想世のハトホル~オカン系男子は異世界でオカン系女神になりました~

曽我部浩人

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第11章 大開拓時代の幕開け

第273話:金翅鳥は三悪を啄む

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「──お楽しみのところ失礼いたします」

 縁日を楽しんでいるのは認めるが、さっきまでウチの変態メイドに遠回しな手法による高度なセクハラで弄ばれてこちとら泣きそうだよ! と叫びたいツバサだったが、子供たちの前で喚きたくないので黙っておいた。

 何事にも子供を最優先する──それが神々の乳母ハトホル

 声に振り向けば、そこに控えていたのはダグだった。

 スプリガン総司令官──ダグ・ブリジット。

 とある事情により女性ばかり産まれるようになったスプリガンでは数少ない年頃の青年であり、大地母神を母に持つ灰色の御子でもある。

 真っ赤なジャケットに、真っ青なズボン。

 見る人が見れば「司令官に相応しい」と頷きたくなるカラーリングの衣装を着込んだ若き司令官は、折り目正しく敬礼をしてきた。

 後ろには副官でもある2人の姉、ブリカとディアも控えている。

 ハトホルの国の防衛を司るスプリガンのトップ3。

 彼らが揃ってツバサを訪ねてきた理由には心当たりがあった。

「ハトホル様にご報告したいことが──」

 ダグの報告をツバサは柔らかく手で制した。

 拒絶ではなく「事を荒立てないように」という意味を込めてだ。

 ダグはこちらの意図を速やかに察してくれる。

 黙礼もくれいするブリジット3姉弟にツバサは無言で頷いた。

 ツバサは抱きついているミロの肩に手を置くと、こちらへ向き直させながら彼女の目線に合わせるべくしゃがんだ。

 ミロの瞳を見つめてしっかり言い聞かせる。

「ミロ、俺はちょっと席を外すからおまえが姉弟たちの面倒を見ていてくれ。俺の……伴侶はんりょで長女と言い張るんだから、それくらいできるよな?」

 妻というべきか女房というべきか?

 でもねやの中ではツバサが女役でミロが男役だから夫か旦那というべきでは? と思ったが、それを公言したらミロが調子に乗るに決まっている。

 なので──伴侶で長女という立場を強調した。

 これにミロは意外そうな顔をする。

「……え、アタシ行かなくていいの?」

 ミロは直感と直観という2つの常時発動型技能パッシブスキルのおかげで、未来予知に等しい勘働きができる。ツバサが感知した大型の未確認飛行物体にも、とうの昔に気付いてたはずだ。だからこそ意外なのだろう。

 その未確認飛行物体が──速度を上げて急接近している。

 ツバサは感知能力でその動きを補足していたが、祭りのために警備を厳重にしていたスプリガンの警戒網にも引っ掛かったのだ。

 ダグたちの報告はその件だと見当がついた。

 ミロはその対処にツバサと一緒に向かうと思っていたのか、「子供たちの世話を任せた」と言い渡されて予想外らしい。

 ツバサは「大丈夫だ」とミロを安心させるため微笑む。

「楽しみにしていたお祭りだ。おまえは気にせずにみんなと遊んでいればいい。水を差すお邪魔虫は俺が片付けてくる」

 すぐ帰ってくるよ、とツバサは約束する。

 その際、胸元に挟んでいたミロ人形をひとつ渡しておいた。

 それを受け取ったミロは自分の持っていた特大のツバサぬいぐるみに、そのミロ人形を抱かせるように持たせると、極上の笑顔ではにかんでくれた。

「うん! みんなといい子で待ってる!」

 すぐ帰ってきてね! とミロは子供たちの引率いんそつを引き受けてくれた。

 ああ、とツバサは短く答えてミロの頭を一撫ですると、子供たちにも「ちょっと席を外す。すぐ戻る」と言い付けてから場を離れた。

 子供たちから離れたツバサは、慈母じぼから武人の表情へと切り替える。

 心持ち早足で縁日の賑わいから抜け出して人気ひとけのないところまで来ると、後ろについてきたブリジット姉弟に呼び掛けた。

「この国に近付いてきている得体の知れない大きな奴だろ?」

「気付いておられたのですね」

 ダグは携帯型タブレットを差し出してくる。

 そこには夜空に浮かぶ巨大未確認飛行物体が映されていた。

「5分ほど前、ハトホルの国の50㎞圏内を巡回していたメンヒルⅢが超望遠にて撮影したものです。当初はドラゴンのたぐいかと思いましたが、明らかに人工物であることが判明。しかし、この地に生きる種族が作ったものとは……」

