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射抜かれた恋
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「やった…やったぞ…!」
そうつぶやき、ハッとなって周りを見回す僕を取り残した放課後の教室。なぜこんなに興奮しているかというと1年の頃からずっと想いを寄せていた弓道部の女の子に、ついに遊びに誘うことができた!ふたりきりって言ったし、これはデートと言っても過言じゃない!いや、デートだ!!
そう考えながらガッツポーズをしているとチャイムがなった。今日は4時間だけだったし、5時間目の予定のチャイムがなったのだろう。それで俺は誰にも見つからないようにそそくさと帰っていった。
家についた俺はすっかり腹が減っていた。冷蔵庫を開けてなにかないかなと探す。いつも通りの日常。だが、明日から違う。明日はデートの日!このせいで俺のハートはバクバクだ。今日はめでたい。そうだ、これを食べよう。そう取り出したのは昨日買った海鮮丼だ。昨日はバイトで遅くなって帰ってきて疲れが溜まっていたのですぐ寝て、食べるチャンスを逃していた。俺は中学に上がってから両親と他界した。祖父母は小学のときになくなった。今は遠く離れた親族しかいないので、一人で生活している。これを考えると少し寂しい気持ちになるのだが、明日のことで胸いっぱいになり、そんなものを感じるほど心の余裕がなかった。
風呂から出て寝る。いつもならすぐ寝られるのだが、どうにも寝られなかった。結局3時間しか寝れなかった。
そう!今日がその日、デート!
時間が6時になったのをチェックし、布団から飛び出す。いつかのときに備えておいたおしゃれな服に身を包み、レトルト食品を食べ、爆速で歯磨きをする。予定は8時、今はちょうど7時余裕を持って間に合いそうだ。場所は少し離れた公園。チャリで行くのは少し恥ずかしかったので徒歩で行く。この調子なら電車が良さそうだ。今日はやけに通勤の人がいないのですぐ乗れて、何事もなく目的地についた。まだ30分前だってのにその人はいた。
「おはよう、早いね。」
そう言われて僕はドキッとした。
いけない。こんなことでドキドキしていたらこの先思いやられる。この公園はそれぞれの想いが叶うと評判の公園で、カップルの人はもちろん、家族で来る人も多い。
更にここには近くに大規模なショッピングモールがあり、子供にも人気だ。人気すぎて、規制が入るくらいだ。
やっぱり人が多いので、ここの有名なとこだけ行こうと思った。それは願うと幸運と願いを叶えるパワーを与えるというパワースポットである池である。その歴史は古いらしく、一般人の僕でもオーラを感じ取ることができる。それだけご利益があるのだろう。僕たちはその池で一緒にお祈りした。
僕はこの思い出が一生二人の記憶に残りますようにと祈った。 僕は彼女にどんなことを祈ったのか聞いたが、秘密で通されてしまった。
多かった人混みが更に増えたので僕たちは早めに切り上げてきた。
ショッピングモールでは、色々買ったりした。もちろん彼女にも少し買ってあげた。嬉しそうだったのでこっちも嬉しくなった。あたりが暗くなってきて、人混みが少なくなったのを見て、僕たちは公園に戻った。しばらく話しているうちに、公園に残っているのは僕たちだけになった。話の話題が切れてきて、沈黙が続いた。僕が彼女の顔を見ると顔を赤らめていた。それを見た僕も顔を赤らめた。しばらくして彼女が口を開いた。
「あのね。」
僕が彼女の方に顔を向ける。
彼女がガサゴソとバッグからなにか大きいものを取り出す。
次の瞬間、僕の胸は彼女に射抜かれた。衝撃で僕は後ろに倒れた。彼女の方へ目をやると赤くなった顔でこちらを向いていた。彼女が少しニコっとすると
「ありがとう。」
といった。
僕の意識は今にも飛びそうだ。裏返りそうな声で僕は喉を振り絞って言った。
「何……で………?」
それが聞こえたのかわからないが、彼女は優しい瞳でこっちを見た。その笑顔を見た途端、僕の意識は無くなった。彼女は僕の方にきて、胸の真ん中、ちょうど心臓を貫いた矢を引き抜いた。彼女の顔は可愛らしく、またおぞましいような雰囲気をかもし出していた。彼女の顔は僕の血で赤く、紅く染まっていた。
僕の記憶には彼女が最後に見せたあの表情がこびり付いていた。
また、彼女もきっとこの出来事を忘れはしないだろう。
彼女が池で願ったことはわからないが、きっと願いがかなったことに違いない。
あの池はたしかにふたりの願いを叶えた。
良くも悪くも。
そうつぶやき、ハッとなって周りを見回す僕を取り残した放課後の教室。なぜこんなに興奮しているかというと1年の頃からずっと想いを寄せていた弓道部の女の子に、ついに遊びに誘うことができた!ふたりきりって言ったし、これはデートと言っても過言じゃない!いや、デートだ!!
