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さくら、美由紀ともうひとり、いつも僕が一緒にいる友人である板倉という男と共に、大学の食堂へと足を運ぶ。
時刻は12時。ちょうど昼時だ。食堂は学生で溢れかえり、空席などひとつもなかった。
「混んでんな。外で食わね?」
「そうね。それしかなーし!」
板倉が外食を提案すると、皆、口々に賛成した。そんな中、僕は1人、誘いを断って1人帰宅することにした。
当たり前の選択である。外食に行ったら少なくとも700円は飛ぶ。それを10回くり返せば7000円。
7000円もあれば、今、目の前にいるさくらという美女に体をなぶらせることも出来るのだ。
僕は、徹底的な守銭奴になることを誓った。
「俺は帰るわ。金無いし。じゃあね!」
みんなは納得した様子だったが、僕が仲間の輪から離れていく途中、ふと背後に視線を感じ、振り返る。
さくらが、去っていく僕の後ろ姿を恨めしそうな顔で見つめていたのだ。
僕は口パクで「梅子さん」と言い、再び前を向いた。その時のさくらの悔しそうな顔を、今でも思い出す度に身体が熱くなる。
時刻は12時。ちょうど昼時だ。食堂は学生で溢れかえり、空席などひとつもなかった。
「混んでんな。外で食わね?」
「そうね。それしかなーし!」
板倉が外食を提案すると、皆、口々に賛成した。そんな中、僕は1人、誘いを断って1人帰宅することにした。
当たり前の選択である。外食に行ったら少なくとも700円は飛ぶ。それを10回くり返せば7000円。
7000円もあれば、今、目の前にいるさくらという美女に体をなぶらせることも出来るのだ。
僕は、徹底的な守銭奴になることを誓った。
「俺は帰るわ。金無いし。じゃあね!」
みんなは納得した様子だったが、僕が仲間の輪から離れていく途中、ふと背後に視線を感じ、振り返る。
さくらが、去っていく僕の後ろ姿を恨めしそうな顔で見つめていたのだ。
僕は口パクで「梅子さん」と言い、再び前を向いた。その時のさくらの悔しそうな顔を、今でも思い出す度に身体が熱くなる。
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