その冷たいまなざしで

ココ

文字の大きさ
上 下
51 / 72

紗奈side30

しおりを挟む
...

「んっ...」

あ....寝てた...。
.....一時頃まで覚えてるけど寝ちゃってたんだ....。
寒いからベッドで待ってようと移動して...


あっ 優人さん!


ガバッとベッドから跳ね起き辺りを見渡す。
わざとリビングへのドアを半開きにしてあったそこからは
人の気配はなく 急いでリビングへ確かめに行く。

やっぱり優人さんはいなくて。

置き時計を見るとam6:00。
すぐにスマホを確認した。

連絡は何も入ってなかったので メッセージをラインでいれる。


優人さん
まだかかりますか?
大丈夫?

少しは眠れたのかな。
 御飯食べれたのかな。
出張で疲れてる上 こんな状態で心配。

コーヒーをたててると返事が返ってきて
急いでメッセージを見ると


 ごめん。どうにかカタがついた。すぐ帰る。



それを見て
心の底から喜びが溢れ出す。

あっそうだ と思って急いでそれに返した。



 優人さんの車で迎えに行きます。



そう送って家を飛び出した。



車に乗り込みながらスマホを確認すると
優人さんからラインが。
シートベルトをしながら見た。


 気をつけて。ありがとう。


ニヤニヤするのを止められなかった。



安全運転で会社の近くまで行き 車を停める。
もうすぐ会える。
そう思うと居ても立っても嬉しくて。

会社の前まで来てラインしようとして。



ふと 何かが気になった。

気になった方に目をやると一台の車が停車していて
私からは車の後部が見えた。

嫌な予感。

じっと見つめると頭が二つ見える。
右の一つは女性。

左のもう一つは  優人さん。

間違いない。
分かる。優人さんだ。
もう一つは間違いなく 女性。


二つの頭は 寄り添っていた。

しおりを挟む

処理中です...