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25話 ガイウスの思い
ハリエルが鏡の前でドレスの袖に指をかけるその横顔や彼女の小さなしぐさまでガイウスは観察していた。
彼女に似合う衣装も、宝石も、すべて自分が用意した。
焦りと嬉しさがないまぜになって胸を満たしている。
彼女はいつも静かだ。わがままもほとんど言わない。
けれど、時折見せる遠い目や、ため息には拒絶が混ざっていた。
(どうして、俺を頼ろうとしない?なぜ――甘えてくれないんだ?)
番――それも僕たちは運命の番だ。
この関係は、獣人にとって運命であり本能であり、特別な幸福なのだ。
ガイウスの父や母も、家臣たちも、多かれ少なかれ番には多少束縛されても当然と受け止めている。
でもそれは人間には関係ない。
ハリエルは束縛を嫌がり、誰にも頼ろうとせず、甘えたりもしない、ただ自分の世界に引きこもっている。
だからこそガイウスはあえてハリエルの周りに自分以外立ち入れない壁を作った。
それが崩れるのを待っていられなくてマーサの同行を許可したのに、ハリエルから引き離した。
この環境に慣れるためだとか理由を付けたが、そんなものただの言い訳でしかないと自分でもわかっていた。
でも気持ちが抑えられない。
マーサにもハリエルの元に戻して欲しいという要求も突っぱねた。
「ハリエル様に会わせてください」
そう何度も言われたが理由をつけて断ってきた。
「今は必要ない。新しい環境に慣れさせたい」
本当は、ハリエルがマーサに甘えられるようにしてあげたかった。
けれどそれ以上に、自分にしか頼れない様に閉じ込めてしまえば、ハリエルはもっと自分に近づいてくれるはずだと思った。
マーサに向ける愛情の一部でいいから自分に傾けて欲しかった。
侍女たちが髪を梳かしている。
鏡越しに映るハリエルは、自分が与えたドレスも宝石もあまり気に食わない様子だった。
その姿を見て、ガイウスは苛立ちと焦燥を感じる。
「どうして、何も言わないんだ? もっと好きなものを欲しがってもいい。もっと、俺に甘えればいいのに」
番なら、女性側は存分に甘えて、好き勝手に振る舞うはずだろう。
どうして私を求めてくれないんだ。
俺は彼女が甘えてくれれば、どんな願い事だって叶えてあげるのに、それを受け入れるだけの愛と力を男側が見せてこそ番なのだから。
なのにハリエルは自分を受け入れてくれない。
本当は人間なのだから無理やり番などにせず、じっくり口説いて、待つ器量が必要だったのは分かっている。
だけど俺が持ってる感情を全て彼女にぶつけたい。
(全部守ってやりたいのに。全部与えてやりたいのに。けれど……彼女は俺を受け入れない)
それでも手を伸ばさずにはいられない。
彼女に会いたくて部屋に行った。
「困ったことがあるなら言ってほしい。君には不自由な思いをさせたくない」
微笑みながら声をかけるが、ハリエルの目には戸惑いと小さな怒りが灯っている。
彼女の声は、静かだった。
「……あなたは、私を大事にすると言いながら、私が大事にするものを隠してしまうのね」
刺すような言葉だった。
ガイウスは心のなかでゆっくり反芻し、自分の指でハリエルの手を包み込んだ。
(守りたい。愛したい。けれど、君は俺を受け入れてはくれないんだろう)
何度目かの答えにならない沈黙。
それでも、彼女を離すつもりはない。
独占欲と、本能的な不安が、心の奥に根を張る。
(どうして――どうして、俺を必要としてくれない?)
