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第6章 東の果てのイシュタル
第144話:女神同盟の成立
真なる世界──そこは神と魔と精霊が息づく世界。
地球に伝わる数々の神話の源泉はここにあり、多くの神々がこの世界で暮らしていたらしい。神霊、魔神、悪魔、魔王、精霊、妖精、妖魔……。
強力な力を持っていたのは──神族と魔族。
彼らは聖神にして邪神であり、魔神にして悪魔のようなもの。
人間がこだわりそうな正邪の区別はあまりなく、単なる属性として神族と魔族に別れていたように思われる。他の種族を虐げることになんの感慨も持たない神族もいれば、慈悲深く涙もろくてお人好しな魔族もいたことだろう。
ただ、彼らは強い──圧倒的にだ。
その絶大なパワーで真なる世界に君臨していたらしい。
しかし、強すぎる力と不老不死の肉体を持ち得た代償なのか、繁殖能力には乏しく、その総数が劇的に増えることはなかったようだ。
一個体が強大な力を有し、何千年にも渡って生き存える。
急いで次代を残す必要がなく、繁殖機能に生態的な制御がかかったらしい。
これでもし人間並みの繁殖力を持っていたら、真なる世界は神族や魔族の人口爆発によって、どのような未来を辿っていたか知れたものではない。
少なくとも――平穏を望むのは難しかっただろう。
そして、ささやかながら不思議な力を持ち、神族や魔族よりも繁殖力に優れて、人間に近しい生態的地位にいたのが精霊族。
ツバサたちが現地種族と呼んでいる者の正しい名称である。
雑多な種族が混在するため、多種族という通称が一般的だったようだ。
真なる世界は、この3種族の暮らす世界だったらしい。
この世界の趨勢を握っていたのは──神族と魔族。
元来属性が異なる者同士なので仲が悪く、種族ごとに集まって戦争を起こすことがままあったらしい。残された記録からそれが窺える。
かと思えば、研究や探求のために手を組んだり、利害の一致で共闘してみたりと、その関係性は柔軟だったところもある。
種族間を越えて愛情を育み、結ばれた者たちもいたと判明していた。
両種族の交雑種である灰色の御子がその証だ。
あるいは神族から魔族に、魔族から神族に転換する者もいたという。
……なんとなく性転換に近いものらしい。
性という属性が反転するのだから、似たようなものなのだろう。
彼らにしてみれば属性とは、人間で言うところの肌や外見の違い程度のもので、それが原因で争うこともあれば、気にせず交流することもあったようだ。
長い歴史を経た後──彼らは新しい世界へ目を向けた。
自分たちの因子を種のように撒いて、新たな世界に自分たちの力を受け継いだ者を創ろうとしていた。そのひとつがある世界で芽吹く。
それこそが──地球である。
地球に芽吹いた種は、やがて人類へと進化していった。
真なる世界は世界の壁を越えて干渉を始める。
それが地球側で言い伝えられるようになり、神話や伝承、もしくは伝説や昔話となって語り継がれ、様々な物語の源流にも成り得たのだろう。
彼らがどのような意図から人類を誕生させたのか?
