【完結】婚約破棄されたら執着獣人閣下に無理やり番にされたので利用し尽くしつくします~運命の番といわれ溺愛されても信じられません~

たるとタタン

文字の大きさ
53 / 69

53話 マーキング

ガイウスの瞳には、どろりとした熱が宿っていた。

理性の奥で何やら危ういものがゆらめき、純粋な執着が肌の奥まで刺さる。

私はその視線から逃げられず、ベッドの上で小動物のように身を縮めるしかなかった。

彼の指がゆっくりと寝衣の裾を這い上がっていく。脛から膝、とろけるように太ももへと撫でられるたび、先ほどまで存在しなかった奇妙な疼きが体内に生まれていった。

理性が「逃げろ」と警鐘を鳴らすのに、熱を帯びた彼の吐息が触れるたび、抗うこともできず力が抜けていく。

「やめて……ガイウス、だめ……」

引きつった声が、囁きのように空気に溶ける。

しかし彼は動じない。私の両手首を大きな手で優しく押さえ、頭上にそっと絡め取る。いやらしい言葉など一つも吐かない代わりに、じっと私の顔を覗き込み、熱を湛えたまま口づけを降らせた。

ゆっくり、何度も重ねられるキスは、さっきの強引なものとは違い、むしろ丹念に私の心をほぐすようだった。

舌先が、口内を優しく探る度、意識の奥まで蕩かされていく。

彼の手は寝衣の裾を引き上げ、むきだしの腿に沿って移動していく。

ゆっくり撫でられる肌は、まるでうっすらと火傷を負ったように敏感になった。私はもう、彼の腕の中で抗うだけの力を持て余していた。

「……やめてって言ってるのに、体は全然逆のことを言ってるな」

彼は私の頬にそっと触れ、親指で涙を拭うように撫でた。

その手の大きさと温かさに、一瞬だけ心がほどけそうになる。

「どうして……私、怖いわ。あなたが……」

「怖いなら、なおさら俺を刻み込まなくちゃ。他の雄が近づけないように、全部上書きしないと」

低く唸るような声。

そのまま首筋に顔をうずめ、自分の歯型の上に再び熱いキスを落とす。

舌で跡を丹念に舐めて、まるで自分だけの女を完成させるかのようだった。

その愛撫は執着と優しさ、両方を含んでいた。

徐々に、私は恐怖と同時に胸の内に甘い痺れを覚え、声を漏らす。

「…んん♡あ♡はぁ……っ♡」

彼のすることなすことが、すべて私の欲望や罪悪感を上書きしていくのだ。

やがてガイウスの手が私の脚を大きく開かせ、膝をベッドに沈めた。

もう拒む術も、言葉も出てこない。彼は逞しい身体全体で私を覆い被さり、肩や胸元に静かにくちづけていく。

「ハリエル、お前は俺だけのものだ。……ちゃんと分かるだろう?」

強く、しかし想いが込められた彼の愛撫。

彼はゆっくりと指先で秘所の縁を滑らせ、じんと熱が沁み込んでいくのを感じさせる。

「だめっっんん……ふぁっだめぇっ…………」

そのまま一指、また一指と慎重に花弁を割き、やさしく愛撫し続けた。

最初は涙交じりの声で抵抗していた私も、気が付けば喉の奥から甘い吐息が零れていた。

「ふぁ♡……あっ♡……だめっ♡……ぁぁ♡」

彼の指がそっと膨らみを愛撫し、花芯を優しく弾くたび、身体が勝手に仰け反る。羞恥と快感、全部が一つの波に呑みこまれていく。

「やめて……いや……ああ、ガイウス……」

けれど、もう本当の意味でいやだとは言えなかった。ただ彼の指と舌が織りなす快楽に、ただひたすら溶かされていった。

「大丈夫だ。……安心して、全部任せてくれ」

彼の声はうっとりと深く、気づけば私は彼の逞しい腕に身を任せていた。身体の奥まで熱が流れ込んでゆくのを、ぼんやりとした意識の中で味わい続けた。
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました! ※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)  狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。  突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。  だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。  そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。  共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?  自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。