自分のものにしたい、という思いが膨らむほど、ハリエルとの距離は遠くなる。
その痛みだけが、今のガイウスに甘さと苦しみをもたらした。
その晩、ガイウスは自室の窓辺で立ち尽くし、わずかな月明かりだけが、静寂を照らしていた。
今日もまた、マーサが廊下で彼を呼び止めた。
「ガイウス様、ハリエル様に会わせてください。少しだけでもいいので話す時間をください」
その瞳は、ひたむきで揺るがない。
けれどガイウスは、つい低い声で答える。
「まだだ。彼女は新しい環境に慣れなければならない。君がいると獣人の中に馴染めないだろう」
マーサは、俯きながらも決して諦めなかった。
「ハリエル様は、今とても寂しそうです。わたしはハリエル様のために、ここへ来たのです。使えるべき主はあなたではありません。ハリエル様のお傍に入れないのならわたしがここへ来た意味がないじゃないですか」
ガイウスは苦い気持ちで返す。
「ルミナがいる。君がいなくても、不自由はさせていない。それに今、君を雇っているのはハリエルの両親だ。彼らには許可をもらっている」
「ですが……」
「結婚式が終わったら必ず彼女のところへ戻す。だからもう少し待ってくれ」
その言葉にマーサが静かに頭を下げ、ゆっくりと廊下を去る。
その時、ガイウスの胸に小さな痛みが残った。
(結局、守ることと束縛することの境が、俺には分からなくなっているのかもしれない)
部屋の扉の外、両親のささやき声も聞こえてくる。
「ガイウス、番にもう少し寄り添うことも必要じゃないのか?」
父が微笑みながら話す。
「いくら価値観の違う人間の娘でも、求めるものは求めるものだ。お前がそれに気づいていないだけじゃないのか?」
母は心配そうに息子を見ている。
「焦り過ぎず、どうか彼女の心の声に耳を傾けなさい。ちゃんとハリエルに寄り添って考えなきゃだめよ。私達とは色々違うんだから」
ガイウスは黙ったまま父母の言葉を受け止める。
(わかっている。だが、それでも彼女は、俺を必要としてくれない。どれだけ与えても、どれだけ閉じ込めても……)
浮かぶハリエルの瞳。遠く、冷たく、美しい。
ソファに身を沈め、ガイウスはそっと両手で顔を覆った。
本能が叫ぶ――早くすべてを奪ってしまえ。自分しか頼れなくさせてしまえ。
(俺は――本当に彼女を幸せにしたいのか。それともただ本能につき動かされてるだけなのか)
沈黙は続く。
夜が更けてもなお、部屋のどこかにハリエルの影を探していた。
彼女に似合う衣装も、宝石も、すべて自分が用意した。
焦りと嬉しさがないまぜになって胸を満たしている。
彼女はいつも静かだ。わがままもほとんど言わない。
けれど、時折見せる遠い目や、ため息には拒絶が混ざっていた。
(どうして、俺を頼ろうとしない?なぜ――甘えてくれないんだ?)
番――それも僕たちは運命の番だ。
この関係は、獣人にとって運命であり本能であり、特別な幸福なのだ。
ガイウスの父や母も、家臣たちも、多かれ少なかれ番には多少束縛されても当然と受け止めている。
でもそれは人間には関係ない。
ハリエルは束縛を嫌がり、誰にも頼ろうとせず、甘えたりもしない、ただ自分の世界に引きこもっている。
だからこそガイウスはあえてハリエルの周りに自分以外立ち入れない壁を作った。
それが崩れるのを待っていられなくてマーサの同行を許可したのに、ハリエルから引き離した。
この環境に慣れるためだとか理由を付けたが、そんなものただの言い訳でしかないと自分でもわかっていた。
でも気持ちが抑えられない。
マーサにもハリエルの元に戻して欲しいという要求も突っぱねた。
「ハリエル様に会わせてください」
そう何度も言われたが理由をつけて断ってきた。
「今は必要ない。新しい環境に慣れさせたい」
本当は、ハリエルがマーサに甘えられるようにしてあげたかった。
けれどそれ以上に、自分にしか頼れない様に閉じ込めてしまえば、ハリエルはもっと自分に近づいてくれるはずだと思った。
マーサに向ける愛情の一部でいいから自分に傾けて欲しかった。
侍女たちが髪を梳かしている。
鏡越しに映るハリエルは、自分が与えたドレスも宝石もあまり気に食わない様子だった。
