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33話 翌朝
朝の光がカーテン越しにふわりと差し込む。
目覚めの瞬間、体の節々に昨夜の余韻が残り、思わずハリエルは眉をひそめた。
肩や腰、太ももにまで残る、鬱血や噛み跡が昨日の情事の激しさを物語っていた。
隣でガイウスがすぐさま目を覚まし、寝返りをうってこちらを見る。
彼は見るからに満足げな笑みを浮かべて近づいてくる。
「おはよう、ハリエル。昨夜は…本当に綺麗だったよ」
その甘ったるい声にハリエルはうんざりしながらも枕で顔を隠す。
「最低!!……昨夜は絶対にやりすぎよ。動くのも辛いんですけど」
手元にあった枕を投げつける。
「ごめん…でも、お前が全部可愛すぎて…もう少しだけ一緒にいたい」
「近寄らないで!!このけだもの!色情魔!しばらくは触るな!まったく、あなたって…」
昨日の仕打ちに枕をガイウスに叩きつけるハリエルとは対象に、ガイウスは猫のようが甘えるように、ハリエルに身体をすり寄せてくる。
「痛かった?ごめん、でも…俺、どうしても離れたくなくて…もう少しだけ、こうしてたい」
「そんなこと言っても無理。体もこんなに色々つけて恥ずかしくて外に出られないじゃない!」
体はもうボロボロである。それなのにガイウスは嬉しそうにわたしの体を撫でた。
「じゃあ、今日は家から出なければいいだろう。動けないなら俺が全部世話してやる!何でも言って、手伝うから」
と大真面目に言う。
「嫌よ。あんなみたいなのとずっと一緒にいるなんて……」
そんなふうにちぐはぐな二人の空気を断ち切るように、控えめなノックが響いた。
「お嬢様、ご朝食をお持ちしました」
ルミナとマーサが慎重に扉を開け、朝食のトレーをベッドサイドのテーブルに静かに置いた。
そうして朝食を運び終えたマーサが、ふとベッド脇にいたハリエルを見てあまりの惨状に絶句した。
「ちょっと…お嬢様、肩も腰も太ももまで…噛み跡や鬱血が残ってますけど…なんでこんな傷だらけなんですか!!」
ハリエルは恥ずかしくてブランケットで体を必死に隠し、ガイウスの方を真剣に睨む。
マーサはガイウスを真正面から見据えて唸った。
「ほどほどにしてください!!お嬢様は人間なんですよ!?昨夜は随分楽しまれたようですが、体のつくりが獣人男性とは違うんです。ちゃんと加減を覚えてください!」
ガイウスは耳をペシャリと下げ、目を泳がせる。
「悪い。初めてで……興奮してしまって……もちろん。ハリエルの面倒は俺が見るぞ!」
自信満々に言うものだからマーサがさらに詰め寄る。
「それこそ迷惑です。あなたのような獣に面倒を見られてもお嬢様は落ち着かないだけでしょう。念の為人間の医者を呼んでいただけますか?」
一方、トーストを並べ終えたルミナは、ハリエルのあちこち残る痕跡をちらりと眺め、肩を竦めて微笑む。
「獣人の結婚初夜なんて、みんなこんなもんですよ。うちの兄も、妹も、初夜の後の朝は噛み跡だらけでしたよ?」
マーサはルミナを振り返り呆れながらため息をつく。
「あなたたち獣人の同じにされたら困ります!お嬢様は人間なんですよ?」
ハリエルはブランケットをぎゅっと抱きしめる。
「とにかく今日は何も予定入れないで。動くのも辛いんだから」
ガイウスが申し訳なさそうにハリエルを後ろから抱きしめ、頭を撫でてきた。
「次はもっと加減する……」
「そうして貰わないと困りますわ。当分はやりませんからね」
そう宣言するとまるでこの世の終わりをみたかのような顔な悲壮感漂う顔をして、ガイウスは慌てたようにハリエルに懇願する。
「それは困る。なあちゃんと優しくするから……」
もふもふとした顔を擦り付け甘えるように、こちらを見てくる。
そんなことされても苛つくだけである。
こっちはぐったりしてるのに、向こうはむしろ毛皮がツヤツヤしてきてるような気さえする。
わたしから何か奪ったんじゃ無かろうかと馬鹿な考えまで浮かぶ。
「もうこっちはボロボロなのよ。体も傷だらけだし、もうあちこち痛いの!少しくらい休ませてよね!」
「そうです。お嬢様の世話も私たちがしますし、ガイウス様は、しばらくお勤めは控えてください!」
横からマーサも口を挟み、ガイウスに釘を刺す。
「いやー。でも、番の文様すごく綺麗ですよ。羨ましいなあ!」
こんな雰囲気でも呑気に笑顔で言う。
「ちょっと!ルミナやめて……」
「とにかくガイウス様も人間のお嬢様には獣人よりも体が強くないってことをちゃんと理解してくださいね」
マーサは最後までガイウスに圧をかける。
「人間のお嬢様には獣人と同じ体力はないんですよ!」
ガイウスは再度しょんぼりしながら、「わかった」と小さくうなずいた。
部屋の温度は少しだけ和らぎ、新しい夫婦の、ぎこちなくも温かい朝が静かに始まった。
