霊になった私は恋をする

闇猫古蝶

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対面

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朝九時。目が覚めると

『今日家行っていい?サクラと』

そうトオルからLINEがきていたので

『いいよ。じゃあ一時ごろ』

とだけ返信して二度寝をした。

…それが三時間前の出来事だった。

「やばい寝坊したぁぁ!」

急いで着替えて部屋を片付ける。

なんとかまにあったみたい…

私が安堵の溜息を漏らしていると

ピンポーン

約束の時間のようだ。

ドアを開けるといつものように私服のトオルと、初めて見る私服のサクラちゃんがいた。

「こんにちは、早乙女さん」

「こ、こんにちは…えと、サクラちゃん」

「とりあえずはいるぞー?」

「どーぞ」

今日もリビングに向かう、のかと思ったがサクラちゃんが

「早乙女さんの部屋で話したいな」

というので私の部屋で話すことになった。

お茶を二人に出して、小さなテーブルの周りにすわる。

もちろんトオルはサクラちゃんの隣、私はその向かいに座る。二人が並ぶと本当お似合いだなと思う…。

「早乙女さん、はどう?トオル君のこと、好きになりそう?」

ふふ、と笑いながら聞いてくるサクラちゃんは可愛かったが…なんと答えればいいんだろうか…いまの私は…

「おいサクラやめろよ」 

「ふふ、ごめんなさい」

「ったく…」

あー、本当にお似合い…ラブラブって感じ。

なんだかもやっとする。

「レイ、なんかおとなしいな?」

「そんなことないけど」

「ふうん…」

私とトオルが話しているとサクラちゃんはベッドの上に置いてあるペンギンのぬいぐるみをみた。

「これ、トオル君があげたんだよね?ふふ、可愛い。」

「そう、だけど。トオルから聞いたの?」

「ええ」

私としたこととか話したことなんかはサクラちゃん全部把握してそうだな、なんか。

「早乙女さん、二人きりで話さない?」

「「えっ?」」

私だけでなくトオルも驚いている。

「ガールズトークってやつ!ね、いい?」

上目遣いとは…なかなか可愛い。

ってそうじゃない。

「うん、いいよ。トオルはリビングにいて」

「はいはーい」

トオルがリビングへ向かったのを確認すると、少し声の大きさを落としたサクラちゃんがウィンクをした。

「じゃあいまから話すことはお互いに秘密、ね?」
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