倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ

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第四章

122 自称ハイエルフの問題

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 こんなに早く巻き込まれかけるとは、流石に思わなかったな。

 ハイエルフというのは、どう考えても転移者の事だろう。

 それとハイエルフを名乗っているが、おそらく自称に過ぎない。

 なぜならキャラクターメイキングの時、ハイエルフという種族は存在しなかった。

 俺の見落としやど忘れでなければ、間違いないだろう。

 そして自称ハイエルフは、一人ではない。

 情報収集した限り、最低でも三人以上はいる。

 またそれをまとめ上げている女王がいるらしく、油断はできない。

 これまで転移者は、癖の強い奴ばかりだった。

 全ての転移者がそうとは言えないが、それでもそんな癖の強い転移者を複数人まとめ上げているらしい。

 なので自称ハイエルフの女王は、かなり強力な神授スキルを持っている可能性が極めて高かった。

 そんな複数人の転移者を相手にできるほど、俺は自分の力にうぬぼれてはいない。

 自称ハイエルフたちはこのまま力をつけるかもしれないが、ツクロダの時のように倒すことは難しいだろう。

 神授スキルを同時に受ければ、ゲヘナデモクレスを出しても負ける可能性がある。

 どのような効果があるのかは、全くの未知数なのだ。

 それに分かっている人数は三人だが、もしかしたらそれ以上いるかもしれない。

 意味もなく蛮勇ばんゆうに挑むくらいなら、おとなしくエルフの国を通過して、次に行った方がいいだろう。

 情けない話だが、俺はゲヘナデモクレスとの出会いによって、自分より圧倒的に強い者がいることを知った。

 もちろんゲヘナデモクレスを産み出したのは俺だが、あのレベルが他にいないとは限らない。

 実際エルフの国で、俺は妙な気配を感じた。

 アレは直感で、関わってはいけない不味いものだと判断している。

 つまりあの妙な気配の持ち主も、ゲヘナデモクレスレベルの可能性があった。

 加えて戦闘特化の神授スキル所持者が、そのレベルでいるかもしれない。

 それに自称ハイエルフたちがいる場所で、直接情報収集するのは逆に命取りになりかねないだろう。

 鑑定系や感知系の神授スキル所持者がいた場合、見つかる可能性がある。

 なので俺にできることは、関わらずに別の転移門からさっさと移動することだ。

 さいあく見つかって戦闘になりそうであれば、またオブール王国に戻るのも一つの手になる。

 まあそうは言っても、自称ハイエルフたちはエルフの国の王都的場所である中央と争っているようなので、近付かなければ大丈夫だろう。

 この村のエルフが普段とあまり変わらないのも、両者が村に被害を与える気が無いからだと思われる。

 あとはエルフの時間的感覚から、まだ大丈夫だと楽観視しているのかもしれない。

 であるならば、転移者である自称ハイエルフたちの動きを甘く見ていることになる。

 転移者であるならば、感覚はエルフではなく人族に近いだろう。

 案外、大きな争いが起きる日は近いのかもしれない。

 どちらにしても俺は慎重に行動しつつ、他の転移門を探すことにする。

 それとこの村に残るのは気まずいし、別の場所に移動することにした。

 大村や中央は自称ハイエルフと、何らかの形で関わるかもしれない。

 であれば、他の村……いや、西端に行くか。

 確かキィーリアが、西端にはダークエルフがいると言っていた。

 エルフのいる村々にいるよりも、意外と安全かもしれない。

 自称ハイエルフはダークエルフも平等に扱うらしいが、おそらく簡単には行かないだろう。

 エルフたちは、ダークエルフに対して差別意識を持っている。

 人のよさそうなキィーリアでさえも、当たり前のようにダークエルフを差別していた。

 自称ハイエルフが国を手に入れるための建前だけの理由で平等を口にしているのであれば、それはいずれ撤廃される可能性がある。

 それか平等に見せかけて、実質そうでない条件を追加するはずだ。

 どうにかエルフを懐柔すれば、国を手に入れる難易度が大きくさがるだろう。

 なのでどちらにしても、何らかの変化が起きる可能性が高い。

 まあダークエルフの勢力がどれほどか不明なので、それを調べる意味でも行ってみる価値はある。