「──思えないな、これは」

 慎重なダグの意見にツバサも同意した。

 一見すれば、夜空を舞い泳ぐ巨大なくじら見紛みまがうフォルム。

 よくよく見れば鋼鉄で造られた艦艇かんていのようなものだ。背には艦橋らしきものまで背負っている。艦でいえば艦首かんしゅ、鯨なら顔に当たる部分はアニメチックにデザインされた髑髏どくろとなっていた。

 艦艇ではあるが、その用途は平和的ではない。

 船体のあちこちに砲塔やミサイル発射管を備えている。

 ――これは戦艦だ。

 しかも搭載している兵器は現実世界リアルのものに則していた。長男ダインに確認を取るまでもない、ツバサでも知ってそうなデザインの兵器ばかりである。

 ドクロとクジラをモティーフにした空飛ぶ戦艦。

 ダインの建造したハトホルフリートと比べたら、性能は元より外観のセンスすら見劣りするが、現地種族に造れる代物ではなかった。

 地球から転移してきたプレイヤーの仕業に違いない。

 別次元からの侵略者である“蕃神”ばんしんによって脅かされてきた真なる世界ファンタジアの種族は、文明的な力をほとんど失っている。機械生命体ともいうべきスプリガンは割と高度な技術力を維持してきたが、それでも衰退は免れなかった。

 天梯てんていの方舟という浮遊戦艦で暮らしていた彼らだが、同じものを造るどころか艦のメンテナンスすらままならなかった。

 それを踏まえたダグたちは、接近するドクロクジラの戦艦を見て「ツバサ様たちのような方々が関わっている」と判断したらしい。

 ダグと一緒についてきたブリカとディアも進言する。

「ドラゴンを初めとした飛行系の大型モンスターならば撃退するなりして追い払うのですが、この戦艦らしきものは如何いかんともしがたく……」

「警報を鳴らして祝祭のムードを壊すのも気が引けましたので、お休みのところとわかってはおりましたが、ハトホル様にご一報いっぽうをと……」

 申し訳ない、とブリジット姉妹の顔に書いてある。

「気に病むことはない。報告してくれたことに感謝するよ」

 ツバサの気持ちとしては、お祭りの日にまで仕事をさせて申し訳ないと罪悪感を覚えるくらいだった。しかし、彼らは「仕事ですから」と譲らない。

 一族総出で生まれついての守護者ガーディアン気質なのだ。

 そのため、彼らには「祭りの前半はダグたちが指揮をり、祭りの後半はガンザブロンが指揮を執る」と部隊を半分に分けて交代で警備に当たりつつ、交互に祭りへ参加するよう命じておいた。

