倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ

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第十一章

388 城での進化 ①

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 そうして案内してもらったのは、広々とした訓練場である。今の時間は使われていないみたいだし、ここならば進化させた配下を召喚しても大丈夫だろう。

 また案内してくれたメイドのルイーザが、人払いをするか訊いてきたけれども、別に構わないと言っておく。

 もはやこの城では、俺の存在やある程度の能力について、知れ渡っているみたいだしな。

 見ればチラチラと、俺の様子を伺っている者たちがいた。中には、祈る者までいる感じである。

 何だか少し気になるが、この城に滞在している間に慣れるしかないな。逆にコソコソする方が、面倒な気がする。

 そう思いつつ、俺はまず進化させる順番を決めることにした。

 うむ。ランクアップモンスターが先で、次にフュージョンモンスターにしよう。その中での順番は、入手順でいいか。

 今回進化させるのは四体であり、順番はトーン、ルトナイ、サン、アロマという感じで決めた。

 そういえば一度に四体も進化させるのは、初めてのことだな。そう考えると、何だかワクワクしてくる。

 どのような進化をげるのか、俺は今から楽しみで仕方がない。

 そして俺はいよいよ、配下たちの進化を実行に移す。

 よし、まず最初は、トーンからだ。

 俺はトーンのカードを取り出すと、生贄となる代償のカードを用意する。

 トーンはCランクのトレント系なので、代償は同じCランクでトレント系である、アプルトレントが十枚だ。

 ランクアップモンスターは、基本的に同じ系統で同じランクなら、代償の枚数は十枚で済む。

 だが代償にするカードのランクが低いと、必要な枚数が増える感じだ。

 なので今回は、アプルトレント十枚で問題ない。ちなみにアプルトレントの枚数はこれで、三十枚から二十枚になる。

 そうして俺は、トーンの進化を実行した。それによりカードが一瞬輝き、トーンのカードが新たな姿を現す。

 よし、無事に進化ができたみたいだな。いったいトーンは、どれくらい強くなったのだろうか。

 俺はそう思いながら、早速その内容を確認してみた。

 
 種族:デスウォールトレント(トーン)
 種族特性
闇盾あんじゅん木壁ぼくへき】【ルーツウォール】
【身体操作上昇(中)】【エナジードレイン】
【生命感知】【偽装擬態】【貯蔵】
【苗床吸収】【骸木人生成】

 エクストラ
【ランクアップモンスター】

 スキル
【樹液果実生成】


 進化を遂げたトーンはネクロトレントから、新たにデスウォールトレントになったようである。

 カードから確認できる容姿は、以前と似たような雰囲気があった。

 黒茶色の木の部分と、中央付近にある目は赤く吊り上がっている。

 以前との違いは、葉の色が赤色からトレント本来の緑色に戻ったことだろうか。

 おそらくランクとしては、順当にBランクになったような気がする。

 また気になったスキルの効果も、確認してみた。
 

 名称:【闇盾あんじゅん木壁ぼくへき
 効果
 ・一日に三時間周囲に闇の結界を展開する。
 ・このスキルには以下の効果が内包される。
【盾適性】【闇属性適性】
【闇属性耐性(中)】【物魔耐性(小)】
【硬化】【再生】【ガード】【パリィ】
【シールドバッシュ】【挑発】
【シャドーニードル】【シャドーバインド】