目覚めの瞬間、体の節々に昨夜の余韻が残り、思わずハリエルは眉をひそめた。
肩や腰、太ももにまで残る、鬱血や噛み跡が昨日の情事の激しさを物語っていた。
隣でガイウスがすぐさま目を覚まし、寝返りをうってこちらを見る。
彼は見るからに満足げな笑みを浮かべて近づいてくる。
「おはよう、ハリエル。昨夜は…本当に綺麗だったよ」
その甘ったるい声にハリエルはうんざりしながらも枕で顔を隠す。
「最低!!……昨夜は絶対にやりすぎよ。動くのも辛いんですけど」
手元にあった枕を投げつける。
「ごめん…でも、お前が全部可愛すぎて…もう少しだけ一緒にいたい」
「近寄らないで!!このけだもの!色情魔!しばらくは触るな!まったく、あなたって…」
昨日の仕打ちに枕をガイウスに叩きつけるハリエルとは対象に、ガイウスは猫のようが甘えるように、ハリエルに身体をすり寄せてくる。
「痛かった?ごめん、でも…俺、どうしても離れたくなくて…もう少しだけ、こうしてたい」
「そんなこと言っても無理。体もこんなに色々つけて恥ずかしくて外に出られないじゃない!」
体はもうボロボロである。それなのにガイウスは嬉しそうにわたしの体を撫でた。
「じゃあ、今日は家から出なければいいだろう。動けないなら俺が全部世話してやる!何でも言って、手伝うから」
と大真面目に言う。
「嫌よ。あんなみたいなのとずっと一緒にいるなんて……」
そんなふうにちぐはぐな二人の空気を断ち切るように、控えめなノックが響いた。
「お嬢様、ご朝食をお持ちしました」
ルミナとマーサが慎重に扉を開け、朝食のトレーをベッドサイドのテーブルに静かに置いた。
そうして朝食を運び終えたマーサが、ふとベッド脇にいたハリエルを見てあまりの惨状に絶句した。
「ちょっと…お嬢様、肩も腰も太ももまで…噛み跡や鬱血が残ってますけど…なんでこんな傷だらけなんですか!!」
ハリエルは恥ずかしくてブランケットで体を必死に隠し、ガイウスの方を真剣に睨む。
マーサはガイウスを真正面から見据えて唸った。
「ほどほどにしてください!!お嬢様は人間なんですよ!?昨夜は随分楽しまれたようですが、体のつくりが獣人男性とは違うんです。ちゃんと加減を覚えてください!」
ガイウスは耳をペシャリと下げ、目を泳がせる。
「悪い。初めてで……興奮してしまって……もちろん。ハリエルの面倒は俺が見るぞ!」
自信満々に言うものだからマーサがさらに詰め寄る。
「それこそ迷惑です。あなたのような獣に面倒を見られてもお嬢様は落ち着かないだけでしょう。念の為人間の医者を呼んでいただけますか?」
一方、トーストを並べ終えたルミナは、ハリエルのあちこち残る痕跡をちらりと眺め、肩を竦めて微笑む。
「獣人の結婚初夜なんて、みんなこんなもんですよ。うちの兄も、妹も、初夜の後の朝は噛み跡だらけでしたよ?」
マーサはルミナを振り返り呆れながらため息をつく。
「あなたたち獣人の同じにされたら困ります!お嬢様は人間なんですよ?」
ハリエルはブランケットをぎゅっと抱きしめる。
「とにかく今日は何も予定入れないで。動くのも辛いんだから」
ガイウスが申し訳なさそうにハリエルを後ろから抱きしめ、頭を撫でてきた。
「次はもっと加減する……」
「そうして貰わないと困りますわ。当分はやりませんからね」
そう宣言するとまるでこの世の終わりをみたかのような顔な悲壮感漂う顔をして、ガイウスは慌てたようにハリエルに懇願する。
「それは困る。なあちゃんと優しくするから……」
もふもふとした顔を擦り付け甘えるように、こちらを見てくる。
そんなことされても苛つくだけである。
こっちはぐったりしてるのに、向こうはむしろ毛皮がツヤツヤしてきてるような気さえする。
わたしから何か奪ったんじゃ無かろうかと馬鹿な考えまで浮かぶ。
「もうこっちはボロボロなのよ。体も傷だらけだし、もうあちこち痛いの!少しくらい休ませてよね!」
「そうです。お嬢様の世話も私たちがしますし、ガイウス様は、しばらくお勤めは控えてください!」
横からマーサも口を挟み、ガイウスに釘を刺す。
「いやー。でも、番の文様すごく綺麗ですよ。羨ましいなあ!」
こんな雰囲気でも呑気に笑顔で言う。
「ちょっと!ルミナやめて……」
「とにかくガイウス様も人間のお嬢様には獣人よりも体が強くないってことをちゃんと理解してくださいね」
マーサは最後までガイウスに圧をかける。
「人間のお嬢様には獣人と同じ体力はないんですよ!」
ガイウスは再度しょんぼりしながら、「わかった」と小さくうなずいた。
部屋の温度は少しだけ和らぎ、新しい夫婦の、ぎこちなくも温かい朝が静かに始まった。
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