霊になった私は恋をする

闇猫古蝶

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デート

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「レイ」

「ん?」

なんか名前呼ばれるの何気に初めてな気がする…

「サクラがレイと話したいって。サクラ、霊感あるらしいんだ」

「そうなの!?話したい!あ、だからトオルも私がみえるのかも…?霊感うつった?」

「…うつるもんなのか?」

サクラちゃんや幽霊について話しているうちにすぐ水族館についてしまった。

「何みたい?」

「ペンギンに、アザラシに…あ、イルカ!」 

「はいはい」

「まるで保護者だね」

「まあな」

トオルは私がみたいといったものを館内マップをみながらうまく移動してみせてくれた。

おかげでお昼前にペンギン、アザラシをみれてお昼ご飯のあとやるイルカのショーをみれることになった(トオルすごい…)。

お昼ご飯にトオルは彼女特製弁当を食べていた。

なんだか複雑である。

「…」

じーっ

「…俺が食べてんのみてて面白い?つまんなくない?」

「ううん、そんなことないよ」

「ならいいんだけど」

サクラちゃんって料理もできちゃうんだ、すごいな…

あ、唐揚げ美味しそう。

料理下手な私がつくったお弁当でも、もし私が彼女ならトオルは食べてくれたのかな…?もし私が生きてたら…

って、なに考えてるんだろう。

作戦に感情移入しすぎたのかな…?

「レイー?レイ!」

「え、あ、ごめん。なに?」

「食べ終わったから行くぞ」

「うんっ!」

私が一人考え込んでいる間にどうやらトオルは食べ終わっていたみたいだ。

さすが男子。

「イルカだーっ!」

「はしゃぐなよ」

私達はイルカのショーを最前列でみることができた。

おかげでビショビショなわけだが。

「冷たいけどイルカ可愛かったねー!」

「そうだな!あ、ちょっと先でててくれ。土産コーナーみてくる」

「うん」

サクラちゃんにお土産買うのかな…気になる…(でも言われた通りにちゃんと水族館をでて待つ)

「よし、帰るか」

「うん…」

腕時計をみるがまだ三時。もう、お別れか…最近トオルと別れるのが辛くなっている自分がいた。

そして、家についてしまった。

「じゃあまたね」

「えっ!?」

ここで別れるんじゃないの…?

「え?」

「反省会、しないのか?」

「するっ!」

自分でもばかだと思う。もう少しいられる。それだけでこんなに嬉しくなるなんて。

こんなに、ドキドキしているなんて…




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