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プロローグ
土佐真人
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祖父の図書室はとてつもなく広い。
祖父が資産家であったことは知っていたが、正直ここまでとは、土佐真人(とさまさと)は考えたこともなかった。
「これを掃除すんのかよ・・・」
祖父が死に、残った土佐一家は祖父の家に遺品の整理をしに来ており、真人の担当は地下にある図書室であった。
しかし真人はここに来たのは初めてである。地下への道は薄暗いためランタンを使わねばならず、はっきり言って行きたいと思う場所ではなかった。
入ってみると洋風の机と椅子が一組、あとは壁一面、天井まで広がる本棚と蔵書であった。
真人も本が嫌いな方ではないが、これだけあると気が滅入ってしまう。しかも日本語の本もあるかと思えば、どこの国の文字かもわからないような本もたくさんあった。
(適当に本棚以外掃除して戻ろう)
雑巾を絞り、机を拭こうとすると、
『愛する孫 真人へ』
の文字が目に入ってきた。
ふと横を見ると、そう書かれたメモと共に、分厚い本が一冊。
(爺さんから――?)
メモは明らかに祖父の字である。辞書並の分厚さと重さに真剣に読もうとは考えなかったが、自分宛てだからとぱらぱらとめくってみる。
が、その中にあったのは…
(地図?と…トランプ?)
意味のわからない文字列が書かれた数ページの後は箱のようになっており、その中にどこかの国の地図と、不揃いのトランプが入っていた。
(マークは四つともあるみたいだが…全然そろってねえなこりゃ…)
トランプは20枚、各マークで、10、エース、ジャック、クイーン、キングのカードがあった。
(?これって…)
「ロイヤルストレートフラッシュ?」
真人がそう呟いた瞬間だった。
本の文字が浮かび上がり、真人の周りを光りながら回り出した。
「は…!?」
あまりの光に目をつぶった真人は、意識が遠のくのを感じた。
祖父が資産家であったことは知っていたが、正直ここまでとは、土佐真人(とさまさと)は考えたこともなかった。
「これを掃除すんのかよ・・・」
祖父が死に、残った土佐一家は祖父の家に遺品の整理をしに来ており、真人の担当は地下にある図書室であった。
しかし真人はここに来たのは初めてである。地下への道は薄暗いためランタンを使わねばならず、はっきり言って行きたいと思う場所ではなかった。
入ってみると洋風の机と椅子が一組、あとは壁一面、天井まで広がる本棚と蔵書であった。
真人も本が嫌いな方ではないが、これだけあると気が滅入ってしまう。しかも日本語の本もあるかと思えば、どこの国の文字かもわからないような本もたくさんあった。
(適当に本棚以外掃除して戻ろう)
雑巾を絞り、机を拭こうとすると、
『愛する孫 真人へ』
の文字が目に入ってきた。
ふと横を見ると、そう書かれたメモと共に、分厚い本が一冊。
(爺さんから――?)
メモは明らかに祖父の字である。辞書並の分厚さと重さに真剣に読もうとは考えなかったが、自分宛てだからとぱらぱらとめくってみる。
が、その中にあったのは…
(地図?と…トランプ?)
意味のわからない文字列が書かれた数ページの後は箱のようになっており、その中にどこかの国の地図と、不揃いのトランプが入っていた。
(マークは四つともあるみたいだが…全然そろってねえなこりゃ…)
トランプは20枚、各マークで、10、エース、ジャック、クイーン、キングのカードがあった。
(?これって…)
「ロイヤルストレートフラッシュ?」
真人がそう呟いた瞬間だった。
本の文字が浮かび上がり、真人の周りを光りながら回り出した。
「は…!?」
あまりの光に目をつぶった真人は、意識が遠のくのを感じた。
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