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3 イカ焼き
一 そうじゃなくて(※)
セックスしてる部屋は、湿度があがる。
夜は肌寒いけど日中はあたたかくなりつつある春。午後八時。
俺の部屋。
常夜灯にして、シングルベッドで冬くんと絡んでる。正常位で激しく揺さぶられて喘いでる。
冬くんの呼吸と、冬くんの汗が気化して、湿度になって部屋を満たしている。
ということは、表に出ている壁や床などはすべて、冬くんの体液をうっすらとまとっている。
と思うと、冬くんが帰った後も、俺は冬くんの体液をいつだって舐めることができるってわけで。
妖怪壁&床舐めの爆誕だ。
「あっ、あっ、んふ、ふあ、お願い、冬くん、きもち」
「っ、ふ、ぁっ、花火くん、気持ちい」
「冬くん、あっ、あ」
「俺、またいく……花火く、んっ……」
入れたまま何度目だろ……。
冬くん、どんどん元気になってる。若い……。体力無尽蔵。
俺、両足広げっぱなし。股関節もイきそう。別の意味で。
これまで会った回数はまだ片手だ。本日五回目の会合。
冬くんは関西に来る仕事が多くて、そのたびにわざわざ俺に会いに来てくれる。
そのたびにこうしてる。中出しされた回数はたぶん五十回を超えてる。俺なんかの体に満足してくれてるみたいで、めちゃくちゃ嬉しい。
汗だくで射精しながら必死に口づけ。
冬くんの手つきは、丁寧で甘くて、愛情がこもっているみたいに気持ちいい。
「花火くんのここ、俺すごく好きです……」
「俺も、冬くんの、っ」
「冬くんの、何ですか? 全部言ってください」
そんな意地悪言われたら大歓喜で感涙しちゃう……。
超イケメン冬くんの顔面、パーフェクトな細身筋肉ボディ、目を少し細めて俺を見下げるいやらしい表情、囁き低音ボイス、えっちぃ淫語責め、興奮度MAXのぎんぎんちんちんに、丁寧な愛撫、無尽蔵の体力。濃厚精液。
こんなセフレに抱かれるなんて、俺は夢でも見ているのではなかろうか。
なにか……しなきゃ。こう、冬くんに悦んでもらえるように……!
「冬くんのおちんちん、気持ちいぃ……好き……あっ、なかで、おっきく……」
事実をただ並べるだけじゃだめだ……!
「冬くん、奥突いてぇ」
これでは俺の要求だ。いろんな意味で頭を抱えてしまう。
でも冬くんはにこにこと満足そうにしてる。
全身を重ね合わせて、両手をつなぎ合って、しっかり抱き合って、どこもかしこもぴったりしたまま、冬くんのピストンで揺さぶり合う。
「これ好きですか?」
「好き、好き……!」
「俺も好きです。花火くん」
「あ、あ、あ、は……」
おでこを当てながら、冬くんは言った。
「花火くん、唾液、飲めます?」
「い、いいの……!?」
神の雫……!?
ディープキスで冬くんのなまあたたかい唾液が流れこんでくる。
口の中、喉、上からも下からも冬くんに犯されてとろとろ。
「花火くんのもください」
「ん……」
俺も溜めて流し込むと、冬くんはぢゅっと吸ってきた。口の中で混ぜ合わせて味わってる。
「唾液交換、初めて……」
「花火くん、俺、今までにないくらい感じてる」
「冬くん、俺も……」
「花火くんも気持ちよくなってくれてると嬉しいです」
こんなセックスがあっていいのだろうか。
いや、あるはずがない。
でも現実、冬くんは、俺をこんなふうに抱く。
まるで恋人とするみたいに、楽しそうに嬉しそうに俺を抱いてくれる。
サービス精神旺盛な神による神ファンサである。
「冬くんのセックス、好き……」
「あっ……奥はめそう……」
「ン、んん、は、入……」
「入れちゃいますよ、花火くんの大事なとこ」
「冬くんっ、届いちゃう、う、あ」
「ここでイっていいですよね。花火くんのここやりまくっていいんですよね。俺だけなんですよね?」
「冬くんだけ……!」
にゅこにゅこやられて、頭真っ白。
涎が溢れてきて吸われて、細いけどしっかりした肩に必死に掴まって、冬くんの頬に鼻を寄せてキスをねだる。
冬くんは俺の顔のあちこちを何度もついばんで、唇を重ねた。
「花火くん……」
「冬くん、好き……」
「っ……」
冬くんが力強く突いてくる。
中出し熱望。
「花火く、俺も、俺も、好きです……!」
一番奥に来た。この苦しさがたまらん。
冬くんがびゅるびゅる射精して、汗だくで真っ赤になって、はあはあ言いながら。
冬くんは少し息が落ち着いたと思ったら、首筋に甘噛みしながら呻いた。
「んんぅ、花火くん……」
「中出しすご……」
「うー……すみません……出しすぎですね……」
大丈夫、下から飲ませて。
さっきから俺は自分がキモくて、口に出せない。
冬くんがむぎゅーっと抱いてくる。
「冬くん絶倫……」
最高!
「だって、すごくいいんですもん……花火くん。興奮する肌触り……」
「それは……ぷにぷにだから」
食べすぎなんだよね、俺。
グルメアカウントをし始めてからは、ぷにぷに急加速。がんばって体重管理はしているものの、少し油断するとすぐに腹が出ちゃう。
もともと食が好きというか、食は陰キャだからといって俺を嫌ったりしない、万人を受け入れてくれる趣味だから……。
「花火くん、肌つるつるです。でもそうじゃなくて……」
「んふふ」
「そうじゃなくて……」
何かを考え込みながら冬くんが体を持ち上げる。きらきらした優しい双眸が俺を見下ろす。
その瞬間、ふたりの空腹音がかぶった。
ふたり同じタイミングで噴き出した。
「おなかすいたね!」
「はい!」
今回こそ、美味しいごはんに案内するぞ!
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