 勧めたのではなく、彼らの上役として命令を下した。

 有給休暇を消化しなさい――そう言いつけたも同然である。

 ここまでしないと、ゆっくり休んでくれないのだ。

「そろそろガンザさんと交代だろ?」

 君たちも祭りを楽しんでくるといい、とツバサは促した。

 これにダグは気後きおくれを混ぜた難色を示す。

「しかし、警護を預かる者として……」

 前述の通り、スプリガン族は生粋きっすい守護者ガーディアン

 ハトホルの国の守護を任された手前、不審者の対応に参加できないのが消化不良なのだ。主人であるツバサの手をわずらわせるのも心苦しいらしい。

 いいから──ツバサは圧を強めて言い聞かせる。

「今日明日のお祭りは種族みんなのためのもの。君たちもその一員なんだから」

「わ、わかりました。では、お言葉に甘えて……」

 ダグは不承不承に納得してくれた。

 守護者としての使命感が不完全燃焼なダグ。彼を慰めるべく背後からブリジット姉妹が左右の肩に手を置いた。

「そうだぞダグ、祭りの警備を任された会議でも申し渡されたではないか」
「そうよダグ君、私たちもちゃんと祝祭を満喫するようにと……」

 姉であるブリカとディアに肩を叩かれ、ダグは仕方なさそうに振り返る。

「姉さん……って、いつの間にか着替えてるし!?」

 さっきまでは戦闘用コスチュームだったブリカとディアだが、振り向けば華やかな着物姿で着飾っていた。

 それぞれ片手はダグの両肩に乗せたままだが、もう片方の手にはダグ用の着物を持っている。どちらかといえば甚平じんべえみたいなものだが。

 可愛い弟とお祭りを楽しむつもり満々なブリジット姉妹。

 大人なお姉さんなのに弟よりもはしゃぐ姉妹を微笑ましく見守るツバサは、手元のタブレットに視線を落とした。

 そこに映し出されるのは、今もこの国に近付く怪しい戦艦。

「コイツには──俺が話をつけてくる」

 まだ正体不明だが、プレイヤーならば尚のことだ。

 ツバサたちの同盟に属するプレイヤーと似た気質なら交渉も叶うだろうが、もし現地種族の命を軽視するタイプならば容赦はしない。

 住民にはできるだけ初期ファースト接近遭遇コンタクトさせたくなかった。

 神族に準ずる力を有する亜神族のスプリガンであろうともだ。

「警備に当たっているスプリガンの高速艦も近付けさせるな。コイツらが来る方角以外の警備に当たらせてくれ。万が一、戦闘になるかも知れない」

 そうなればプレイヤー同士の戦闘になる。

 相手が神族であれ魔族であれ、今日まで真なる世界ファンタジアで生き残り、あれだけの戦艦を造れるプレイヤー。かなりのLVに達しているはずだ。

「神族同士の戦いになる懸念けねんもある……話して片がつくなら御の字だが、万が一に備えて周囲には誰もいない方がいい」

 頼むぞ、とツバサはタブレットを返して念を押した。

 ダグはタブレットを受け取り確認をする。

「承知いたしました、ハトホル様。未確認飛行物体の警戒を担当していたメンヒルⅢとその部隊をすぐに撤退させます。他の三方を巡回するメンヒルは警備を続行し、指揮権をガンさんに移行します……これでよろしいでしょうか?」