その点については憶測が入り交じる。当時の生き証人でも捕まえない限り、断定するのは難しそうだ。なにせ意見がひとつに絞られていない。
自分たちの末裔と温かく見守る者もいれば、実験材料としか見ていない者もいたし、地球という場所を一種の避難場所と考えていた者もいれば、その土地の管理者として自分たちの因子を継ぐ者を置いただけ、という見方もできる。
いくつもの思惑が混在していたのは間違いない。
神族も魔族も──人間に新たな可能性を期待したらしい。
だからこそ、神話に語られるほど過干渉したのだろう。
時には神として、時には悪魔として──。
だがしかし、人類にかまけていられない未曾有の大事変が起こる。
別次元からの侵略者がやってきたのだ。
彼らは次元の壁を撃ち破り、真なる世界に侵入すると、こちらの世界に満ち溢れたあらゆる活力を奪い取っていった。
真なる世界の住人は当然、これに立ち向かっていった。
神族、魔族、精霊族は全世界規模の連合軍を結成。
別次元から侵攻してくる侵略者たちとの全面戦争に突入する。
その戦いは四千年近くの長きに渡って続いた。
長い戦いの末、強大な力を誇った神族も魔族も1人欠け、2人消え、3人倒れ……徐々に数を減らしていき、精霊族も優れた戦士や魔術師であるほど、侵略者たちに戦いを挑んで命を散らしていった。
ようやく侵略者のほとんどを別次元へ追い返し、破られた次元の壁を塞いだ頃には、真なる世界は見る影もないほど荒らされていた。
世界もさることながら──それぞれの種族も危うい。
多くの戦死者を出したため、絶対数の少ない神族や魔族は滅亡寸前。
精霊族も発展させてきた文明を破壊され、戦える者は老いも若きも関係なく駆り出してしまったため、こちらも絶滅の危機に瀕していた。
そして──別次元の侵略者は諦めていない。
神族や魔族たちが命を賭して致命傷を負わせ、別次元の彼方へ送り返したにも関わらず、またしても真なる世界に攻め入ろうとしているのだ。
少しずつ傷を癒すと、次元の壁をこじ開けて裂け目を作り、そこから分身とも言える眷族を送り出して、真なる世界から活力を奪い取って持ち帰らせる。
そうやって体力を回復させているのだ。
別次元の侵略者──その王たちは途方もない巨体を有している。
彼らが通り抜けられるだけの次元の裂け目はまだ作れておらず、回復にも手間取っているようだが、それも時間の問題だ。
神族も魔族も精霊族も、滅亡待ったなしの状態。
このまま手を拱いていれば、別次元の侵略者に真なる世界を侵食されて、いずれは世界ごと食い滅ぼされてしまう。
そこで立ち上がったのが──灰色の御子たちだ。
戦争の最中、神族や魔族もしくは精霊族との間に産まれた混血児である彼らは、次世代を担う存在として特殊な能力を持っていたらしい。
彼らは話し合った末、一計を案じて地球へと渡った。
地球に暮らす人類は肉体という殻に閉じ込められているが、その内側には神族や魔族と同じ、アストラル体が秘められているという。
神族や魔族の因子を受け継いだゆえである。
そのアストラル体こそが──人間が言うところの魂だ。
そんな人間の魂を鍛え上げ、侵略者との第二次大戦に戦力として加える。
灰色の御子の導き出した答えが──これらしい。
~~~~~~~~~~~~
「……今回の件を仕組んだ大企業ジェネシス。その幹部連中はやたらと灰色を好むそうだし、最高幹部会議は“灰色たちの茶会”と呼ばれているそうだな?」
そこまで話して、ツバサは一区切りとした。
話している最中、フミカはツバサの助手として背後のスクリーンを操作すると、これまでに収拾してきた情報を的確に表示してくれた。
ネコ族が守ってきた天井画と騎士の神様の遺骸──。
起源龍が暮らしていた空飛ぶ山の遺跡──。
その起源龍であるジョカフギスの証言──。
ヴァナラの森の奈落の底にあった謎の石版──。
幽冥街で戦ったGMゼガイ・インコグニートの発言や、ミロが不思議な光を授かった老騎士の神様のこと──。
そして──ツバサたちが撃退した別次元の邪神たちとの戦闘記録。
