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第百六十六話 街の惨状
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僕は倒れた爺さんの護衛をシュラさんと配下のスザクに任せた。
シュラさんにしたのは、シュラさんの見た目が大人の時のフォリスさんの姿なので、爺さんが驚かなくて済むように配慮した為だ。
爺さんの護衛の心配が無くなったので、街の中央にむかいます。
僕の住んでいるボロ船邸は、街の外れにあります。
少し歩くと、桟橋があります。ここに数艘の商船が止っているはずですが姿が見えません。
爺さんがいるのに商船がいないのは少し変です。
「恐らく街の人を乗せて避難したのでしょうね」
僕の疑問を先読みして、フォリスさんが説明してくれた。
確かにそう考えるのが自然です。
でも、もしそれが本当なら、街はどんな状況になっているのでしょうか。
背筋が寒くなりました。
「きゃああああーーーー!!!!」
悲鳴が聞こえます。
街の中央からです。
「うぎゃあああーーーーー」
また悲鳴です。
いったい何が起こっているのでしょうか。
「こ、これは……」
街の中央に死体がいくつも、うち捨ててあります。
視線を移すと、フォリスさんがこの場にいる兵士をアスラバキし終わっています。
表情がどこかの魔王を思わせるほど恐ろしい怒りの表情です。
「もう大丈夫ですよ」
助けた少女に視線を向けたフォリスさんは笑顔になりました。
いつもは賑やかな街の広場に生者の気配がありません。
「あなた達は何をしたのですか」
「うるせーがき!!」
アスラバキで動けなくなった兵士がフォリスさんをにらみ付けます。
「どこの馬鹿かしらんが、俺たち天帝の騎士団にこんなことをすれば、生きてここを出ることはできんぞ!!」
別の兵士がフォリスさんをにらみ付けます。
フォリスさんの顔に、殺気が満ちあふれた笑顔が浮かび上がります。
見たことも無い程、目が吊り上がり異様に光輝きます。
「ジュウドウ!!!!」
僕が大声を出します。
その声に反応してフォリスさんがハッとした顔になり、我を取り戻したようです。
「はっ!!」
「天帝の勇者にシャドウの監視は付いていますか?」
「もちろんにございます。天帝の勇者の行動は全て筒抜けになっております」
「そうですか。では、このもの達を、天帝の勇者が一番嫌がるタイミングで、頭の上におとしてやって下さい」
「と、言われますと?」
ふふふ、ジュウドウはわかっているくせに聞いて来ました。
それは、ここの兵士達に聞かせる為なのでしょう。
「例えば、食事中に、頭の上と食事の上に落とすのもいいでしょう。ベッドに入ったら、五分おきぐらいにおとしてやって下さい」
「そ、そんなことをすれば天帝の勇者様が激怒なさいますよ!」
ジュウドウが驚いた顔をします。
「あーーはっはっはっ」
フォリスさんが可笑しそうに笑い出しました。
「良かったわ。怒りにまかせて命を奪わなくて。その方が罰としては有効ですね」
フォリスさんはふたたび、兵士をにらみつけました。
「そう言っている間に、天帝の勇者が食事をしようとしています」
ジュウドウが言いました。
「じゃあ、その方とその方を最初に天帝の勇者の頭の上と、料理の上に移動させましょう」
僕は、フォリスさんをにらみ付けた兵士二人を指名した。
その瞬間二人の姿が消えた。
「ひ、ひいいいいい」
兵士達から悲鳴が出た。
兵士達は自分たちに起こる事を理解したようだ。
「どうですか、ジュウドウ。天帝の勇者の様子は?」
「頭をスープに突っ込んで、料理を台無しにされて、恐ろしい表情で震えています」
「この者達には丁度いい罰になるでしょう」
「や、やめてくれーーーーー」
全員が涙目になり懇願してきます。
シュラさんにしたのは、シュラさんの見た目が大人の時のフォリスさんの姿なので、爺さんが驚かなくて済むように配慮した為だ。
爺さんの護衛の心配が無くなったので、街の中央にむかいます。
僕の住んでいるボロ船邸は、街の外れにあります。
少し歩くと、桟橋があります。ここに数艘の商船が止っているはずですが姿が見えません。
爺さんがいるのに商船がいないのは少し変です。
「恐らく街の人を乗せて避難したのでしょうね」
僕の疑問を先読みして、フォリスさんが説明してくれた。
確かにそう考えるのが自然です。
でも、もしそれが本当なら、街はどんな状況になっているのでしょうか。
背筋が寒くなりました。
「きゃああああーーーー!!!!」
悲鳴が聞こえます。
街の中央からです。
「うぎゃあああーーーーー」
また悲鳴です。
いったい何が起こっているのでしょうか。
「こ、これは……」
街の中央に死体がいくつも、うち捨ててあります。
視線を移すと、フォリスさんがこの場にいる兵士をアスラバキし終わっています。
表情がどこかの魔王を思わせるほど恐ろしい怒りの表情です。
「もう大丈夫ですよ」
助けた少女に視線を向けたフォリスさんは笑顔になりました。
いつもは賑やかな街の広場に生者の気配がありません。
「あなた達は何をしたのですか」
「うるせーがき!!」
アスラバキで動けなくなった兵士がフォリスさんをにらみ付けます。
「どこの馬鹿かしらんが、俺たち天帝の騎士団にこんなことをすれば、生きてここを出ることはできんぞ!!」
別の兵士がフォリスさんをにらみ付けます。
フォリスさんの顔に、殺気が満ちあふれた笑顔が浮かび上がります。
見たことも無い程、目が吊り上がり異様に光輝きます。
「ジュウドウ!!!!」
僕が大声を出します。
その声に反応してフォリスさんがハッとした顔になり、我を取り戻したようです。
「はっ!!」
「天帝の勇者にシャドウの監視は付いていますか?」
「もちろんにございます。天帝の勇者の行動は全て筒抜けになっております」
「そうですか。では、このもの達を、天帝の勇者が一番嫌がるタイミングで、頭の上におとしてやって下さい」
「と、言われますと?」
ふふふ、ジュウドウはわかっているくせに聞いて来ました。
それは、ここの兵士達に聞かせる為なのでしょう。
「例えば、食事中に、頭の上と食事の上に落とすのもいいでしょう。ベッドに入ったら、五分おきぐらいにおとしてやって下さい」
「そ、そんなことをすれば天帝の勇者様が激怒なさいますよ!」
ジュウドウが驚いた顔をします。
「あーーはっはっはっ」
フォリスさんが可笑しそうに笑い出しました。
「良かったわ。怒りにまかせて命を奪わなくて。その方が罰としては有効ですね」
フォリスさんはふたたび、兵士をにらみつけました。
「そう言っている間に、天帝の勇者が食事をしようとしています」
ジュウドウが言いました。
「じゃあ、その方とその方を最初に天帝の勇者の頭の上と、料理の上に移動させましょう」
僕は、フォリスさんをにらみ付けた兵士二人を指名した。
その瞬間二人の姿が消えた。
「ひ、ひいいいいい」
兵士達から悲鳴が出た。
兵士達は自分たちに起こる事を理解したようだ。
「どうですか、ジュウドウ。天帝の勇者の様子は?」
「頭をスープに突っ込んで、料理を台無しにされて、恐ろしい表情で震えています」
「この者達には丁度いい罰になるでしょう」
「や、やめてくれーーーーー」
全員が涙目になり懇願してきます。
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