 それでいい、とツバサは頷いた。

 ツバサは着物姿のままフワリ……と宙へ舞い上がる。

「祭りの夜に訪れた客、話がわかる相手なら歓迎してやろう。だが祭りを台無しにするつもりなら……生かして帰す理由もない」

 気の合う者ならば喜んで仲間に迎え入れる。

 救いようのない下衆ゲスならば憂さ晴らしにぶちのめす。

 どう転んでも悪くない、とツバサは内心ほくそ笑んだ。

「ミロじゃないが……俺も江戸っ子だからな」

 祭りの活気に当てられて、気が昂ぶってきたらしい。

 火事と喧嘩は江戸の華、祭りの夜ともなれば否応なしに血がたぎる。況してや現実ではおろか、アシュラストリートでも鳴らした格闘家だ。

 暴れたい──戦いたい。

 胸の奥で殺戮の女神セクメトが騒ぐ衝動を感じていた。

   ~~~~~~~~~~~~

 どちらかといえば、神々の乳母ハトホルが原因なのかも知れない。

 子供たちとの楽しい一時を邪魔された。
 種族たちを労う祭りに水を差された。
 ハトホルの国の憩いの一時を掻き乱された。

 こうした些細な不快感の積み重ねが、ツバサの中にいる神々の乳母ハトホルを苛立たせているらしい。その怒りが殺戮の女神セクメトきつけている。

 苛立ちの張本人に会うべく、ツバサは飛行系技能で夜空を進んでいく。

 夜風を浴びている内に苛立ちの熱も紛れてきたためか、殺戮の女神が騒ぎ出した理由について自分なりに見解を突き詰めることができた。

 神々の乳母ハトホル殺戮の女神セクメトは表裏一体──。

 オカン系男子であるツバサの母性本能と密接な関係にあるらしく、子供が絡んだ悶着が起きると、決まって騒ぎ始めるのだ。

「……誰がオカン系男子だ」

 脳内にセルフツッコミをするツバサは速度を上げた。

 暴れたい、という殺戮の女神から来る戦闘欲求は抑えておく。

 初手から喧嘩腰になることもあるまい。

 一報も入れず不用意に接近する未確認の戦艦。

 そんな怪しい存在は国防という観点からすれば即座に迎撃するべきなのだが、 問答無用というのもやり過ぎ感が否めない。

 あちらが明確な敵対行為をしていない現状、前置きなしの示威行為は悪手あくしゅとなる可能性もあるので、まずはツバサが相対して話を聞いてみる。もしかすると、あの戦艦で真なる世界ファンタジア彷徨さまよってきたプレイヤーかも知れないのだ。

 話がわかる相手ならば迎え入れよう。

 言っても聞かない分からず屋ならば仕方ない。

 今までの敵性プレイヤー同様、力尽くで御退場を願うまでだ。

「……あれか」

 ハトホルの国の中心から70㎞圏内──。

 ドクロ顔のクジラ型戦艦はそこまで近付いていた。本当にクジラを模しているのか、尾鰭おびれの形をした船尾が上下に動いている。

 あれ、ちゃんと推進力を生んでいるのか? かなり疑わしい。

 ツバサはクジラ型戦艦の行く手を遮る位置で空中に留まると、分析系アナライズ技能スキルに透視などを織り交ぜて戦艦内部にいる者を調べてみた。

「乗組員はいるが……人間じゃないな」

 戦艦内で様々な作業に従事するのは、死霊術師ネクロマンサーが骨を媒介に召喚するスケルトンや律法レビを修めた錬金術師アルケミストが造れる泥人形ゴーレムだった。

「人間……いや、プレイヤーがいると思うんだが……お、いたいた」

 戦艦で言えば艦橋かんきょうに当たる部分。

 クジラの背中に乗っかった小舟にしか見えないが、そこに艦橋……というよりは操縦室のような場所があり、3人のプレイヤーの姿を認められた。

 1人は──派手なマントにレオタード姿の少女。

 操縦室の上座に設えられたソファで偉そうに寝転がっていた。悪役らしく振る舞おうとしているが、育ちの良さと人の良さが顔立ちから滲み出ている。

 品のいいお嬢様が頑張ってワルの振りをしている雰囲気があった。

 1人は──右半分が美形で左半分がスケルトンの青年。

 戦艦の操舵そうだを担当しているらしく操縦桿そうじゅうかんを握っている。袖や裾がダブッとしているが、技術者エンジニアっぽい格好からして工作者クラフターだろうか?

 理知的で賢そうな顔をしているが、人のいい間抜けさを隠し切れていない。

 1人は──顔の右側が泥のように崩れた筋肉質の巨漢。