こういった資料を元に、ツバサは丁寧に解説した。
大学のゼミでレポートの発表でもしているような気分になる。フミカのサポートがなければ四苦八苦しただろう。
解説を聞き終えたミサキたちは──唖然としていた。
「異世界に飛ばされただけでも大変だっていうのに……クソッ!」
「別次元からの侵略者って……何ですかそれ!?」
「エルフちゃんがチビッコばっかりなのって……それが原因なの!?」
「じゃ、邪神って……マリちゃんが言ってたのマジなのか!?」
「あー……もう頭が追いつかないッス!」
ミサキ、ハルカ、ジン、カミュラ、アキはパニック寸前である。
取り乱していないのはレオナルドくらいのものだが、それでもトレードマークの銀縁眼鏡がズレそうなほど驚いていた。
「……ジェネシスの幹部たちには、どことなく浮世離れした雰囲気があった。今にして思えば、それこそが彼らの正体に繋がる手掛かりだったのかもな……」
直接会ったことのあるレオナルドは、彼らの感想を述べた。
「だが、これで合点がいった」
異世界への転移機能を備えたVRMMORPG──。
アルマゲドンを初めとした世界中で販売されたソフトウェアについて、上級GMであるレオナルドたちは特殊な説明を受けていた。
「あれらは人間の魂を抜き出してアストラル体に変え、幻想世界で適応するために鍛え上げるもの。幻想世界に棲息する危険なモンスターを排除できるようプレイヤーにトレーニングさせる施設も兼ねている、と話していたが……」
「無論、それも込みなんだろう」
本当にプレイヤーと戦わせたい相手は別にいたのだ。
「灰色の御子はプレイヤー……いや、人間の魂を神族や魔族へとレベルアップさせるのが目的だったんだ。侵略者と戦えるまでにな」
ひょっとすると、とツバサは前置きしてから述べる。
「俺たちは疾うの昔に──神族や魔族を超えているかも知れない」
アブホス、アトラクア、ティンドラス、シャゴス──。
既に4体の侵略者の王(厳密にはシャゴスは別物)と戦ってきたツバサは、体感したことを詳らかに話してみた。
「先日拾った石版を、フミカやジョカ……ああ、この世界の創世に関わった龍神なんだが、彼女たちと解読しながら調べてみたんだが、過去の神族や魔族は、侵略者の王たちを追い返すだけでも、相当の苦労を強いられているんだ」
あの石版に記された情報は、そのほとんどが益体もないものだった。
邪悪なポ○モン図鑑――とはフミカの評価である。
つまり、そういった情報を集積しただけのものだったわけである。
だが、役に立ちそうな情報もいくらか散見した。
ある石版にはアブホスの王を追い返すのに携わった神族と魔族の戦力が記されていたが、20人でやっとだったそうだ。
「そのアブホスの王を、俺とミロとダインの3人だけで撃退できた……まだ推測の域を出ないし、アブホスの王が本調子じゃなかったとしても、恐らくLV800越えのプレイヤーが5人もいれば確実に勝てるだろう」
過大能力が戦闘向きであること──という条件も付記しておく。
これを聞いたミサキは膝の上で拳をギュッと握った。
「つまり、オレたちは……過去の神々よりも強い、ということですか?」
「過信するのは止してくれよ。それはやがて慢心に繋がる」
せめてもの安全材料だと弁えてほしい、とツバサは念を押した。
「その創世の龍であるジョカから聞いた話だが……人間の魂は肉体という枷に押し込められていた分、真なる世界で育ったアストラル体よりも爆発的に強くなる可能性を秘めているそうだ」
過去の神族や魔族も、これに期待を寄せたのかも知れない。
そして、灰色の御子たちもまた──。
「そんな難しく考えることないんじゃない?」
テーブルの端でマリナやカミュラとケーキの取り合いをしていたミロが、不意に話へ割り込んできた。顔中につけた生クリームを拭いてやりたい。
「アタシらはゲームをして強くなった──そんだけ」
させられたって思わない方がいい、とミロは頬のクリームを舐め取る。
