ギャルゲーと乙女ゲーの双子主人公の姉として、転生しました!

レラン

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中等部

将弥の相手

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「はぁー」
 何度目かわからないため息。
 今いるのは家の自室のため、注意してくる人がいない分、いくらでもため息がつける。
 修学旅行は終わり、あの後全員のお土産を貰うことで納得してもらった後、私は本気で気を抜いていたらしい。
「ギャルゲーがー」
 『』それは、弟である将弥が主人公であるゲームのジャンルだ。
 振り返ると、これまで出会ってきた攻略対象は男ばかり。輝の攻略対象は、今の所六人。それに対して、将弥の攻略対象は、今の所三人。明らかに将弥の攻略対象の数が少ない。
「なんで気づかなかったかな~このバカバカバカ!」
 ふかふかのベッドにうつ伏せになり、手足をバタバタさせると、最初よりは気分が落ち着いてくる。
「‥‥‥まぁ、まずは整理だよね」
 私は起き上がると考え始める。

福澤ふくざわ 梨花りか】女 攻略対象
 黒髪黒目。
 背中はんばまで伸びた髪と黒い瞳。
 肌は健康的な色。
 将弥の[ツンデレ枠]の攻略対象。
 歳は双子と同い年。
 弓道の名門家に産まれた。輝ととても仲のいい友達らしいが、会った瞬間に睨まれてしまった。
 将弥とは気の合う友達感覚であり、見方によっては男友達との接し方にも見える。


琴原ことはら 美優みゆ】女 攻略対象兼情報屋
 青髪蒼目。
 軽くウェーブした髪は肩少し下まで伸びていて、ご飯を食べる時はひとつに結んでいる。
 肌は白い方だが健康的な色ではある。
 輝の方で[情報友人枠]。
 将弥の方では[清楚枠]の攻略対象。
 双子と同い年。
 華道の名門家に産まれた。とても温厚な性格で、一緒にいるとホワホワとした感覚になることがある。
 双子の事をとても心配しており可愛がってもいるが、蘭夜は彼女が自分に対してどこか警戒心を持っているのを感じる。


小坂こさか 茉美まみ】女 攻略対象
 赤茶髪赤目。
 短髪で、前髪は邪魔にならないように上にあげてピンで止めている。
 肌は日焼けで黒くなっているが、服で隠れる部分は白い。
 輝の方では出てこなかったが、今は良き友達関係を築いている。
 将弥の方では[元気っ子枠]である攻略対象。
 双子と同い年。
 運動が得意な女の子で、陸上の特待生として学校に来た。本音としては、双子がこっちの学校に来るからついてくるという感じだ。
 頭についているピンは将弥から貰ったものらしく、将弥の前ではどこかいつもよりしおらしい。