 それに国境門の場所は、北か南、それか西にあるはずだ。

 これまでの経験から、国境門は概ね国の端にあった。

 もちろん北東や南西など斜め方向にもあったが、まずは縦横で考えている。

 なので西端にいるダークエルフなら、国境門について何か知っているかもしれない。

 俺が通ってきた国境門は東だし、南は自称ハイエルフたちがいるので論外だ。

 そういう訳で宿代が少しもったいないが、早々にチェックアウトして村を出る。

 既にフォレストバードは南以外の場所に飛ばしており、広範囲に召喚転移が可能だ。

 その中で最も西に位置する個体に、俺は意識を向ける。

 どうやら既に、荒野に入っているようだ。

 この国は、思っていたよりも小さいのかもしれない。

 とりあえず俺は安全な場所に移動すると、フォレストバードを目印にしてさっそく召喚転移をするのだった。

 ◆

 ここが、ダークエルフのいる荒野か。

 茶色い砂に岩山、僅かに生える植物。

 住むには、厳しい環境だ。

 それでもフライングモスボールが飛んでいるので、飢えることは無さそうである。

 にしても、なんでダークエルフは差別をされているのだろうか?

 キャラクターメイキングの時の情報を思い出しても、そこまでエルフとの性能差は無いように思える。

 ちなみに、ダークエルフはこんな感じだった。


 種族:ダークエルフ(35P)
 寿命:300年~500年
 特性
【属性適性ランダムに0~1つ】【適性を得た下級属性魔法をランダムに0~1つ】
【身体能力上昇(小)】【技量上昇(小)】
【何らかの武器適性と関連下級スキルを一つずつ得る】


 エルフと比べるとこう。


 種族:エルフ(35P)
 寿命:300年~500年
 特性
【属性適性をランダムに1~2つ】【適性を得た属性の下級属性魔法をランダムに1~2つ】
【魔力上昇(小)】【魔法耐性(小)】【杖系、弓系の武器適性を得る可能性】


 簡単に比べると、ダークエルフが物理系でエルフが魔法系という事になる。

 違いはあるが、そこまで大きな差はない。

 だとすれば種族差ではなく、歴史的な問題だろう。

 それが分からなければ、何とも言えない。

 詳しいことは、後々ある程度知ることができるだろう。

 まあだとしても、この問題をどうこうする気はない。

 むしろ、どうにもできないだろう。

 短期間で改善できるものでは無い。

 俺に寿命は無いが、そのために数十年、下手をすれば数百年も拘束される訳にはいかなかった。

 それにこの大陸には、自称ハイエルフたちがいる。

 すなわち差別問題を正すということは、自称ハイエルフたちと関わる事になるだろう。

 俺には、その力が圧倒的に足りない。

 せめてゲヘナデモクレスを完全に御するほど強くなれなければ、話にならないだろう。

 なので今は、自分が強くなることに集中する。

 それにいずれ力を蓄えたら、どうにかできる時が来るかもしれない。

 まあそのためには、ダークエルフが差別されている理由を知るのが前提だが。

 もちろんそれで圧倒的にエルフが悪ければ、多少なりとも手を貸すかもしれない。

 どちらにしても、今は情報収集が必要だ。

 なので俺は、アサシンクロウを数羽召喚して放つ。

 フォレストバードでないのは、既に偵察や探索、召喚転移用の目印として全て出し尽くしているからである。

 また荒野にフォレストバードは、少し不自然とも思った。

 ゆえに今回は、アサシンクロウを偵察に出したのである。

 もちろん隠密を発動させて、ダークエルフなどがいても近づき過ぎないように命じた。

 あくまでも、村などを見つけるための探索だ。

 それに、ダークエルフの容姿を観察する必要がある。

 エルフの姿よりも、ダークエルフに偽装した方が潜入もしやすい。

 その間暇なので、俺は周囲のフライングモスボールを狩ることにした。


 種族:フライングモスボール
 種族特性
【浮遊】【分裂】【同種融合】


 食用の他に、最低限十枚はカード化しておく。

 おそらく俺の手持ちの最弱カードが、更新された気がする。

 フライングモスボールは、とても弱い。

 反撃することもなく、あっさり死亡する。

 襲ってくることもない。

 種族特性に攻撃手段もなく、身体も柔らかいまりもである。

 本当に、不思議なモンスターだ。

 そんなことを思っている内に、アサシンクロウの一羽が何かを見つける。

 おそらくだが、ダークエルフを発見したみたいだ。
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