「その力でこの世界の危険なモンスターも倒せるし、別の次元からやってくる邪神もブッ飛ばせる。エルフの子たちでも、ケット・シーの子たちでも、困っている子がいたら助けてあげられる……ほら、やることは変わんないでしょ?」
ちょっと手間が増えただけ──邪神退治という手間が。
「ツバサさんもミサキちゃんも“弱きを助けて強きを挫く”だっけ? まんまそういう任侠めいた生き方してるし、やりたいことは一緒だと思うから、そんなに頭を悩ますことないんじゃないかなー?」
別の皿からマカロンを頬張ると、目を細めてニヤ~ッとチェシャ猫のような挑発的な笑顔になる。向けている対象はツバサとミサキの2人だ。
「倒しにくいイレギュラーなボスが続々投入されたくらいで、ゲームを投げ出しちゃうような軟弱者じゃないでしょ? 目の前で困っている人を見捨てて通り過ぎることができる薄情者じゃないでしょ?」
どっちもさ──ミロは誇らしげに微笑んだ。
そんなツバサやミサキを信じている、と言いたげである。
本当、ミロは本質を突いてくるのが上手い。
バカだけどバカじゃない──いや、余計なことを考えないバカだからこそ、確信を突くように本質しか捉えられないのだろう。
「……ウチのアホ娘の言う通りかもな」
ツバサはわずかに目を伏せ、感服の微笑みを浮かべる。
「つまり、そういうことだ──俺たちは既にこの世界でやるべきことを見出しており、そのために邁進していると言っても過言ではない」
だからこそ、改めて問い質したい。
「ミサキ君は──この真なる世界でどう生きていくつもりだ?」
レオナルドを初めとしたイシュタルに付き従う者たちの意見も聞きたいし、その総意がハトホル一家のように決まっているならば尚更だ。
彼らの描く未来図を──是非とも知りたい。
場合によっては、対立する関係になったとしてもだ。
ミサキは一度だけ顔を伏せると、姿勢を正して座り直し、両膝の上に乗せた拳を更に固く握りしめる。それから意を決して顔を上げる。
そこには揺るぎない信念が宿っていた。
「オレたちは──この世界で生きていくしかありません」
だが、所詮は地球という余所の世界からやって来た入植者だ。
いくら神々の力を持ち得たとはいえ、元からいるエルフたちのような現地種族を蔑ろにするようなことはしたくない。かつて人類が新天地を見つける度に犯した愚行を繰り返したくない……ミサキはそこを力説する。
「では、君はどうするつもりなんだ?」
試すように誘うように、ツバサはミサキへと質問を重ねる。
弟子の器を計る師匠の心持ち──そんな心境だ。
ミサキは眼を逸らさず、しっかとツバサを見据えたまま答える。
「まず難民化している現地種族を助けていきます。彼らには、かつてのような文明を取り戻すまで教化していきたいと考えています」
ミサキは先生に答える生徒のように、背筋と言葉を正していた。
助けた現地種族たちには集落を作ってやる。
ミサキたちは集落を見守り、そこで暮らす者へ生活の技術を教えていく。
やがて村を作り、街へと育て──いずれ都市へと発展するだろう。
「国を造れるほどに成長したら、多種族による連合国家を形成してもらうつもりです。お話ししたかと思いますが、エルフやドワーフ、それにオークたちは自らの種族の来歴を失っているので、過去の遺恨に囚われることなく、新たな関係を結ぼうとしています……今なら、手を取り合ってくれるはずです」
ミサキたちは神として振る舞い、彼らを助けていくつもりだという。
「ですが、あまり干渉しないつもりです」
神様が何でもしてくれる、と現地種族を甘やかしたくないらしい。
「自分たちでできることは自分でやらせる、そういう風に持っていきたいので……人の力ではどうにもならないことが起きた時は別ですけどね」
「例えば──別次元から邪神が攻めてきたとか?」
最たるものですね、とミサキは困ったように苦笑した。
「そうして多種族による連合国家ができる頃には、地球から大勢の人々が転移させられてくるでしょうから…………」
