倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ

文字の大きさ
355 / 535
第九章

328 ファントムワールド ⑦

しおりを挟む

 突然現れた大剣だが、俺の直感が今すぐ手に取れと、強く訴えかけてくる。

 だが言われるまでもなく、俺はその大剣に右手を伸ばしていた。

 そして俺が大剣を手にした瞬間、本来あり得ないアナウンスが、脳内に流れてくる。

『神授スキル【二重取り】が発動しました。魔剣【カオスインフィニティ】を獲得します』

 すると何故か二重取りが発動して、左手にも同様の大剣が現れた。

 突然のことに、俺は戸惑いを隠せない。しかし、二重取りの効果はそれで終わらなかった。

『同質の魔剣が二振り存在しているため、魔剣を統合します』

 そしてそのアナウンスと同時に、二つの魔剣はまるで重なるように統合され、新たな姿を現す。

『魔剣【カオスインフィニティ】は、魔神剣【ルインダークネス】に進化しました』

 脳内に聞こえてきた剣の名称は、”魔神剣ルインダークネス”といった。しかしその見た目は、ある意味とてもシンプルである。

 大きさはおよそ150cm。刃の部分は分厚く、まるで包丁のよう。そしてその全てが黒よりも濃い、暗黒色。闇に紛れれば、視認することは困難だろう。

 また剣で例えるなら、バスターソードのような形に近いだろうか。そんな見た目をしているのが、この魔神剣、ルインダークネスだった。

 加えてこの魔神剣からは、俺ですら身の危険を感じるほどの禍々まがまがしい、目には見えないオーラのようなものを放っている。

 あのフレッシュゴーレムですら、魔神剣に警戒して動けずにいた。おそらく本能に訴えかけるような、そんな何かがあるのだろう。

 また両手で魔神剣を握っていると、まるで俺の体の一部になったかのような一体感があった。

 ちなみに握る際に邪魔になる長い爪は、無意識に消している。でなければ今頃爪によってこの魔神剣を使うのに、支障をきたしていただろう。

 そして一体感があるとはいえ、どこかこの魔神剣から完全には認められていないという、そんな何かも感じている。

 暫定的に仮の持ち主として、渋々しぶしぶ手を貸してくれている気がした。

 そんな魔神剣の能力を、俺は鑑定してみる。

 
 名称:魔神剣ルインダークネス
 説明
 ・全ての攻撃に任意で闇冥神属性を付与する。
 ・闇冥属性の効果を極大上昇させる。
 ・神属性の効果を中上昇させる。
 ・光聖属性に与えるダメージが極大上昇する。
 ・神属性に与えるダメージが中上昇する。
 ・持ち主のあらゆる能力を極大上昇させる。

 ・一日に十回無条件で耐性、無効、反射、再生を無効化する効果を任意で攻撃に付与できる。
 ・一ヶ月に三分間だけ、この魔神剣に神滅属性を付与することができる。
 ・一ヶ月に三分間だけ、無条件で自身の魔力を無限にする。使用後は反動により、消費した魔力量の五倍を支払うまで、あらゆる魔力消費行動が不可能になる。

 ・この魔神剣に認められた者にしか使用できず、念じると手元に戻ってくる。
 ・この魔神剣は、冥神属性適性が無ければ使用できない。
 ・この魔神剣は神力を消費し続ける。また神力が切れるとなまくらになり、効果の大部分が使用できなくなる。
 ・この魔神剣は、時間と共に修復される。

