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第二百一話 領都を守る猛将
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「魔王様は何故最初から、私達をお使いにならなかったのですか」
「単純に、それで大丈夫だと思っていたからですよ」
「バルビロ領の攻撃が、魔王様の予想の上を行ったのですね」
「ええ、そうです。すごい人達です」
僕が答えるとジグリオさんは、バルレノさん達三人を乗せて飛ぶドラゴンの方を見つめた。
「ドラゴンの背中に乗ったのは二度目ですが、こうやって乗ると楽ですね」
ジグリオさんの、首の付け根には、一枚反対向きについているうろこがあり、そこに縄をかけて体を固定させてもらっている。
「逆鱗と言うのですよ。前回はどの様にして乗られたのですか?」
「そうですね。体を密着させて、ギュッと抱きついていました」
「……」
「うわああーー」
何だかジグリオさんの機嫌が悪くなったみたいです。
急降下しました。
「見てください。領都が見えてきました」
立派な領都です。
外壁に囲まれ、大きな街がありその中央に、頑丈な城壁に囲まれた領主の居城があります。
街の領民は避難して、この領都にはいないようです。
すでに中央の城に、兵士の家族が避難しているようです。
大勢の人影が領主の居城に見えます。
「あれは!」
ジグリオさんが領都から少し視線をあげました。
領都の東側で激しい戦闘が始まっています。
街の外壁に五百名程の弓隊を残し、討って出たようです。
バルビロ領、三千人の兵士に対し敵兵はその十倍以上います。
兵力十倍に、突っ込むとはどれだけ勇猛な将が率いているのでしょうか。
でも、無謀です。
全体が囲まれ、動けなくなっています。
「聖騎士ライファ、敵将討ち取ったりーーーーー!!!!」
「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」
戦場から歓声が上がりました。
「えっ!!」
油断している敵軍の中央を抜いて、突撃し敵将を討ち取ってしまったようです。
とは言え、完全に囲まれています。
オウブさんとロホウさんが僕を見ました。
僕は大きくうなずきました。
丁度良いタイミングだったようです。
「僕達は、領主様の居城に行きましょう」
「きゃああああーーーーー!!!!」
僕達がお城に近づくと城から悲鳴が上がります。
「おーーい!! 落ち着け、落ち着けーー! 俺だーー! バルゼオだーー!! 味方だ! 味方だー!」
「バ、バルゼオ様! リョウキ様! レノ様!」
城から声が上がります。
そして落ち着きを取り戻し、ドラゴンが降りる隙間を作ってくれました。
二人のドラゴンが着地し、僕が背中から降りるとジグリオさんは、いつもの美女の姿になりました。
バルレノさん達三人が着地すると、一人のメイドさんが走り寄ってきます。
「どうしました」
青い顔をして近づくメイドさんに、バルレノさんが声をかけます。
「は、はい」
返事をすると、メイドさんはバルレノさんに耳打ちをします。
「そうですか。すぐに行きます。ま、いえ、ジグリオ様、一緒に来て下さい」
バルレノさんは魔王様と言いかけて、それをやめてくれました。
無駄な騒ぎを起こさないようにする為と、僕の正体を隠すように配慮してくれたのでしょう。
僕達は、レノさんに案内されるまま城内に入りました。
少し耳打ちが気になります。
何しろ、あのリョウキさんがいるのですから。
「単純に、それで大丈夫だと思っていたからですよ」
「バルビロ領の攻撃が、魔王様の予想の上を行ったのですね」
「ええ、そうです。すごい人達です」
僕が答えるとジグリオさんは、バルレノさん達三人を乗せて飛ぶドラゴンの方を見つめた。
「ドラゴンの背中に乗ったのは二度目ですが、こうやって乗ると楽ですね」
ジグリオさんの、首の付け根には、一枚反対向きについているうろこがあり、そこに縄をかけて体を固定させてもらっている。
「逆鱗と言うのですよ。前回はどの様にして乗られたのですか?」
「そうですね。体を密着させて、ギュッと抱きついていました」
「……」
「うわああーー」
何だかジグリオさんの機嫌が悪くなったみたいです。
急降下しました。
「見てください。領都が見えてきました」
立派な領都です。
外壁に囲まれ、大きな街がありその中央に、頑丈な城壁に囲まれた領主の居城があります。
街の領民は避難して、この領都にはいないようです。
すでに中央の城に、兵士の家族が避難しているようです。
大勢の人影が領主の居城に見えます。
「あれは!」
ジグリオさんが領都から少し視線をあげました。
領都の東側で激しい戦闘が始まっています。
街の外壁に五百名程の弓隊を残し、討って出たようです。
バルビロ領、三千人の兵士に対し敵兵はその十倍以上います。
兵力十倍に、突っ込むとはどれだけ勇猛な将が率いているのでしょうか。
でも、無謀です。
全体が囲まれ、動けなくなっています。
「聖騎士ライファ、敵将討ち取ったりーーーーー!!!!」
「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」
戦場から歓声が上がりました。
「えっ!!」
油断している敵軍の中央を抜いて、突撃し敵将を討ち取ってしまったようです。
とは言え、完全に囲まれています。
オウブさんとロホウさんが僕を見ました。
僕は大きくうなずきました。
丁度良いタイミングだったようです。
「僕達は、領主様の居城に行きましょう」
「きゃああああーーーーー!!!!」
僕達がお城に近づくと城から悲鳴が上がります。
「おーーい!! 落ち着け、落ち着けーー! 俺だーー! バルゼオだーー!! 味方だ! 味方だー!」
「バ、バルゼオ様! リョウキ様! レノ様!」
城から声が上がります。
そして落ち着きを取り戻し、ドラゴンが降りる隙間を作ってくれました。
二人のドラゴンが着地し、僕が背中から降りるとジグリオさんは、いつもの美女の姿になりました。
バルレノさん達三人が着地すると、一人のメイドさんが走り寄ってきます。
「どうしました」
青い顔をして近づくメイドさんに、バルレノさんが声をかけます。
「は、はい」
返事をすると、メイドさんはバルレノさんに耳打ちをします。
「そうですか。すぐに行きます。ま、いえ、ジグリオ様、一緒に来て下さい」
バルレノさんは魔王様と言いかけて、それをやめてくれました。
無駄な騒ぎを起こさないようにする為と、僕の正体を隠すように配慮してくれたのでしょう。
僕達は、レノさんに案内されるまま城内に入りました。
少し耳打ちが気になります。
何しろ、あのリョウキさんがいるのですから。
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