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第2章 カマキリ男の恐怖

第11話 何でアンタが

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「ねえ、手錠を外してよ。痛いわ!」

「処女を失うのとどっちが痛い?」

あまりにも馬鹿な質問に返事する気もおきない。

「確かに、手錠を掛けたままだと体が傷付いちゃうね。今日はこれしか無いけど次からは痛くない物を考えるよ」

「次って?もう次なんか無いわ!」

「君が大人しくしていれば次を無くしてもいいよ」

絶対に嘘だ

こんな奴の事を信じられる筈が無い

「どうぜ、変な事を考えているんでしょ!男なんて考える事はみんな一緒よ」

「ひどいな。さっきも言ったけど君が望まない限りSEXはしないし、僕は君を無理やり犯すような事はしないよ」

「今だって強引に手錠を掛けたじゃない、そんな人を信じられる筈は無いわ」

「う~ん。どうしたら信じてくれるかな?」

滝上が練習場の奥に歩いて行き用具室に入って行く。そして用具室から一つのカバンを持ち出してきた。

「ここに面白いパンツがあるんだよ」

また何か変な物を着させられるのだろうか?

カバンから取り出したパンツは革製の男用パンツだった。
パンツと言うよりか短パンみたくなっていて、太いベルトで固定する。
ベルトには穴が無く、シートベルトの様にはめ込み式になっていた。

カチャ

革製パンツを履いて近くに寄って来た

「ちょっと見てくれるかな?」

このベルトは鍵がないと開かないんだよ

小便をするための穴もチャックも無い、股間部分だけは革ではなくて布の様な物で出来ている。自らベルトを引っ張り、外れない事を見せてからベルトにある鍵穴へ鍵をさす。

ガチャ

ベルトが外れる。

何が言いたいのだろう?

「僕が革製パンツを履いてベルトを付ける。鍵は愛美ちゃんが持っててくれれば、勝手に手を出さないと信じてくれるかい?」

私が鍵を持っていれば、下半身を露出する事は出来ない。

でも、怪しい

「本当に愛美ちゃんは疑い深いね。これでも僕は将来の日本代表選手候補だよ。犯罪を犯しいて、一生を棒にする様な事をするはずないだろ」

確かにそうかもしれない。

「分かったわ」

「本当かい?」

カチャ

パンツのベルトに鍵を掛ける

「はい、これを持ってて」

手錠が掛かっている状態で滝上から鍵を渡された。

私は鍵を握りしめる

「じゃあ、これから手錠を外すけど、卓球台から降りてはダメだよ」

「分かったわ」

手足の手錠が外された。

このまま降りて逃げてしまおう

頭では考えるが行動出来ない。
仮にも卓球の日本代表候補の一人だ。私が捕まらずに部屋から出る事は難しい。

「もしかして逃げようとしている?」

まるで心の声を読み取ったように、にやけながら問い掛ける

「そ、そんな事、な、ないわ」

「愛美ちゃんって分かりやすいね」

たった一つの質問で、全て見透かされていると感じてしまう

「では、卓球台の上で大の字に寝てくれるかな?」

上はへそまで見える程、丈が短い体操服とブルマだ。

大事な所はかろうじて見えていない
でも、さすがに大の字になるのは恥ずかしい

「ねえ、足も広げないとダメなの?」

「もう、愛美ちゃんは注文が多いね。分かったよ足は開かなくていいから手だけ開いて」

私は卓球台で仰向けになり、両手を上げた。

「今度は手錠では無くて、縄で固定するよ」

「痛くしないでね」

「分かった」

まずは左手を縄で結ばれて卓球台の足に固定する。つづいて右手も卓球台の足に固定した。

「このままだと動けちゃうから、お腹を卓球台に縛り付けるね」
体操着が短くて肌が露出している、へその穴の少し上を何重も卓球台と体を一緒に縄を巻き付ける。

足は動くが体はまったく動けない。何をされるの?
不安ばかりが頭を過る

体操服を少し持ち上げて、ブラジャーを上にずらすと胸が露になる

「愛美ちゃん、凄く美しいよ。でも乳首は勃っていないんだね」

「当たり前でしょ、早くブラジャーを戻してよ!」

「見るだけならいいだろ。」

本当に見るだけで済むのだろうか?

「もう、絶対に触らないでよ」

「さっきは愛美ちゃんの柔らかそうな盛りあがりに手が出ちゃったけど、愛美ちゃんが求めるまで僕は手を出さない」

この男の本心が分からない
こんな事で感じるとでも思っているのかしら

体操着とブラジャーがずらされて胸が露になったまま、滝上が電話を掛けて出口のドアに向かって歩き出した。

なに?

滝上が部屋のドアを開けると、一人の男性の姿が目に入った

「吾郎!」
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