「‥‥‥この三人が今輝と将弥と一緒にいるんでしょ?もうなんなのよ~」
 今回私がこの三人を思い出したのは、輝がこの三人を友達として家に招いたからだ。
 どうやら前からお泊まり会の話をしていたらしく、今日はその日らしい。
「[コンコン]?誰かな」
 どうするか考えていると、扉を叩く音がした。
 私はベッドから降りて身だしなみを簡単に整えてから扉を開く。
「はい‥‥あら?あなたは」
「どうも。輝の友達の福澤 梨花です。こんばんわ」
「梨花さんね?こんばんわ。いつも妹がお世話になってるわね」
 福澤 梨花。今日輝が連れていきた友達であり将弥の攻略対象の子だ。
 私はハッキリ言ってこの子に苦手意識を持っている。理由としては、初対面にもかかわらず睨んでくるからだ。
「(今も睨んできてるし‥‥私なにかしたっけ)あの‥‥‥立ち話もなんですし、どうぞお入りになってちょうだい?」
「‥‥失礼します」
 自己紹介が終わり何も話すことが出来ず、出入口で立ったままだったのが辛くなってきたので部屋の中に招待してみた。
 わざわざ睨む程嫌っている相手の部屋に来るのだ。何かしらの理由があって来ているに決まっている。だが、その理由がイマイチ分からない。
「どうぞ。あまりおもてなし出来るものがなくて申し訳ありません」
「急に来たのはこちらです。お気遣いありがとうございます」
 端的だが失礼のない挨拶は、普段会話の裏を推測しながら生活しなければならないいつもの生活を思うと、どこをどう解釈すればいいのか全然わからない。
「‥‥‥学校では輝がお世話になっております」
「っ‥いえ。お世話になっているのは私の方です」
 一瞬眉をひそめた梨花だったが、すぐに表情を戻してお茶を飲んだ。
「あら?美味しい」
「え‥‥本当ですか!?」
「!‥え、えぇ」
 思わず出てしまったという小さな声だったが、私はそれに過剰とも言える反応をしてしまった。
 すぐに気がつき慌てて座ったが、梨花は私をキョトンとした目で見てくる。だが、次の瞬間どこか嬉しそうな顔で私を見た。
「まさかこのお茶に何か入っているのですか!?」
「い、いえ。入っていません」
「ではカップに何か塗っているのですか!?」
「いえ。塗っていません」
「では何故!」
「そ、それは‥‥‥」
 先程までとの変わりように驚きどうするか悩む。
「ハッキリ仰って!このお茶に何をしたのですか!」
「‥‥‥実は」
「実は?」
「‥‥‥‥‥そのお茶は‥‥私が入れたんです!」
「‥‥‥は?」
 自分で入れたお茶を自分で飲むことはこれまでもあったが、人に飲んでもらったことは無かったのだ。だからさっきはそれを美味しいと言って貰えて、それがとても嬉しくて舞い上がってしまったのだ。
 私の答えを聞いた梨花は、またポカーンとした顔のまま固まってしまった。
「あの福澤さん?大丈夫?」
「ふ‥‥ふざけないでください!」
「へ!?」
 プルプルと震え出した梨花が心配になり声をかけると、私は怒鳴られてしまった。
 声をかけたことがダメだったのだろうか。もしかして、梨花は落ち込んでいる時は一人になりたい人だったのかもしれない。
 色々な考えが一瞬で頭に浮かんでは消えていく。だが、案外本当の答えは本人から聞けたりするものだ。
「貴方はなんなんですか!輝が自慢するから!私達の中の誰かを話すのではなく!お姉さんの話ばかりするから!私はどんな方か見極めようかと思って!輝にふさわしいかと────」
「────ちょ、ちょっと待って!」
「なんですか?」
 言葉を遮られた事に不機嫌そうな梨花。でも、この言葉をつたえるのが今私ができる事だ。
「そ、それって‥‥‥私が聞いてもいいものなのかしら‥‥?」
 私が梨花の言葉を遮ってまで伝えた言葉はどうやら効果は抜群なようで、梨花は顔色を悪くして慌てだした。
「ち、ちが‥今のは」
「ふふふ。そんなに顔を青くしなくてもいいんですよ?別に怒ろうとか輝達に伝えようとか思ってませんから」
「ぁ」
 どこかホッとしたような声と共に肩の力が抜けた梨花は、立ち上がったままの状態からストンと椅子に座った。
「今日はもう遅いですし、福澤さんは疲れているでしょう?部屋まで送ります」
「あ、いえ。大丈夫です」
「そう仰らないでください。この家は作りが複雑なところがあるので、迷ったら大変です」
 かく言う私も昔何度か迷ったことがある。
 食堂だと思って部屋の扉を開けたら風呂だったり、父さんの部屋だと思って開けたら執事の部屋だったり。あの時は恥ずかしかった。執事に抱っこされて父さんの執務室まで行ったのだ。
「さぁ。行きましょう」
「‥‥‥」
「私は貴方より年上なのよ?少しは頼って?」
「‥‥‥‥はい」
「部屋は輝の部屋でいいのよね?」
「はい。輝の部屋です」
 輝の部屋に着くまでの廊下で、私とりかの間に会話がなかったのは言うまでもないだろう。
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