その姿を見て、ガイウスは苛立ちと焦燥を感じる。
「どうして、何も言わないんだ? もっと好きなものを欲しがってもいい。もっと、俺に甘えればいいのに」
番なら、女性側は存分に甘えて、好き勝手に振る舞うはずだろう。
どうして私を求めてくれないんだ。
俺は彼女が甘えてくれれば、どんな願い事だって叶えてあげるのに、それを受け入れるだけの愛と力を男側が見せてこそ番なのだから。
なのにハリエルは自分を受け入れてくれない。
本当は人間なのだから無理やり番などにせず、じっくり口説いて、待つ器量が必要だったのは分かっている。
だけど俺が持ってる感情を全て彼女にぶつけたい。
(全部守ってやりたいのに。全部与えてやりたいのに。けれど……彼女は俺を受け入れない)
それでも手を伸ばさずにはいられない。
彼女に会いたくて部屋に行った。
「困ったことがあるなら言ってほしい。君には不自由な思いをさせたくない」
微笑みながら声をかけるが、ハリエルの目には戸惑いと小さな怒りが灯っている。
彼女の声は、静かだった。
「……あなたは、私を大事にすると言いながら、私が大事にするものを隠してしまうのね」
刺すような言葉だった。
ガイウスは心のなかでゆっくり反芻し、自分の指でハリエルの手を包み込んだ。
(守りたい。愛したい。けれど、君は俺を受け入れてはくれないんだろう)
何度目かの答えにならない沈黙。
それでも、彼女を離すつもりはない。
独占欲と、本能的な不安が、心の奥に根を張る。
(どうして――どうして、俺を必要としてくれない?)
自分のものにしたい、という思いが膨らむほど、ハリエルとの距離は遠くなる。
その痛みだけが、今のガイウスに甘さと苦しみをもたらした。
その晩、ガイウスは自室の窓辺で立ち尽くし、わずかな月明かりだけが、静寂を照らしていた。
今日もまた、マーサが廊下で彼を呼び止めた。
「ガイウス様、ハリエル様に会わせてください。少しだけでもいいので話す時間をください」
その瞳は、ひたむきで揺るがない。
けれどガイウスは、つい低い声で答える。
「まだだ。彼女は新しい環境に慣れなければならない。君がいると獣人の中に馴染めないだろう」
マーサは、俯きながらも決して諦めなかった。
「ハリエル様は、今とても寂しそうです。わたしはハリエル様のために、ここへ来たのです。使えるべき主はあなたではありません。ハリエル様のお傍に入れないのならわたしがここへ来た意味がないじゃないですか」
ガイウスは苦い気持ちで返す。
「ルミナがいる。君がいなくても、不自由はさせていない。それに今、君を雇っているのはハリエルの両親だ。彼らには許可をもらっている」
「ですが……」
「結婚式が終わったら必ず彼女のところへ戻す。だからもう少し待ってくれ」
その言葉にマーサが静かに頭を下げ、ゆっくりと廊下を去る。
その時、ガイウスの胸に小さな痛みが残った。
(結局、守ることと束縛することの境が、俺には分からなくなっているのかもしれない)
部屋の扉の外、両親のささやき声も聞こえてくる。
「ガイウス、番にもう少し寄り添うことも必要じゃないのか?」
父が微笑みながら話す。
「いくら価値観の違う人間の娘でも、求めるものは求めるものだ。お前がそれに気づいていないだけじゃないのか?」
母は心配そうに息子を見ている。
「焦り過ぎず、どうか彼女の心の声に耳を傾けなさい。ちゃんとハリエルに寄り添って考えなきゃだめよ。私達とは色々違うんだから」
ガイウスは黙ったまま父母の言葉を受け止める。
(わかっている。だが、それでも彼女は、俺を必要としてくれない。どれだけ与えても、どれだけ閉じ込めても……)
浮かぶハリエルの瞳。遠く、冷たく、美しい。
ソファに身を沈め、ガイウスはそっと両手で顔を覆った。
本能が叫ぶ――早くすべてを奪ってしまえ。自分しか頼れなくさせてしまえ。
(俺は――本当に彼女を幸せにしたいのか。それともただ本能につき動かされてるだけなのか)
沈黙は続く。
夜が更けてもなお、部屋のどこかにハリエルの影を探していた。
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