 半分骨の青年のサポート役のようだ。上半身はゴテゴテしたベストを羽織るだけの半裸で、ジーンズにレザーチャップスを履いている洒落者しゃれものだ。

 寡黙かもく強面こわもてに威圧感はあるが、朴訥ぼくとつさが身振り素振りに表れている。

 この3人を見つけたツバサは目が点になり、頬が緩んでしまった。

 なにあれ──タイ○ボカン?

 性格のキツそうな女ボスをリーダーに、女好きそうな発明家っぽい男と腕力だけが取り柄の怪力男。どこから見てもそんな3人組である。

 かつてツバサもドンカイとカズトラを交えて、敵地潜入のためにヤ○ターマンのド○ンボー一味からインスパイアされた変装をしたこともあったが……あれは嫌な思い出なので忘れたい。

(※第165話~第167話参照)

 とにもかくにも──この3人組はタイム○カンシリーズで名を馳せた『三悪さんあく』を連想させる組み合わせだった。後世、三悪に影響を受けた悪役トリオが様々な作品で見受けられるくらい、完成されたキャラクター設定だ。

 彼らが意図したかどうかは定かではない。

 もうひとつ、ツバサの目が点になった理由がある。



 彼らはプレイヤーだが神族ではない──魔族だ。



 こちらの世界に来て、魔族プレイヤーと会うのは初めてだ。

 アルマゲドン時代、魔族はプレイヤーが成り上がれる最強種族として神族と対を為す存在だった。当初は魔族の方が多かったくらいである。

 その理由は──神族に比べてなりやすいから。

 神族は最低でもLV90にまで辿り着かないと種族変更できないが、魔族はLV85から変更できるというのが大きな理由だった。

 たったLV5の差だが、この差が当時は大きかった。

 LV75を越えたぐらいからLVを1つ上げるだけでも艱難辛苦の道のりとなるため、LV85に達すると同時に最上位種族のひとつである魔族になるプレイヤーが多かったのだ。

 しかし、魔族を選ぶプレイヤーは次第に減っていく。

 やり込んだ高LVプレイヤーが増加するにつれ、魔族化による複数のデメリットが明らかになったからだ。

 外見的に醜くなることがあったり──。
 限定的な制約を掛けられたり──。
 理不尽な弱点を背負わされたり──

 魔族でもLVを上げればこれらのデメリットを克服できるのだが、ネットで広まった『魔族はデメリットが多い!』というアルマゲドン攻略情報のせいで、魔族を選ぶプレイヤーはめっきり減ってしまった。

 わざわざ魔族から神族に鞍替くらがえする者もいたくらいだ。

 今日まで真なる世界ファンタジアに転移されてきたプレイヤーには何人も会ってきたが、そのすべてが神族だった。魔族は久し振りなので少々驚かされる。

 魔族であることにこだわりがあるのか? 単に神族への転身が面倒なだけか?

 その辺りの事情は彼らに問い質してみないとわからない。

『おおっと? 前方に人影ハッケーン!』

 半分骨の青年がツバサに気付いて声を上げた。

 ツバサもフミカを見習って分析系アナライズ技能スキルを上げておいたので、これだけ距離があっても艦橋内の会話は手に取るようにかわる。

 半分骨の青年は手元のコンソールを操作してモニターにツバサを映す。

『おおっ! とびきりのボインちゃん!』

 映像にツバサが現れるなり、はち切れそうな着物の胸元を食い入るように見つめる半分骨の青年。その目はハート型になっていた。

『うむ、あれは素晴らしきボインダスな』

 半分骨の青年に泥に崩れた巨漢も同意して頷いた。

 こちらもツバサの胸に注目するが反応は薄い。むっつりスケベか?

 しかし、鼻息は荒々しかった。

『『それに引き替え、ウチのボインは……』』

 半分骨の青年と泥に崩れた青年は、残念そうに振り返る。

 2人の視線の先にはリーダーと思しき女ボス。彼女は少女らしい外見のためか、胸の発育がやや控え目だった。レオタードっぽいボディスーツの胸元は深く割れているのだが、膨らみはあまり目立たない。

『なにが言いたいんだアンタら!? これだけありゃ十分だよ!』

 部下2人の態度に、女ボスは当然の如く激昂げっこうした。

 しかし、部下2人はこれ見よがしに呆れた笑顔でため息をついていた。女ボスは怒り心頭なのか、ソファから脚を伸ばして2人の後頭部をゲシゲシと蹴り飛ばしているが、半分骨の青年も泥に崩れた巨漢も堪えている様子はない。

