異世界転生者はぶっ殺せ

UZI SMG

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第四章

悪魔

――頭がぼーっとする。

 だがなぜだろうか、とても安らかな気分だ。
 まるで幻術魔法をかけられたような、夢の中を泳いでいるような不思議な気分だ。
「ロイス……」
 懐かしいお父さんの声がどこかで聞こえた気がした。

「お父さん?」
 その声に、応えてみる。
「ロイス……」

 また同じ声が聞こえて、頭がボーっとしているが、心が高鳴る妙な高揚感の中、そっと息を吸うと血の匂いがした。目を開けるとはらわたが、手の中で踊っていた。
!?!!?
 
 徐々に手の感覚が戻ってきて、豚や魚とは違う内臓が手の動いているのが分かった。そしてその内臓は、力無く今も脈を打ちながら生きている。
「綺麗だ……これは?」何気なくその珠玉のように輝く内臓に目線を落とすと、その臓器の一部が尾を引いて
村長の腹部に繋がっており、これが人間のはらわただと確信した。
「……ロイス?」

 はらわたが出て動けない村長が、引きつった表情でこっちを凝視してくる。その目がこの世の者と思えない色で困惑する。
「ロイス……なんで??」
その問いかけに答える事ができずに、表情さえも変える事ができない。
 なぜこのような状態になっているのだろうか?いったいどうなってる?

(おいしいよ?口にいれてみな?)

 また、異常な鼓動のような囁きが頭の中に広がって行く。この声の主はいったい何者なんだ?

「うるさい!!!!黙れ!!!!」
 その声を払うように叫ぶが、その鼓動に似た囁きはますます大きくなる。

「ロイス……悪魔と契約したのか……」
 村長が異変に気がついたのか、悲しそうに声を絞り出す。

「いや、俺は……」
 契約したのは分かっている。俺は人間ではない。もうこの村の者でもない。

「ならば勇者を殺してくれ……私の全てを奪った彼を」
村長がそう言って目を限界まで見開く叫ぶ。意志が通ったその声とその瞳はまるで、新しい生命が宿ったような神秘的な色と気味の悪さを覚えさせた。

「……」

 そして静寂、目の前で村長が絶命するのが分かった。手の中の内臓がゆっくり止まって行くのを感じる。

「……俺がやってしまったのか?」
 初めて人を殺してしまった。さらに身近な人間。そう思うと、恐怖が何度も心を襲う。

(彼はもう死んだよ。おいしいよ?口にいれてみな?)

 また鼓動が大きくなる。
「やめてくれ、俺は人間なんだ」
(違うよ。君は悪魔だよ)
「違う!!俺は人間だ」
 鼓動とそんなやりとりをしていると、いつの間にかどうでも良くなって
村長のはらわたを口に含んでしまった。

「うまい」
 つい自分でも信じられない言葉が口から出た。血の味が新鮮で、もっと食べたいと思った。

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