの事をバラしそうだから、返せないんだ!」
 私の怒こった雰囲気に気がついたみたいで、優雅はすごい勢いで、私を返すことが出来ない理由を説明してきた。
 その説明を聞いて、私は納得した。
 確かに、私が帰った瞬間にバラす可能性はある。てか、確実にバラすと思う。
 だから、優雅した判断は、いい判断だ。何も言えない。
「‥‥分かったわ。なら、この部屋にいてあげることにしてあげなくもないわ」
「ほ、本当か!」
 おい、こいつ今、私の『大人しく』の所に反応したぞ。
「ただし!条件があるわ」
 私は優雅に条件を出すことにした。
 私の条件‥‥そう‥‥それは!
「1、私に家族に向けて手紙を出させて。2、アニメやマンガが読みたい。以上よ」
 私が『条件がある』と言った時に、優雅は身構えていたが、条件を聞いた瞬間に、口を開いてアホな顔を始めた。
 うん。前世も合わせて、初めて『アホ』って言葉が似合う顔を見た。
「‥‥わ、分かった。その条件を受け入れよう。だが、家族へ出す手紙は、俺が見ている前で書いてもらう!それと、その手紙は一度読ませてもらうからな!」
 うん。だろうと思った。
 ただじゃ手紙を出させてくれないよね。
 ま、それは別にいいから、優雅が言った事は、「OK」っと言った。

 優雅が出ていってから、またふかふかベッドに身を投げた。
 まだ、優雅に対する修学旅行の怒りは収まっていない。
 が、ここは大人しくしておいた方がいいだろう。
「‥‥あーあ。早くひかり将弥しょうやに会いたいな~」
 私は今ここにいない、ゲームの主人公であり、私の今世の妹と弟に、思いを馳せながら、ふかふかベッドのせいで出てきた睡魔に、意識を手渡した。
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