「偽聖女」と追放された令嬢は、冷酷な獣人王に溺愛されました~私を捨てた祖国が魔物で滅亡寸前?今更言われても、もう遅い

腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢フィーア・エメラインは、地味で効果が現れるのに時間がかかる「大地の浄化」の力を持っていたため、派手な治癒魔法を使う異母妹リシアンの嫉妬により、「偽聖女」として断罪され、魔物汚染が深刻な獣人族の国へ追放される。 絶望的な状況の中、フィーアは「冷酷な牙」と恐れられる最強の獣人王ガゼルと出会い、「国の安寧のために力を提供する」という愛のない契約結婚を結ぶ。

【完結】 「運命の番」探し中の狼皇帝がなぜか、男装中の私をそばに置きたがります

廻り
恋愛
羊獣人の伯爵令嬢リーゼル18歳には、双子の兄がいた。 二人が成人を迎えた誕生日の翌日、その兄が突如、行方不明に。 リーゼルはやむを得ず兄のふりをして、皇宮の官吏となる。 叙任式をきっかけに、リーゼルは皇帝陛下の目にとまり、彼の侍従となるが。 皇帝ディートリヒは、リーゼルに対する重大な悩みを抱えているようで。

完璧な政略結婚のはずでしたが、宰相閣下の“私の妻”扱いが甘すぎます

星乃和花
恋愛
政略結婚のはずでした。 家同士の利も、立場の釣り合いも、全部きちんと整った、完璧に合理的な結婚。 ……なのに、夫となった冷徹宰相は、なぜか人前で私を「最高の妻」と紹介し、暮らしを完璧に整え、他人に近づかれると不機嫌になってしまいます。 “天使”と噂される穏やかな令嬢フィオナもまた、 そんな不器用な優しさに少しずつ心をほどかれて――。 これは、条件で選ばれたはずの夫婦が、 いつの間にかお互いを“ただ一人”として欲しくなるまでの、甘くてやさしい政略結婚物語。 (毎日21:50更新ー全8話)

【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り

楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。 たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。 婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。 しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。 なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。 せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。 「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」 「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」 かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。 執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?! 見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。 *全16話+番外編の予定です *あまあです(ざまあはありません) *2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!

鈴宮(すずみや)
恋愛
 サウジェリアンナ王国の王女エルシャは、不幸だった前世の記憶を持って生まれてきた。現世ではみんなから愛され、幸せになれると信じていたエルシャだったが、生後五ヶ月で城が襲撃されてしまう。  絶体絶命かと思いきや、エルシャは魔術師の男性から救出された上『リビー』という新たな名前を与えられ、養女として生きることに。  襲撃がジルヴィロスキー王国によるものと気づいたリビーは、復讐のため王太子妃になることを思いつく。けれど、義理の兄であるゼリックがあまりにもリビーを溺愛するため、せっかく王太子アインハードに近づくことに成功しても、無邪気に邪魔され計画がうまく進まない。  ゼリックの干渉を減らすためリビーは彼の婚約者を探したり、ゼリック抜きでアインハードとお茶をして復讐を成功させようと画策する。  そんな中、十六歳に成長したリビーはアインハードと同じ学園に入学し、本格的なアプローチを開始する。しかし、ゼリックが講師として学園へ来てしまい、チャンスをことごとく潰されてしまう。 (わたしは復讐がしたいのに!)  そう思うリビーだったが、ゼリックから溺愛される日々はとても幸せで……?

「俺にしがみつくのはやめろ」と言われて恋が覚めたので、しがみつかずにリリースします。相容れないとほざくあなたは、今、私に捨てられましたわ

西野歌夏
恋愛
前世でフラれた記憶を思いだしたフローラ・ガトバンは、18歳の伯爵令嬢だ。今まさにデジャブのように同じ光景を見ていた。 エイトレンスのアルベルト王太子にまつわるストーリーです。 ※の付いたタイトルは、あからさまな性的表現を含みます。苦手な方はお気をつけていただければと思います。 2025.5.29 完結いたしました。