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カフェ店員のつぶやき
しおりを挟むカフェ店員視点
オフィス街にある大通りに面した私の勤めるこのカフェはランチ時、戦場となる。
どうも、こんにちは。人使いの荒い店長にこき使われる副店長27才女子、お肌と体力の限界を感じるこの頃です。
今日もランチはありがたくも席はほぼうまり、調理場にいる私は次々に大量のオーダーをさばいていく。人気のロコモコは、ジューシーな肉汁が滴り、半熟玉子のとろりとしたハーモニーは、やみつきになり常連さんも多い。だから、多めに仕込みをするものの、ランチタイムの途中で売り切れてしまう。ディナータイム用の一回り大きなハンバーグの仕込みもするので、これ以上の数は私や他の調理スタッフの手がパンパンと空気抜きをするハンバーグの成形に耐えられない為出来ないのが残念なところ。
さて、そんな当店にイケメンと美女がやってきた。今、席がないなーと思っていると、ホールスタッフがカウンターを案内した。
ちょっと!カウンターはディナータイムだけって言ってるのに!ランチタイムは戦場と化す調理場前のカウンターはお客様にはガチャガチャと煩いし、スタッフが右往左往するから案内はしないよう教育しているが、イケメンに弱いホールスタッフが案内してしまった。全く、イケメンに微笑まれてそんなに赤くなっちゃって。
ロコモコを5人分一気にさばきなから、カウンターに座るイケメンと美女を見ると、見覚えがある。イケメンは毎朝出社前にコーヒーを飲みに来る常連さんで、ランチもやたらキラキラとした今時男子とたまに来てたと気づく。しかし、女連れは初めてだ。ふーん、なんて思っていると、やたら香水くさく髪の毛をツーブロックに刈り上げ、前髪にパーマをかけた男子がカウンターに座るイケメンに絡んできた。絡んできてるツーブロック男子は、オシャレしてるが残念臭が漂う。しかも、そこにいるとスタッフの邪魔だから早くどいて欲しい。
ランチタイムなのに、パイアラモードを頼んできたオーダーにイライラしながら、会話のなり行きにもイライラした。ツーブロック男子はイヤミ野郎だから。こんなやつ合コンにいたら、速攻帰ってやる。
しかし、イケメンはさらっとツーブロック男子を撃退し、美女はなんだか真っ赤になっている。
私は気がつきたくないイケメンの手の行き先に予想がついた。
昼間っから何してくれちゃってんだよ!うちは清く正しいカフェだぞ。
う、羨ましいなんて1ミリも思ってないからね。
そんななんとも言えない気分で、デザートのプリンの仕上げをしていたら、やたら生クリームの量がてんこ盛りになった。力入り過ぎた。。。どうしよう。後で私食べようかな。
そんな事を考えていると、イケメンの苦労話が。。。
イケメン、頑張れ!さっきのは見なかった事にしてやろうかな。
そんな事を考えてると、美女がまさかの告白タイムに!
びっくりして目の前の二人を凝視してしまう。
美女はキリッとした目元を八の字に下げ、なんだか可愛らしくあたふたし、イケメンも一瞬停止したものの、やはり顔を赤くしている。
なんなんだよ!リア充かよ!甘いな~!そう心の中で叫びつつイケメンの顔を見ると、目が、、、。
狼になっていた。
そこのお姉さん、悶えてる場合じゃないよ。パクリといかれそうだよ。、、、
あ、でも好きならいいのか?
イケメンは狼を綺麗に隠した麗しいスマイルで、告白を返していた。
あ、甘い。胸焼けする。今日は私、和食がいいな。。
でも、苦労してるイケメンは常連だし、ちょっとサービスしてやろう。
優しい私は、美女には先程生クリームてんこ盛りのプリンとイケメンにはロコモコの玉子を二つ。玉子、体にいいらしいよ。まあ、頑張れ。色々。
そうして、やっと休憩に入った私はコンビニに納豆巻きを買いに行った。
休憩を終え、フロアに入ると、
「あー。間に合わなかったかー。」の声。
テーブル席には先ほどのイケメンの連れであるキラキラ今時男子が。その横には、小綺麗な上司と思われる年配男性。現在、14:20 14時までがランチタイムなので、どうやらキラキラ君はランチに間に合わなかったようだ。
「ロコモコ食べたかったから、取引先から急いで戻ってきたのに!」じゃあ、サンドイッチかなぁーなんて残念そうな声が聞こえる。
全くしょうがないなー。あの子も常連さんだもんな。しかも、ロコモコ食べたくて急いで来たのか。
「お客様、ディナー用のひとまわり大きめなハンバーグならご用意できます。代金は、ディナーのアラカルト代金でランチセットをお出しできますが、いかがですか?」と声をかける。
ランチより300円プラスだが、飲み物セットがつくからお得だろう。
「いいんですか!超嬉しいです!」キラキラ男子はニコニコした。
つられて私もニコニコすると、
「君、商売上手だね。」隣に座る上司らしき男性が人好きする笑顔で話しかけてきた。
なんだろう、この人を検分するような視線は。。笑顔なのに寒気を感じる。
とりあえず、キラキラ男子に大きめのロコモコを作り、サーブすると、かぶりつく様に食べ出した。
うん、うん、いっぱい食べて、大きくおなり。。。もうだいぶ大きいか?そんな事を思っていると、
「君、彼氏いるの?」キラキラ男子の上司が聞く。
「。。いえ、いませんが。。」嘘をつくのもなんなので正直に言うと
「こんなに綺麗で、優しいし、料理上手なのにもったいないっす!」
もぐもぐしながらキラキラ男子が言う。なんか、忠犬っぽいね。餌付けしたくなる。
「近々、君いい事あるかもね。」キラキラ男子の上司はニヤリと笑った。
占い師かなんかですか?
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