「そうか──人間を新たな種族として、その連合国家に?」
ツバサの言葉に、ミサキは深く頷いた。
「はい、そうです。いずれ来る人間たちを保護できるほどの受け皿になってもらえたら……と考えています。そのための連合国家でもあるんです」
多様な種族が暮らす──連合国家。
新たに人間という種族が紛れ込んだとしても、すんなり受け入れてくれるはずだ。神族化したプレイヤーが協力すれば融通も利かせられる。
「まだまだ細かいところを詰めなければならないですし、トラブルもたくさん起きると思いますが……これが、オレたちの目指している世界です」
ツバサは、そっとイシュタル陣営の顔色を窺う。
ジン、ハルカ、カミュラ、アキ、レオナルド。
誰もがミサキの意見に「異議無し!」といった顔をしている。どうやらミサキは仲間からの信頼も厚いようだ。リーダーの資質もある。
どうですか? とミサキは怖々とツバサに伺いを立ててきた。
まるで先生の採点を待っている生徒のようだ。
これにツバサは──満面の笑顔で答えるしかなかった。
「素晴らしい解答だ、俺たちの理想とほぼ合致する」
むしろ、先を行っているぐらいだ。
ツバサたちも地球から転移してくる人々の受け皿になってほしくて、この世界の現地種族を助け、村を起こしているつもりでいた。
それはまだまだ漠然とした考えでしかなく、未来像も朧気だった。
なのにミサキは──「連合国家を作る」と言い切った。
ツバサは思わず立ち上がり、この満点な答えを導き出した愛弟子を抱き締めてやりたい衝動に駆られたが、多くの目がある場所なので自重した。
代わりに、熱意を込めた言葉で賞賛する。
「さすがは俺の見込んだ男だ。ここまで理想的かつ整然とした未来図を、まだ大枠とはいえ考えつくとは……優秀な生徒を持って、先生として鼻が高いぞ」
「いえ……これも師匠や先生の教えがあればこそ、だと思います」
ミサキは素直に照れていた。
愛い奴よのぉ──ますます弟子にしたくなる。
「ちょ! ミサキ君がせ、生徒って……ツ、ツバサ君!?」
レオナルド(獅子翁)は狼狽える。
ツバサがミサキのことを生徒と呼び、それをミサキが肯定したことに慌てたのだろう。大方、「愛弟子が取られる!」と脅えているに違いない。
それを見越したツバサは意地悪をしてやる。
「ああ、レオナルドさんには話してませんでしたけど……ミサキ君には俺が武道の手解きをしましてね。以来、先生と生徒という間柄なんですよ」
ドヤ顔で告げるツバサにレオナルドは動揺する。
ヤバイ! 最愛の一番弟子が奪られてしまう! どうすればいい!?
そんな焦りがレオナルドの顔に書いてあった。
「ええ、ツバサさんにはお世話になりっぱなしで……本当はオレのことを弟子にと仰ってくれたんですけど、オレには獅子翁って師匠がいるんで……」
だから先生と慕っています、とミサキは明かした。
レオナルドは──誰にもばれないように安堵のため息をついていた。
いい気味だ、とツバサは内心ほくそ笑む。
断りも無しに行方知れずとなってミサキやツバサを心配させた罰だ。これくらいの意地悪は許されるだろう。事あるごとに弄ってやる。
「ミサキ君、君たちの気持ちはよくわかった」
試すような真似をして済まない、とツバサは詫びた。
ツバサは立ち上がると、ミサキに向けて右手を差し出した。
「俺たちもこの世界で暮らす者を助けてやりたいし、虐げたくはない。それに地球から来る人々の中に家族がいる者も多い……当然、彼らも助けたいんだ」
そして──別次元から来る侵略者たち。
「あいつらにこの真なる世界と、そこで生きる人々の生活をメチャクチャにされるのも我慢ならん……だから、こちらからお願いしたい」
俺たちと一緒に──戦ってくれるか?
ミサキも立ち上がると、差し出した右手を力強く握り返してくれた。
「ええ……是非とも! オレたちからもお願いします!」
ここに──ハトホルとイシュタルの同盟が成立した。
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