 トリオの息は合っている。人となりも多少は窺えた。

 話の通じる相手ならいいのだが……。

 クジラ型戦艦はツバサの間近までやってくる。

 距離にして100mほどの間合い、そこでゆっくり停止した。

 戦艦が一旦停止したのを見て取ったツバサは、人差し指で耳と口を指して『話がしたい』とジェスチャーを送った。

『マーナ様、あのボインちゃん話があるみたいですよぉ?』
『どうやらオラたちと同じプレイヤーみたいダスな』

 部下2人の報告を受けたマーナという女は、億劫おっくうそうにモニター越しのツバサを見据えた。その視線にはやっかみが混じっている。

 それは主に──ツバサの胸元へ注がれていた。

 嫉妬を隠さない口調で、マーナは部下たちに疑問形で言う。

『はぁん? あたしらの進撃を遮っといて話がしたいって? まさか……この先にいる原住民の村に棲み着いてる奴じゃないだろうね?』

 原住民、という一言がツバサのかんに障った。

 ツバサたちもこれまで現地種族という言葉を用いてきたが、彼らを見下すような意味で使ったことはない。あくまでも『この世界の住人』という意味で使ってきただけである。

 しかし、マーナの口調には明らかな差別意識があった。

 ツバサのこめかみに青筋が1本浮かぶ。

 モニター越しとは言えど、ツバサをアップで捉えているにも関わらず、その表情の変化を読み取らないまま泥に崩れた巨漢と半分骨の青年は話し合う。

『どうも村の方角から来たようダスしな……原住民と関わりがあると見ていいんじゃないかと……ホネツギーはどう思うダスか?』

『僕ちゃんもドロマンと同意見よ。あのボインちゃん、きっと原住民をかき集めて良いようにこき使ってるんじゃないかしらん? そうよ、自分の奴隷をられたくないからって、僕ちゃんたちと話をつけに来たんじゃなぁい?』

 泥に崩れた巨漢がドロマン、半分骨の青年がホネツギー。

 ドロマンは「ダスダス」とどこの放言かわからない語尾が特徴的で、ホネツギーは美青年の割にれた声でオネエ口調だった。

 トリオの名前が判明したところだが、ツバサの額に2本目の青筋が浮かび上がり、怒りによって刺激された殺戮の女神セクメトが赤い闘気を漏らす。

 原住民に──奴隷だと?

 時代錯誤も甚だしい! 原住民を集めてこき使う? 大航海時代のコロンブスでも気取っているのか!? しかも自分の奴隷? それをられたくないからツバサが出てきた? そう考えるということは……。

 コイツらの目的は──ハトホルの国の住民を奴隷にするつもりか!?

 ツバサの推測を裏付けるように、マーナは鼻で笑った。

『はぁん……そういうことかい。せっかく集めた奴隷だもんねぇ。あたしらに奪われちゃあ立つ瀬がないってわけだ。差し詰め女親分ってところかね』

『あのボインですからねぇ。ビッグマムな大ボスなんでしょうねぇ』
『女ボスはビッグボイン。これ有史以来の決まり事ダス』

 それに引き替え……とホネツギーとドロマンはため息をついた。

 彼らの女ボスであるマーナは実に慎ましやかだった。ツバサが見たところ、ブラのカップサイズはBにギリギリ届くくらいだ。

『だ~か~ら~……これだけありゃあ十分だろ! あんな乳牛ホルスタインみたいなデカ乳なんじゃ重くて邪魔で見苦しいだけじゃないか!』

 貧乳をネタにされたマーナは、部下2人をハイヒールで足蹴にする。

 一瞬、3本目の青筋がこめかみに浮かび上がろうとしたが、この状況でおっぱいネタで怒るのはお門違いなので噛み殺しておいた。それをさておいても、彼女たちの発言はツバサの琴線きんせんに触れるものばかりだが。

 マーナは吹っ切れたように声を荒らげる。

『あぁんもう! デカパイとかチッパイとか、どうして野郎どもは女の乳が好きなのかね! 大事なお仕事の前にくだらないことで盛り上がってんじゃないよ!! あたしらの目的は原住民を集めること! 元手のかからない労働力を集めて組長に献上しないと、あたしらの明日がないんだからね!』

『要するに奴隷売買ですよねぇ。売り買いしてないけど』
『野にいる原住民を強制連行して組長んとこ運んでるだけダスからな』

 魔族の力様々だね、マーナはおごった微笑みをこぼす。

