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Act.1
#8
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「まずい! 淳くんおされてる!!」
「やっぱファイヤータイプだけじゃムリか……二人とも、防御を強化するから淳を守って!!」
うっかり口調が女言葉になっている事など、沙弥は気ついていなかった。
「強化って、どうやってですか?」
「俺の分のエネルギーを二人に分けて送る。一・五倍になればアレ位はふせげるだろう?」
「それはそうですけど……」
竜也が心配する中、ついにアンティウヌにおされた淳がふきとばれる。
「淳くん!!」
「向こうからの攻撃をふせいで! 治癒力を高めるから!」
「はい!」
竜也と健太がアンティウヌからの攻撃をふせぐ中、沙弥は倒れたまま動かない淳の左腕を取り、まず散弾銃を消し、治癒力を高めた。そして浮を物陰に移動させると、自分のキーボードを操作して散弾銃を手にする。
「どいて!!」
二人が左右に避けると、サンダータイプに設定した散弾銃をアンティウヌに打ち込む。しかしエネルギーがゼロに等しい沙弥では、アンティウヌに致命傷を与えることはできなかった。
『ホーッホホ。貴様ごときの力でこのアタシがやれるもんかい。……おや? 一人足りないねぇ。あの黒いボウヤかい。嫌われちまったんだねぇボウヤ達』
するとアンティウヌは急に百八十度向きを変え走り出した。
「な……なに?」
「望月さん、健太くん急ぎましょう! あの人、想さんを狙うつもりです!!」
「!!」
その事実を聞いて一番驚いたのは、他の誰でもない想自身たった。確かに今アンティウヌが走っている先の一直線上には自分の家がある、しかも現実世界にいる想にはアンティウヌは触れる事ができるが、想本人はアンティウヌに触れることもできない。とっさに想はパソコンをノート型に変え、家の外に出る。
「望月さん、あなたから頂いたエネルギーをお返しします。そうすれば淳さんと一緒に飛ぶ事も可能ですよね?」
「あぁ、多分な」
『翼』を選択すると、背に翼が生え空中に浮かぶことができた。しかし今はそんな事に感心している場合ではない。一刻も早くアンティウヌに追いつき、止めなければいけない。
想は家の前の道路に座り込み、今までのアンティウヌの攻撃パターンから、どのタイプの武器が効果的か分析していた。そうしている間にも、リアルタイムで行動は流れ、アンティウヌも数十キロメートルという所まで迫って 来ていた。春になったばかりとはいえど、まだ夜の風が冷たく、ただでさえ体が弱く風邪をひきやすい想は、コートを羽織り防寒対策をきめこんでいた。
小さい頃から体が弱く、ろくに外に出してもらえず、『友達』というものもできなかった。従って集団行動というものは想が最も苦手としている事だった。正直、竜也の『力を合わせる』というセリフには吐き気すら感じた。
自分がこんなふうになってしまった責任は誰にある? 母親? 周りの人間?