そう考えながらガッツポーズをしているとチャイムがなった。今日は4時間だけだったし、5時間目の予定のチャイムがなったのだろう。それで俺は誰にも見つからないようにそそくさと帰っていった。
家についた俺はすっかり腹が減っていた。冷蔵庫を開けてなにかないかなと探す。いつも通りの日常。だが、明日から違う。明日はデートの日!このせいで俺のハートはバクバクだ。今日はめでたい。そうだ、これを食べよう。そう取り出したのは昨日買った海鮮丼だ。昨日はバイトで遅くなって帰ってきて疲れが溜まっていたのですぐ寝て、食べるチャンスを逃していた。俺は中学に上がってから両親と他界した。祖父母は小学のときになくなった。今は遠く離れた親族しかいないので、一人で生活している。これを考えると少し寂しい気持ちになるのだが、明日のことで胸いっぱいになり、そんなものを感じるほど心の余裕がなかった。
風呂から出て寝る。いつもならすぐ寝られるのだが、どうにも寝られなかった。結局3時間しか寝れなかった。
そう!今日がその日、デート!
時間が6時になったのをチェックし、布団から飛び出す。いつかのときに備えておいたおしゃれな服に身を包み、レトルト食品を食べ、爆速で歯磨きをする。予定は8時、今はちょうど7時余裕を持って間に合いそうだ。場所は少し離れた公園。チャリで行くのは少し恥ずかしかったので徒歩で行く。この調子なら電車が良さそうだ。今日はやけに通勤の人がいないのですぐ乗れて、何事もなく目的地についた。まだ30分前だってのにその人はいた。
「おはよう、早いね。」
そう言われて僕はドキッとした。
いけない。こんなことでドキドキしていたらこの先思いやられる。この公園はそれぞれの想いが叶うと評判の公園で、カップルの人はもちろん、家族で来る人も多い。
更にここには近くに大規模なショッピングモールがあり、子供にも人気だ。人気すぎて、規制が入るくらいだ。
やっぱり人が多いので、ここの有名なとこだけ行こうと思った。それは願うと幸運と願いを叶えるパワーを与えるというパワースポットである池である。その歴史は古いらしく、一般人の僕でもオーラを感じ取ることができる。それだけご利益があるのだろう。僕たちはその池で一緒にお祈りした。
僕はこの思い出が一生二人の記憶に残りますようにと祈った。 僕は彼女にどんなことを祈ったのか聞いたが、秘密で通されてしまった。
多かった人混みが更に増えたので僕たちは早めに切り上げてきた。
ショッピングモールでは、色々買ったりした。もちろん彼女にも少し買ってあげた。嬉しそうだったのでこっちも嬉しくなった。あたりが暗くなってきて、人混みが少なくなったのを見て、僕たちは公園に戻った。しばらく話しているうちに、公園に残っているのは僕たちだけになった。話の話題が切れてきて、沈黙が続いた。僕が彼女の顔を見ると顔を赤らめていた。それを見た僕も顔を赤らめた。しばらくして彼女が口を開いた。
「あのね。」
僕が彼女の方に顔を向ける。
彼女がガサゴソとバッグからなにか大きいものを取り出す。
次の瞬間、僕の胸は彼女に射抜かれた。衝撃で僕は後ろに倒れた。彼女の方へ目をやると赤くなった顔でこちらを向いていた。彼女が少しニコっとすると
「ありがとう。」
といった。
僕の意識は今にも飛びそうだ。裏返りそうな声で僕は喉を振り絞って言った。
「何……で………?」
それが聞こえたのかわからないが、彼女は優しい瞳でこっちを見た。その笑顔を見た途端、僕の意識は無くなった。彼女は僕の方にきて、胸の真ん中、ちょうど心臓を貫いた矢を引き抜いた。彼女の顔は可愛らしく、またおぞましいような雰囲気をかもし出していた。彼女の顔は僕の血で赤く、紅く染まっていた。
僕の記憶には彼女が最後に見せたあの表情がこびり付いていた。
また、彼女もきっとこの出来事を忘れはしないだろう。
彼女が池で願ったことはわからないが、きっと願いがかなったことに違いない。
あの池はたしかにふたりの願いを叶えた。
良くも悪くも。
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