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16話 琥珀のペンダント
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数日が過ぎ――気がつけば、屋敷の侍女たちが浮き足立っていた。
侍女がそっと箱を置いていく。
部屋へ運ばれた箱の中身は、金色の刺繍と淡い水色の絹ドレス、透明なクリスタルの靴。
その一つ一つが高価であろうと予想がつき、スリーサイズを教えた覚えもないのにドレスはわたしのサイズぴったりで少し気持ち悪かった。
特に目を引くのは琥珀色のペンダントとピアス。
どれもガイウスの独占欲が如実に表れていて、彼の視線そのものを身にまとっているような不快感を与えた。
部屋に入ってきたガイウスが一瞥して満足げに微笑む。
「今夜はパーティーだ。正式な婚約発表も兼ねている。君にそのアクセサリーを絶対につけて来てほしい――これは、俺が贈る番の証だ」
私はペンダントを指でつまみ、冷めた声で返す。
「ふうん、私はあなたのお気に入りのペットてことかしら?」
このペンダントが首輪のように感じてつい悪態をつく。
しかしガイウスは気にした様子もなくかすかに笑う。
「そんな訳ないじゃないか。君が俺の番だと言いたいだけだよ。宣言しておかないと君を俺から奪おうとする輩が出るかもしれないからね」
「アクセサリーに飽き足らず、ドレスの刺繍まで金色だなんて……ドレスが金色じゃなかったことを喜ぶべきかしら?」
「それもいいかもしれないが、俺と君が二人で一つってことを示したくて……」
「いくらなんでもやりすぎでしょ……あなたもわたしの瞳の色のカフスボタンでもつけるのかしら?」
ガイウスは椅子に座り直し、少し身を乗り出す。
「もちろん。俺は君のものだからね」
「君がこの色を纏っているだけで、俺はどんな人混みの中でも必ず君を見つけ出せる。誰が周囲にいようと関係ない。今夜は君が主役だ」
私はため息をつきながらドレスの裾を整えた。
「はいはい。わかったわ、どうせ拒否しても意味ないんでしょう?出席はする。だけど誰のものだとか言われても、私は私だから」
ガイウスはゆっくり、でも嬉しそうにうなずく。
「強がるなよ。君にはこの色が一番似合う。…俺にとっても、誰よりも大切な証なんだ。」
「しつこいわね。本当にもう。ただでさえ獣人と番になったてことでも目立つのに……騒ぎになったらあなたのせいだからね」
ガイウスが柔らかく笑う。
「全部俺が責任を取る。君は他の誰でもない、俺の番だからな」
私はペンダントを胸元に当てながら、冷静な目でガイウスを見返す。
「まあ、“付き合ってやる”くらいに思っておくわ。…他に言うことは?」
ガイウスは満足げに立ち上がり、少し距離を詰めて低い声で囁く。
「君が俺の色を身にまといパーティーに来るなら、それだけで十分だ。必ず君を誰よりも輝かせる」
私は視線をそらし、唇をわずかにつり上げる。
「期待しすぎてがっかりしないでよね」
琥珀色の光が胸元で揺れる。
私は相変わらず、ツンとした態度でガイウスの重い視線を受け止めていた。
侍女がそっと箱を置いていく。
部屋へ運ばれた箱の中身は、金色の刺繍と淡い水色の絹ドレス、透明なクリスタルの靴。
その一つ一つが高価であろうと予想がつき、スリーサイズを教えた覚えもないのにドレスはわたしのサイズぴったりで少し気持ち悪かった。
特に目を引くのは琥珀色のペンダントとピアス。
どれもガイウスの独占欲が如実に表れていて、彼の視線そのものを身にまとっているような不快感を与えた。
部屋に入ってきたガイウスが一瞥して満足げに微笑む。
「今夜はパーティーだ。正式な婚約発表も兼ねている。君にそのアクセサリーを絶対につけて来てほしい――これは、俺が贈る番の証だ」
私はペンダントを指でつまみ、冷めた声で返す。
「ふうん、私はあなたのお気に入りのペットてことかしら?」
このペンダントが首輪のように感じてつい悪態をつく。
しかしガイウスは気にした様子もなくかすかに笑う。
「そんな訳ないじゃないか。君が俺の番だと言いたいだけだよ。宣言しておかないと君を俺から奪おうとする輩が出るかもしれないからね」
「アクセサリーに飽き足らず、ドレスの刺繍まで金色だなんて……ドレスが金色じゃなかったことを喜ぶべきかしら?」
「それもいいかもしれないが、俺と君が二人で一つってことを示したくて……」
「いくらなんでもやりすぎでしょ……あなたもわたしの瞳の色のカフスボタンでもつけるのかしら?」
ガイウスは椅子に座り直し、少し身を乗り出す。
「もちろん。俺は君のものだからね」
「君がこの色を纏っているだけで、俺はどんな人混みの中でも必ず君を見つけ出せる。誰が周囲にいようと関係ない。今夜は君が主役だ」
私はため息をつきながらドレスの裾を整えた。
「はいはい。わかったわ、どうせ拒否しても意味ないんでしょう?出席はする。だけど誰のものだとか言われても、私は私だから」
ガイウスはゆっくり、でも嬉しそうにうなずく。
「強がるなよ。君にはこの色が一番似合う。…俺にとっても、誰よりも大切な証なんだ。」
「しつこいわね。本当にもう。ただでさえ獣人と番になったてことでも目立つのに……騒ぎになったらあなたのせいだからね」
ガイウスが柔らかく笑う。
「全部俺が責任を取る。君は他の誰でもない、俺の番だからな」
私はペンダントを胸元に当てながら、冷静な目でガイウスを見返す。
「まあ、“付き合ってやる”くらいに思っておくわ。…他に言うことは?」
ガイウスは満足げに立ち上がり、少し距離を詰めて低い声で囁く。
「君が俺の色を身にまといパーティーに来るなら、それだけで十分だ。必ず君を誰よりも輝かせる」
私は視線をそらし、唇をわずかにつり上げる。
「期待しすぎてがっかりしないでよね」
琥珀色の光が胸元で揺れる。
私は相変わらず、ツンとした態度でガイウスの重い視線を受け止めていた。
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