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3 イカ焼き
二 イカ焼き(※)
外で寿司を食べることに大成功。
冬くんに美味しいごはんを味わってもらえて感無量。
近くの商店街の中にある、このあたりの寿司屋でいちばん気に入ってる店だ。カウンター席しかない小さな店で、いつも満員。美味しくって、でもリーズナブルで、どのネタも新鮮。
お会計を終えてのれんをくぐり、外に出る。
「美味しかったです!」
「でしょ!」
「お気に入りです!」
冬くんのお気に入りだって……!
寿司屋が憎らしい。嫉妬しちゃう!
「ネタが新鮮なの。うに良かったでしょ。あら煮も美味しいけど朝イチで行かないと売り切れてて」
「うに苦手だったんですけど、花火くんが美味しそうに食べるんで食べたら、生臭さがなくて驚きました」
「え! 苦手だったの!?」
言われてみれば食べる寸前に若干の間があった気がする。
けど、ちっとも気づかなかった。気づかせなかった冬くんってすごい。演技力まであるのか……。
「はい。でも美味しかったです。ここのは好きです」
「だったらよかったー。でも、無理はしないようにね! 赤だしはどうだった?」
「人生で飲んだ中で一位」
「ひゃあ」
「毎日飲みたいです。あとは……」
「冬くん、まぐろと貝類が好きなんだよね。他は何を食べたっけ」
「のどぐろ、はまち、中とろ、たまご」
「いくら、うに、うなきゅう、生エビ、サーモン……」
指折り数えていく。
「帆立、穴子、かにみそ……」
「いっぱい食べたね! 何がいちばん好き?」
「花火くん!」
「やばすぎる」
冬くんのサービス、こんなに大盤振る舞いで大丈夫なんだろうか……。逆に心配になる。疲れたりしないのかな。俺ごときにこんなこと言っちゃったりして。
冬くんから手をつないでくれて、二人で商店街を歩いていく。ドキドキしてくる。誰も俺たちのことを見てないと言いたいところだけど、けっこう見られてる。冬くんは好意的に、俺への視線は「彼と手と繋いでいるお前はいったい何なんだ」である。
大丈夫かなぁ……。心配。
そろそろ閉店の時間で、遠くでシャッターをおろす音が聞こえてくる。店の軒先にワゴンを出して、赤札に通りすがりの客が群がっている。揚げ物かな?
「夜食に何か買ってく??」
「ですね!」
俺たちも、惣菜屋のワゴンを覗いた。やっぱり揚げ物と粉もん。
「ここも美味しいよ!」
「イカ焼き……」
「イカ焼きおすすめ!」
と、イカ焼きを二つ購入。
スーパーでビールを二缶買って、帰宅してちゅう。
俺はテーブルにイカ焼きとビール。マヨネーズと七味を準備。
我ながら完璧な布陣だ。あたためたイカ焼きと七味マヨは奇跡の組み合わせなのである。
「あ、冬くんの寝間着。その引き出しの下に入れてるよ」
「ありがとうございます」
二回目のときに冬くんは、寝間着を置いていっていいかと質問してきた。
部屋に荷物の少ない俺は快諾して、クローゼットの中に備え付けている三段の収納ケースの一番下の段を冬くん用にして、寝間着と下着と肌着を入れてある。
冬くんは引き出しを開けて着替えた後、その上の段に入れている俺の寝間着を取り出してくれた。
「はい、花火くん」
「ありがとー」
「脱がせてあげます」
「やーん、えっちだー!」
「よいではないか、よいではないか」
とごっこ遊びを挟みつつ、寝間着に着替えて、こたつ。
冬くんは俺を膝の間に座らせたがるから、俺は大人しく座っている。
背中に体温。そうっと抱かれると心地いい。冬くんは俺の耳の後ろに口づけている。
付き合って間もない恋人みたいなイチャイチャが、俺を調子に乗らせる。
「冬くん。イカ焼きお食べ」
「あーんしてくださーい」
「あーん!!!」
冬くんに「あーん」する権利がこの世にあったとは……。
イカ焼きを頬張って食べてる冬くんは、終始笑顔で、心から楽しそうにしてくれてる。いい子……。
醤油とマヨと七味をつけたピリ辛のイカ焼きを食べて、二人ともビール。
最高。
とそのとき、充電していた俺のスマホが鳴った。誰だろうと覗き込む。
「大丈夫ですか? お仕事?」
「ううん。でも、あとにするね」
「急ぎなら」
「大丈夫!」
以前、二、三回ぐらいエッチしたことがあるタチの子だった。半年ぶりかな?
ふだんは別の地方都市在住だけど、明日の夜に大阪に来るから会えるウケを探してるみたいなメッセージが読み取れた。前にあったのは、冬くんと会う数ヶ月前だ。
悪い相手じゃなくて、むしろいい感じの距離感のひとだった。
俺が断ったとしても他にも相手は見つかると思う。ちゃんとしたひとだったもんね。
いまは冬くんといたいから、あとで「いま、固定のセフレがいる」って送っておこう。
冬くんがそのうち俺に飽きちゃって、別のひとにしますってことになったら振られたってことで慰めてもらおう。
テーブルの上を片付けて、二人で歯を磨いて、シャワーを浴びた。
寝間着に着替えようとしたけど冬くんが阻止して、ふたりとも肌着だけ着た状態で、キッチンに立たせてバックで挿入しようとしてくる。
「花火くん、いれたいです」
「性欲すごい……」
「花火くんが可愛いせいです」
「冬くんのほうが、かわ、い、あ、あ」
「花火くんに挿入するの好き……もっと声聞かせてください」
いつの間にそんなに勃起したのか、冬くんは万全で、完全に上を向いてる。
俺は背後に腕を回して、尻穴を塞ごうと先っぽが入っているそこを、指で確かめる。
みちみちになってる。太くて長い冬くんがローションを足しつつ入ってくる。
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