いや、これは結局自分自身の問題だった。自分を変える事は自分にしかできない。
「あの……望月さん?」
「あぁ?」
「怒らないで聞いて下さいね。僕、望月さんと想さんって何だか似てると思うんです」
「似てる? 俺とアイツが?」
「あ、ぼくもそう思いました」
「雰囲気と言いますか……性格とか考え方が似てると思うんです」
「似てる……か。それはそうと、お前高一だろ?」
「え? あ、ハイ……」
「タメなんだから呼び捨てでいいぜ。敬語も使わなくていいよ」
「そういえば望月さんと竜也さんって同学年なんですよね。望月さん、もっとずっと年上の様な気がするんですよ」
「あんま年より上に見られたくねーな」
「アハハ。それってよく女の人が言いますよね」
健太の言葉に沙弥は一瞬ギクっとする。こんなささいな事で、自分の正体がバレてしまってはたまらない。
「望月さんが僕らの事、ちゃんと名前で呼んでくれたら僕も敬語使いません」
「竜也、健太、淳……だっけ?」
「やっぱファイヤータイプだけじゃムリか……二人とも、防御を強化するから淳を守って!!」
うっかり口調が女言葉になっている事など、沙弥は気ついていなかった。
「強化って、どうやってですか?」
「俺の分のエネルギーを二人に分けて送る。一・五倍になればアレ位はふせげるだろう?」
「それはそうですけど……」
竜也が心配する中、ついにアンティウヌにおされた淳がふきとばれる。
「淳くん!!」
「向こうからの攻撃をふせいで! 治癒力を高めるから!」
「はい!」
竜也と健太がアンティウヌからの攻撃をふせぐ中、沙弥は倒れたまま動かない淳の左腕を取り、まず散弾銃を消し、治癒力を高めた。そして浮を物陰に移動させると、自分のキーボードを操作して散弾銃を手にする。
「どいて!!」
二人が左右に避けると、サンダータイプに設定した散弾銃をアンティウヌに打ち込む。しかしエネルギーがゼロに等しい沙弥では、アンティウヌに致命傷を与えることはできなかった。
『ホーッホホ。貴様ごときの力でこのアタシがやれるもんかい。……おや? 一人足りないねぇ。あの黒いボウヤかい。嫌われちまったんだねぇボウヤ達』
するとアンティウヌは急に百八十度向きを変え走り出した。
「な……なに?」
「望月さん、健太くん急ぎましょう! あの人、想さんを狙うつもりです!!」
「!!」
その事実を聞いて一番驚いたのは、他の誰でもない想自身たった。確かに今アンティウヌが走っている先の一直線上には自分の家がある、しかも現実世界にいる想にはアンティウヌは触れる事ができるが、想本人はアンティウヌに触れることもできない。とっさに想はパソコンをノート型に変え、家の外に出る。
「望月さん、あなたから頂いたエネルギーをお返しします。そうすれば淳さんと一緒に飛ぶ事も可能ですよね?」
「あぁ、多分な」
『翼』を選択すると、背に翼が生え空中に浮かぶことができた。しかし今はそんな事に感心している場合ではない。一刻も早くアンティウヌに追いつき、止めなければいけない。
想は家の前の道路に座り込み、今までのアンティウヌの攻撃パターンから、どのタイプの武器が効果的か分析していた。そうしている間にも、リアルタイムで行動は流れ、アンティウヌも数十キロメートルという所まで迫って 来ていた。春になったばかりとはいえど、まだ夜の風が冷たく、ただでさえ体が弱く風邪をひきやすい想は、コートを羽織り防寒対策をきめこんでいた。
小さい頃から体が弱く、ろくに外に出してもらえず、『友達』というものもできなかった。従って集団行動というものは想が最も苦手としている事だった。正直、竜也の『力を合わせる』というセリフには吐き気すら感じた。
自分がこんなふうになってしまった責任は誰にある? 母親? 周りの人間?
いや、これは結局自分自身の問題だった。自分を変える事は自分にしかできない。
「あの……望月さん?」
「あぁ?」
「怒らないで聞いて下さいね。僕、望月さんと想さんって何だか似てると思うんです」
「似てる? 俺とアイツが?」
「あ、ぼくもそう思いました」
「雰囲気と言いますか……性格とか考え方が似てると思うんです」
「似てる……か。それはそうと、お前高一だろ?」
「え? あ、ハイ……」
「タメなんだから呼び捨てでいいぜ。敬語も使わなくていいよ」
「そういえば望月さんと竜也さんって同学年なんですよね。望月さん、もっとずっと年上の様な気がするんですよ」
「あんま年より上に見られたくねーな」
「アハハ。それってよく女の人が言いますよね」
健太の言葉に沙弥は一瞬ギクっとする。こんなささいな事で、自分の正体がバレてしまってはたまらない。
「望月さんが僕らの事、ちゃんと名前で呼んでくれたら僕も敬語使いません」
「竜也、健太、淳……だっけ?」
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