 この瞬間──ツバサのこめかみに3本目の青筋が走った。

『そんなわけだから、どこの馬の骨ともわからないデカ乳女に邪魔されるわれはないよ! 話すだけ無駄! 相手は1人、力尽くで推し通りな!』

『『──ウイッサー!!』』

 マーナの号令を受けたホネツギーとドロマンは、おどけた敬礼をしてから操縦を再開。モニターを切るとクジラ型戦艦を高速で発進させようとする。

 その戦艦が──ガクンと止まった。

『『『──ムギィィィィィィィィィィッ!?』』』

 まさかの急停止に勢い勇んでいたマーナはソファーから転げ落ち、ホネツギーとドロマンもつんのめって操縦コンソールに顔を突っ込む。

『ちょっと! なにやってんだい、ホネツギーッ!?』

『ち、違いますぅ! 僕ちゃんブレーキ掛けてませんってば!?』
『なんか……無理やり止められたみたいダス』

 モニターを切った彼らはツバサの変化に気付いていなかった。

 殺戮の女神セクメトになったツバサを──。

 怒髪天を衝くの言葉通り、怒りの闘気で真っ赤に染まった長い髪を連獅子れんじしの如く逆立てて、顔にも魔獣を模したような赤い隈取りが走っている。両方の瞳を爛々らんらんと輝かせて、牙が目立つ歯を食いしばって剥き出しにしていた。

 ツバサは──怒り狂っていた。

「仏の顔も三度まで……おまえらはスリーアウトだ」

 この地に暮らす種族を原住民呼ばわりして蔑み、奴隷にするためかき集め、何者かに献上して強制労働させようとしていた。

 話し合うまでもない。

 殺戮の女神と化したツバサの右手から、金色の帯がほとばしっていた。

 それはマーナたちの乗るクジラ型戦艦の側面へ回り込むと、5つに枝分かれして指のような形となって戦艦をガッチリ掴む。

 その形状は──巨大な鳥の鉤爪かぎつめのようだった。

 金色に輝き巨鳥の鉤爪にも似たそれは、発進しようとした戦艦を押し止めるだけに留まらず、ギリギリと締め上げて装甲に爪を立てていく。

『が、外壁装甲がメシメシ音を立ててるダスよ!?』
『そんなぁ!? 僕ちゃん謹製のオリハルコン装甲なのよこれぇ!?』

 艦橋では三悪トリオが慌てふためいている。

 彼らの狼狽ろうばい振りを、殺戮の女神はサディスティックにあざ笑った。

「ものはついでだ。こいつ・・・の試運転で潰してやる」

 ツバサの必殺技──迦楼羅かるらよく

 神速を越えた速さなのに衝撃波を起こさず、残像すら知覚させない体捌たいさばきで手足を動かす。端から見れば何の構えも取らず立っているだけのように見えるが、その範囲に踏み込めば容赦なく翻弄ほんろうされる。

 早い話、ツバサが支配する絶対圏ぜったいけんを創り出す技だ。

 この迦楼羅翼──実は“受け身”の技だった。

 ツバサの周囲に何者も抗えない支配空間を創り出すのだが、そこに踏み込むまでは基本的に手を出せない。自分から近寄ることもあるが、手足の届く範囲に入ってもらわなければ意味がない“待ち”の技である。

 そこでツバサは技能スキルを駆使して改良を加えた。

 間合いやリーチを遠距離まで届くようにしつつ指向性を持たせ、制圧に特化した攻撃力のある技へと転化させたのだ。

金翅ガルダ握爪クロウ──とでも名付けるか」

 金翅鳥こんじちょうとは迦楼羅(ガルーダ)の別名。

 どれほど巨大な悪龍であろうとその鉤爪で引き裂き、そのくちばしついばむという金翅鳥ならば、100mの戦艦など物の数ではない。

『あのボインちゃんダス! 彼女がなんかやってるダス!』

 ようやく攻撃されていると気付いたドロマンがモニターをつけ直す。そこに映るのは金色の鉤爪を操る殺戮の女神セクメトと化したツバサだった。

『なにあのクリムゾンボイン!? メチャクチャおっかないんですけど!? それに金色のトラクタービーム? あれに捕まってるわけ!?』

『なんかすっごい怒ってるぽいダス!』

 ツバサの変貌振りと攻撃方法に戦慄せんりつするホネツギーとドロマン。一方、女ボスのマーナは舌打ちしてツバサを睨んだ。

『チィィィッ! そこらへんの雑魚ざこじゃないね!?』

 その額に生じた──第三の眼で。

 額だけではなく、膝まで届くアームカバーの上にもいくつかの眼が生じる。こういう妖怪か悪魔がいたが、やはり彼女も魔族だった。

