転生もの主人公ではなく悪女側室だったのでオタクは世界一の黒幕と結婚します

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三章・推しとの境界線

16・推し以外のダンスの誘いを受けてしまいました

 三日後の夜の二十時頃、王都の南街にあるロブリティス家が経営しているサロンに仮面パーティーとしてタキシードやドレスを身にまとい仮面を着けた人々が招待状を手に入って行った。

「招待状をお見せ下さい」

「はい」

 出入口にて、招待状を確認する黒服の男の言葉に長い黒髪を銀の丸型のバレッタで下の方でまとめお団子にし横髪を垂らし大胆にも背中が見え腰の背後には大きなリボンとフリルのスカートの左部分が太腿が見えるくらい開けられた黒のドレスと側面にブラックダイヤモンドが散りばめられた黒のハイヒールを履き銀の薔薇のピアスに黒と赤の指輪二つを中指に着け黒い仮面を着けたスカーレットの瞳をした私は手に持っていた黒い蝶の朱印が押された招待状を差し出した。

「確かに、拝受致しました。お進み下さい」

ふぅ…良かった

 通常、招待された者のみが持っているロブリティス伯爵とロブリティス小伯爵からの招待状はシュリアとマリンが密かにノアが偽装して作った招待状を似せて作り持たせてくれた物だった。

ガチャ…カッ…カッ…カッ…カッ…

うっ…視線が凄い…‥

 促されるがまま中に入ると黒の床に金の装飾が散りばめられた会場内に居た仮面を着けた招待客達から視線を浴び内心逃げ腰になる。

 指輪で髪と瞳を変えて入る前に食べた飴玉で声も変えたからミリアって分かる筈はないのに何でこんなに見られてるんだろう…?

 一方、会場内に居る招待客達は新たに入って来た露出度高めの黒のドレスを着た謎のレディに釘付けになっていた。

「あのレディ、凄く綺麗だな…」

「ああ、一人で来たみたいだが声を掛けてみようかな…」

「ねぇ、見て。あの人、凄く大胆なドレスなのにミステリアスな雰囲気で凄く綺麗だわ」

「そうね、つい見惚れちゃう…」

 そんな招待客達の声を知らず当の本人は周りの視線に内心萎縮していた。

 どうしよう…引き返して逃げたいんだけど…

『…大丈夫?ミリアさん』

っ‥!?

 銀の薔薇のピアスを通して聞こえたシュリアの声に萎縮していた気持ちを払い周りを見渡す。

『ミリア様、周りの招待客達は気にせずロブリティス伯爵とロブリティス小伯爵をお探し下さい』

 マリンの声に視線を巡らせると五、六人の男性達と話をするオリーブ色の髪に黒い瞳を持ち白のシャツにクリーム色のウエストコートをしトマトレッドのアスコットタイとアクアグリーンのズボンに赤の刺繍が入ったアクアグリーンのタキシードを着たサックスブルーの仮面を着けた男に目が止まり眉を寄せる。

 あれかな…?仮面を着けてるから確証はないけど、皇室のパーティーでアイリスに迫っていた人物と背丈や体格と髪や瞳の色が同じだし…

…タッ…タッ…

 目を細め凝視しながらな頭を悩ませているとこちらに向かって来る足音に気づき振り向く。

‥カッ…

「初めまして、素敵なレディ」

「…?」

 振り向くなり焦げ茶色の髪に白の仮面を着けた男性にそう言われ首を傾げる。

「宜しければ、これから始まるダンスを一緒に踊って頂けますか?」

「え…」

タッタッタッ…

「僕と一緒に踊って下さいませ!」

「いや、俺と一緒にどうですか?」

 突然、横から入って来たネイビーブルーの髪にクリームイエローの仮面を着けた男と黒髪に藍色の仮面を着けた男に驚き戸惑う。

「えっと…」

ダンスはノアとしか踊りたくないのに!

…タッ…タッ…

「失礼、私もダンスの申し込みをしても宜しいでしょうか?」

「え…」

また増えた!?

 茶髪の髪にベビーブルーの瞳を持ち白のシャツにエンパイアブルーのウエストコートに焦げ茶色のアスコットタイをしスチールグレイのタキシードにズボンを履き紫色の仮面を着けた痩せ型の地味な男が追加され更に頭が混乱する。

 どうしようっ!?四人に誘われるだなんて予想外過ぎてどうしていいか分かんないっ!取り敢えず、断る?でも、パートナーいないから断る理由がないし…

 混乱しながらも内心で自問自答をしているとふと、最後に入って来た男と目が合った。

 この人…痩せ型で地味な感じだけど所作は凄く綺麗だったなぁ…って、そんな事考えてる場合じゃないっ!ダンス…ダンス…ああ!もうっ!どうにでもなれっ!

スッ…

「ありがとうございます」

ギュッ…

「っ…」

 堪らず手を差し出した相手は最後に入って来た紫色の仮面をした男だった。男は僅かに口角を上げお礼の言葉を述べると差し出した手を握りその甲にそっと唇を寄せた。

…チュッ‥

「…っ」

 綺麗で柔らかなその動作に目を奪われキスを落とされるなり息を呑むとそのタイミングで会場内に音楽が流れ始めた。

「では、踊りましょうか?黒い仮面の素敵なレディ」

「…はい」

 一方、会場外から通信のアーティファクトを通してサポートをしていたシュリアとマリンは予想外のトラブルに慌てていた。

「あれ!?全然通らない!?あー!もしもーし!ミリアさん?」

「シュリアさん、まさか完成前のアーティファクトだったとかじゃないですよね?」

 路地裏にて、黒のローブを羽織ったマリンは同じ装いのシュリアに眉を寄せ問いかけた。

「えっと…実は、そうなのよね」

「…‥」

 苦笑いを浮かべながら頷いたシュリアにマリンは心底呆れた視線を向けたのだった。





















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