 ・この魔神剣は持ち主と共に成長し、以下のスキルを内包している。
【魔力超再生】【魔力解放】【カオスブレイク】
【剣心一体】【上級スキル郡(剣)】


 なるほど。そういうことか。

 魔神剣の効果を確認した瞬間、俺はこの魔神剣についてその多くを理解した。

 それは魔神剣に内包されている、剣心一体の効果でもある。実際に他のスキルも使う時になれば、より詳しく分かることだろう。

 ただ俺のことを完全には認めてはいないようで、その能力を完璧には発揮できそうにはない。

 だがそれでも十分に、この絶望的な状況を打開できると思われる。

 しかし同時に不思議なのは、俺に武器を与えた存在についてだった。周囲には、それらしき姿はない。また空間に空いていた穴は、いつの間にかなくなっている。

 けれども俺は、そのことについて不審には思わなかった。なぜならこの魔神剣の元になった魔剣を与えてくれた存在について、目星がついていたからである。

 あの声はどう考えても、ゲヘナデモクレスのものだよな? 突然のことだったが、流石に聞き間違えることはない。

 そう、どうやったかは不明だが、俺の窮地に魔剣を届けてくれたのは、ゲヘナデモクレスの可能性が高かった。

 過去に紫黒しこくの指輪を渡されたこともあるので、魔剣を作れたとしても不思議ではない。

 ただ疑問なのは紫黒しこくの指輪の時は二重取りが発動せずに、逆に今回は発動したことである。

 それにこれまで増えたとしても、スキルオーブや物自体が統合されることはなかった。

 重複による統合は、スキルや称号など、ステータス関連のものに限られていたのである。
 
 もしかしたら何かがきっかけで、二重取りの隠し効果が発動したのだろうか? いや、だがしかし、どうにもタイミングが良すぎる気がする……。

 あまりの都合の良さに、俺は思わずそう考えてしまう。けれども、その考えはすぐさま振り払われた。

 とても気になるが、今はこの好都合を受け入れよう。何となくだが、それはいずれ分かる気がする。

 俺はそう納得をすると、目の前の戦いに集中することにした。

 魔神剣を手にしたものの、まだピンチであることには変わらない。

 それにこの魔神剣は、ただ手に持つだけで神力が消費されていく。加えて何か効果を使用すれば、それに比例して神力を差し出すことになりそうだ。

 現状の消費量から考えて、あまり調子に乗らない方がいいだろう。赤い煙戦が控えていることも、忘れてはいけない。

 だがその逆に出し惜しみして、負けるようなことなど骨頂こっちょうだ。

 故に俺は、そのちょうどいい塩梅あんばいを見極める必要があった。

 そうして魔神剣を構えてフレッシュゴーレムを見ると、向こうも反射的に聖剣を構える。

 不思議と静寂せいじゃくとした時が流れ、共に動きが止まった。
 
 まるで光の巨人と、闇の悪魔が相対しているように見えなくもない。

 ライトアーマーを纏っているフレッシュゴーレムは、どこか神々しさもあった。

 しかしそれは、やはり見た目だけなのである。

「!?」

 フレッシュゴーレムの知能と思考力、そしてスキルの扱い能力が低いことが、そのわざわいいをもたらした。

 背後から現れた俺のドッペルシャドーによる分身に気がつくのが、遅れたのである。魔神剣を持つ俺に対して、警戒をし過ぎたせいだろう。

 その結果として分身による全力のシャドーサイスが、フレッシュゴーレムのライトアーマー・・・・・・・を斬り裂いた。

 それによりフレッシュゴーレム自体は耐性で無傷だったが、ライトアーマーの方は容易に消し飛ぶ。

 俺のカオスアーマーとは違い、ライトアーマーは中級スキルだ。強力な闇属性の攻撃を受ければ、耐えきれずに消えてしまう。

 そのことを、フレッシュゴーレムは知らなかったようである。俺のように対極属性の攻撃を受けても、消えないように保つ意識も皆無のようだった。

 すると回復ができないフレッシュゴーレムの腹部からは、未だに神力の攻撃による傷が残っており、出血が止まっていない。

 加えてライトアーマー内に溜まっていた血液が、風呂釜をひっくり返したかのように、勢いよく床へと広がっていく。

 しかしそれだけ出血をしていても、ゾンビ系故に行動不可能にはならなかった。血が未だに流れ続けているのも、お構いなしのようである。

 だがそれでも多少は以前よりも、動きが鈍くなっているようだった。

「コ゛カ゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

 その反射的に聖剣で分身を斬り裂いた動きが、俺には前よりも遅く見えた。

 またそんな反射的に動いてしまった僅かな隙は、フレッシュゴーレムにとっては致命的になる。

 ろくに学習もしない暴走アンデッドで、助かった。

 フレッシュゴーレムがこちらに振り向いた時には、もう遅い。

「喰らえ、Vスラッシュ」
「――!!」

 神力を付与し、無条件で耐性、無効、反射、再生を無効化する一撃だ。あらゆる耐性が高いコイツには、とてもよく効くだろう。

 そうして魔神剣ルインダークネスによって、フレッシュゴーレムが斬り裂かれるのだった。

しおりを挟む
感想 119

あなたにおすすめの小説

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~

シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。 目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。 『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。 カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。 ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。 ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。

実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~

仮実谷 望
ファンタジー
とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

処理中です...