 マーナの身体に浮かんだ眼は分析系アナライズ能力を備えている。

 眼の現れた両手を突き出して、ツバサの強さを推し量ろうとしているようだが、そんなマーナの表情が見る見る青ざめていく。

『あ、あのデカ乳…………LV900越えてるッ!?』

 なんですとォ!? とホネツギーとドロマンも悲鳴を上げる。

『LV900って……組長や若頭とタメ張れるじゃあーりませんかぁ!?』
『LV700のオラたちじゃ逆立ちしたって勝ち目ゼロダス……』

 ケンカを売る相手を間違えた、そう悟っても遅い。

「逃がしはしない。あらいざらい吐いてもらわないとな……」

 こいつらの言動から“組長”と呼ばれる黒幕が見え隠れしており、そいつが労働力として種族を集めていることもわかる。“組長”の正体を吐かせて、どれほどの種族が捕まっているのか聞き出す必要があった。

 組長とやらを倒して──奴隷にされた種族を救い出す。

 祭りが終わったら早急に取り掛かろう、とツバサは肝に銘じた。

 クジラ型戦艦はじわじわ握り潰されていく。金翅鳥の鉤爪によって、サバ折りのように艦の真ん中から曲がっていた。

 ホネツギーとドロマンは必死の形相で操縦コンソールを操っており、金色の鉤爪から脱出しようとするがにっちもさっちも行かない。

『なんとかおしよホネツギー! このフネ造ったのアンタだろ!?』

『勿論ですマーナ様、引いてダメなら押してみな。逃げられないなら戦うまで……天才工作者クラフターホネツギーが用意した逆転の秘策を御覧に入れましょう!』

 ハイヒールでゲシゲシ蹴られながらも、イケメン風にキリッと表情を引き締めたホネツギー。何かしらの覚悟を決めた様子である。

『さあ皆さんご一緒に、今週のクライマックスぅ~ッ!』

 ポチッとな! とホネツギーは曰くありげなボタンを押した。

 ボタンを押されて作動するギミック。クジラ型戦艦の艦首でもある巨大なドクロ顔が顎を開くと、その口から巨大なドリルが迫り出してきた。

 ドリルの先端が──ツバサに突きつけられる。

『ぬぅふっふぅ~ん♪ 風下に立ったのがボインちゃんの運の尽きよ!』
『あっちは風上なんダスが……?』

 風下も風上も関係ない。

 単にツバサが戦艦の前に陣取っていたから、突き出されたドリルが目の前に出てきただけだ。ホネツギーがあのセリフを言いたかっただけである。

『世界的に価値のありそうなウルトラボインちゃんだけど……泣く子とマーナ様と組長には逆らえない僕ちゃんを許してね!』

 ドリルが回転を始めると、横薙ぎの竜巻みたいな突風を巻き起こす。

 そして、戦艦本体が金色の鉤爪で捉えられたままであろうとも、ドリルを高速で伸ばしてツバサを貫こうとしてくる。

『このドリルはありったけのアダマント鋼を費やした特別製よぉ! いくらボインちゃんがLV900越えだろうと太刀打ちできるわけ…………ッ!?』

 アダマント鋼のドリルは──瞬時に蒸発した。

 ツバサは右手から金翅握爪を放っているが、左手は空いたままだ。

 この左手から金翅握爪のように迦楼羅翼の派生として編み出した技を繰り出したのだが、速すぎて彼らの動体視力では捉えられまい。

 一直線に走る──金色の奔流ほんりゅう

 金翅ガルダ握爪クロウが敵を握り潰すことに重点を置いた技なら、こちらは行く手を遮るすべての障害を突破することに秀でた一点突破の奥義。

 敢えて例えるならば──悪をついば金翅鳥こんじちょうくちばし

「──金翅ガルダ穿嘴ベックってところだな」

 ツバサに迫っていたアダマント鋼のドリルは跡形もなく消え去り、金翅鳥の嘴が直進した真正面には何一つ残っていない。クジラ型戦艦の頭から爪先まで、綺麗な風穴がすっぽりと空いていた。

 巨人でも潜り抜けられそうな風穴である。

 ツバサは額に手を当てると、風穴の向こうにある夜空を見て満足げに覗いた。

 殺戮の女神セクメトのまま達成感のある笑みで眼を閉じる。

 一転──怒りの形相で吠えた。

「それとな……誰がボインちゃんだッッッ!!」



 激怒に駆られた轟雷が、クジラ型戦艦の残骸を木っ端微塵に爆砕した。


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