 名称:ルーツウォール
 効果
 ・盾のような根の塊を影響範囲内で生成し、操作することを可能とする。
 

 名称:樹液果実生成
 効果
 ・樹液を生成する。
 ・果実を生成する。


 色々とスキルや装備が消失したと思っていたが、どうやら【闇盾あんじゅん木壁ぼくへき】というスキルに、だいたいは内包されたらしい。

 また周囲に闇の結界を展開できるらしく、どのような効果なのかはまだ未知数だ。これはあとで試してみようと思う。

 それと他にはルーツウォールという、盾のような根の塊を生み出して操ることができるようだ。

 おそらくこれは、盾スキルと組み合わせて運用する形だろう。盾としての役割と同時に、トーンのメインウエポンになるような気がした。

 そして樹液生成が、樹液果実生成に進化している。今回の進化による、スキルのランクアップ対象になったのだろう。

 効果内容はふわっとしているが、これは期待ができる。どのような樹液と果実が生成されるのか、実に楽しみだ。

 スキル構成を見た感じ、トーンは順当に強みを伸ばした進化を遂げたようである。

 さて、確認も済んだし、実際にトーンを召喚してみよう。

 そう思い俺は、早速進化したトーンを訓練場の広い場所で召喚した。

「トーン、出てこい!」
「――ギィ」

 すると以前よりも低い、まるで木が擦り合わさったような声を響かせながら、トーンが現れる。加えてその大きさは、予想以上だった。

「おおっ、でかいな……」
「――ギギッ」

 トーンのサイズは見上げるほど大きく、何より横にも太い。

 高さは二階建ての家くらいであり、横幅は高さよりは当然細いものの、まるで壁のように広かった。

 正直部屋の中で召喚していたら、大変なことになっていただろうな。

 また以前のように木の一部が縦に開くと、中にはハエトリグサのような鋭い歯が並んでいる。

 加えてよく見れば、口内にも様々なトゲや鋭い根っこなどが確認できた。

 おそらくその中に放り込まれたら、生還することは困難だろう。

 それにスキル以外の基礎能力も高そうだし、Bランクモンスターの中でも、強い方だと思われる。耐久面でいえば、Aランク相当なのは確実に違いない。

 しかし今後の壁役としては申し分ないが、やはりネックなのはその大きさである。場合によっては、マイナスの方向に働くこともあるだろう。

 ふむ。これは縮小のスキルオーブを手に入れて、覚えさせる必要がありそうだな。

 確かまだあったはずだが、他にも縮小のスキルを覚えさせたい配下がいる。それに今後も縮小のスキルは必要になるだろう。

 なのでどうにかして、縮小のスキルオーブを新たに入手したい。とりあえずそれについては、後で考えよう。

 そう思いつつ、俺は気になっていたスキルを実際に使わせてみることにした。

 まずは、【闇盾あんじゅん木壁ぼくへき】の結界である。

「トーン、結界を出してくれ」
「――ギィ!」

 命じてみるとその瞬間、紫色の半透明な結界が、トーンを中心に半円状に広がった。

 なるほど。こんな感じになるのか。

 トーンに使ってみた感じを訊いてみると、どうやら敵を中に入れないようにすることができるらしい。また味方判別をした者は、出入りが自由なようだ。

 加えて物理攻撃はもちろんのこと、魔法攻撃も防ぐことができるとのこと。ただ見た目通り、闇属性には強く、光属性などには弱いみたいだ。

 一日に三時間とはいえ、もしもの時は即座に展開できるので、便利なことには違いない。

 また範囲を狭めれば強度が上がり、広げればその分強度が下がるので、注意が必要のようだ。

 そうして次に、ルーツウォールを試すことにした。

「トーン、次はルーツウォールだ」
「――ギギ!」

 すると周囲の地面から、巨大な根っこが無数に姿を現す。途中までは太い普通の根っこなのだが、先端は盾のように四角く、巨大な根っこの集合体のような感じになっている。

 また自由に動かせるようであり、とても迫力があった。人一人など、簡単に押し潰せそうな規模である。

 何より一本だけではなく、無数に生やすことができるのが素晴らしい。これは集団戦でも、活躍しそうである。

 更にこのルーツウォールへと硬化を発動した上で、シールドバッシュを行えば、大抵の敵はひとたまりもないだろう。

 やはりこのルーツウォールは、トーンにとってはメインウエポンになりそうだ。

 そうしてルーツウォールを解除してもらうと、一瞬で腐るようにして小さくなり、瞬く間に消えてしまった。

 どうやら生成した後も残り続けるということは、無いようである。
 
 そして最後に、【樹液果実生成】を試すことにした。

「トーン、最後に樹液果実生成を頼む」
「――ギギィ!」

 俺がそう命じると、トーンは自身の根っこの一つを俺の元へと伸ばし、スキルを発動する。

 するとトーンの根っこに、アプルの実がった。どうやら根っこの先からでも、果実が作れるようだ。

 早速取ってかじってみると、甘さと酸味が良い塩梅で口の中に広がる。とても美味しかった。

 これはアプルトレントのアプルよりも、数段上かもしれない。これは高級フルーツ店にも、出せるレベルだろう。

「にゃにゃ!」
「ああ、レフにもやろう」
「にゃぁ!」

 ここまでついて来ていたレフにも、俺の食べかけだが分け与えてやる。するとレフはトーンの作り出したアプルの果実を、シャクシャクとおいしそうに食べ始めた。

 続いてアプルの次は、トーンシロップも出してもらう。これも根っこの先端から、まるで蜂蜜を垂らしたかのようにしてあふれ出す。

 それを軽く指ですくって舐めてみると、加工処理をしていないにもかかわらず、とても甘く美味しかった。

 加えてこれもアプルと同様に、以前口にしたトーンシロップよりも、数段上の美味しさだったのである。

 またこれまでのトーンシロップは、そのままだと水っぽく、濃縮させることであの甘さを実現していたのだ。

 しかしこの新しいトーンシロップは、その濃縮工程をしなくてもいいようである。手間が減った上で、なおかつ大量生産もできるようだ。

 これはトーンシロップが大好物の、リーフェも喜ぶことだろう。実際カードから出たがっているが、次の進化が控えているので、後で渡すことにして出ないように抑え込んだ。

 とりあえず、トーンの進化結果は以上である。

 俺はそうしてトーンをカードに戻すと、次はルトナイのカードを取り出すのだった。

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